食器を手洗いする場合。
素手ですか？　ゴム手袋を使いますか？

幼い頃、母が皮膚が切れて出血するほどの手荒れがあり手袋が必須でした。
だから私自身は、素手での食器洗いは悪い事かのように感じていました。

手湿疹の方に聞くと、素手派が結構います。
まとめて洗う時は手袋をするが少量をさっと洗う時は素手で、という方もいます。
調理中にさっと洗いたい時など、手袋をはめるのが面倒な気持ちはわかります。

でも素手での食器洗いは絶対にやめて欲しい。
なぜ素手での食器洗いがそんなに皮膚に良くないのか。

長時間ただの水で手を洗うだけでも、皮膚は乾燥します。
さらに、油汚れを落とすくらい強力な洗浄剤で洗うので、皮膚の油分も保湿成分も洗い流されて皮膚がスカスカになってしまいます。

面倒でも手袋は使うようにお願いすると、
「キュッとした手触りがないと洗った実感がないのでできれば素手で洗いたい」
と粘る方もいて、そういう時にはもうひと押し次のようにお聞きします。

では今晩たった１回だけ、顔を食器洗剤で洗ってと言われたら、、、洗いますか？
これを聞くと、「あ〜、、、」と大概の方には納得して頂けます。

皆さん、たった１回でも顔は洗いたくないと思うほど、食器洗剤が皮膚に良くないと頭ではわかっているのですね。
もちろん顔と比べたら手の皮膚の方が多少は強いです。
とはいえギトギトの油も落とせる洗剤が、人の皮膚に優しいわけがありません。

いくら保湿成分が入ってても、後からクリームをたっぷり塗っても、強い洗浄力で受けたダメージを回復するのは難しいのです。
素手で毎日食器を洗い続けると、徐々に手の皮膚の健康は損なわれてしまいます。

手湿疹は、皮膚に起きている炎症を抑える薬を塗って治療します。
しかし、いくら薬を塗っても保湿をしても、皮膚そのものにダメージを与えられていては健康な皮膚にはなかなか戻れません。
だから素手での食器洗いは絶対やめて頂きたいのです。

今日キッチンに立って、食器洗剤とスポンジを素手でとろうとした時、
これで顔洗える？？？
という言葉が頭をよぎってくれたら幸いです。

顔を絶対に洗いたくない洗剤で、手だって洗ってはいけません。
食器洗いの際は、コップ1個でも手袋をはめる習慣を。