次に逢うまで元気でいるから

だからそちらも元気でいてね。

この願いが叶うことは半ば奇跡的なのではないかと思うようになるとは思わなかった。

去年10月、BUCK-TICKのボーカル、櫻井敦司さんが亡くなられた。歳もそんなに離れていないミュージシャンが亡くなられたというニュースは、それを知った瞬間の私をひどく動揺させた。
そのニュースを知ったのは、スマホの機種変更の為訪れていたSoftBankショップで、スタッフの方を待っている間にSmartNewsの通知を見たからだった。
友人にBUCK-TICKファンがいることもあり、大層驚いた後に彼女の顔が過った。
まだ仕事中で、多分このことは知らないだろう、でも遅からず知ることになる。
自分ごとでもないのに動揺して、その後スタッフの方の話を聞いていても頭に入らなかった。

機種変更手続きを終えて帰宅し、まだ前の機種が使えるうちに友人にLINEを送った。
「大丈夫? 大丈夫でも大丈夫じゃなくても返信はいらないよ」
これが、前の機種で送った最後のLINEになった。
何と言うか、彼女に「大丈夫か」と問うことで、「あなたを気にしている人がいるよ」と知らせたかった、ほぼ私のエゴからくるLINEだったが、彼女は後に「その気持ちが嬉しかった」と言ってくれた。

話を先日に飛ばす。
11日、初めてポルノグラフィティのライブに行った。
最後、昭仁さんがマイクを通さずに
「次に逢うまで、元気でおってな!」
と(もしかしたら少し言葉は違うかもしれない)仰った。
特に何気ない、いつものセリフなのかもしれない。
けれど、4か月前のことが一瞬頭を過り、互いに元気で逢うことは、もしかしたら本当は奇跡に近いことなのかもしれない、そう思った。

基本的に健康体(面倒くさい持病はあるが)の私は特に、明日の自分の命を疑ったことはない。
けれど、いつ何が起こるか、本当はわからないのだ。一瞬先のことさえ。

でも。
次に逢うまで元気でいるから。
だからそちらも元気でいてね。

お願いだから。

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