あなたの「良い」はいりません。
最近、病気のことを調べるところでこんなつぶやきを見た。
ごめんなさい。病気になって良かったとは思えません。
そんなの当り前だ、と思った。
けど
そう思わせてしまったんだろうな、誰かが。
娘が病気になってからたくさんの人の考えに触れて助けられて励まされてきた。
若くして病気をされた方が「病気になって気づけたことがある」「病気になって良かったと思う」と話されているのを見たこともある。
とても素敵なことだと思う。きっと前向きに人生を歩んでいこうと舵を切り、色んなことを飲み込んで更に大きく一歩を踏み出していく、そんな素晴らしい人たちを、私は心を震わせて見ているし、心からのエールを送っている。同じような境遇の人の言葉は強く心を励ましてくれる。
でも、そうはいかない自分も認めなくてはいけなかった。
私は自分が大きな病になったのではない。最愛の娘が5年生存率を言い渡されるような病気になった。自分では経験したことのない苦しい治療を娘が受けなければならなかった。
病気に感謝なんて絶対しない。病気なんて憎いだけだ。辛くて苦しくて悲しい、そんな「悪」だ。
病気の子を持つ親はそんな風には思えない。
そう思う。そう思っていた。
しかしそれはその限りではなく。
闘病中 小さなお子さんを持つ30代のがん患者の方を知る。彼女の更新に胸が痛くて辛くて辛くてたまらない。
小さな子供の成長を見続けたいと思う彼女の想い。何かしてあげたいと思っても体が思うように動かないもどかしさ。
そんな日々に触れたとき、私はどんな自分でもきっとやはりそうは思えないだろうな、と思った。
やはり悲しくて辛くて苦しいはずだ。
でも、それでいいと思う。そう言いたい。
辛い、痛い、悲しい、苦しい。だからこんな病気なんて大嫌い。だから決別してやるんだ。そう思って戦う人がいていい。
病気をしていなかったら今頃どうしてただろうと思いを馳せて当たり前だ。
医者にも神様にもわからないことをあたかもわかったかのように言うのはやめてほしい。
あんなに前向きな人もいるよ、何か意味があったんだよ、なんておせっかいは絶対にやめてほしい。
あなたの「良い」は私にはいらない。
人の考えは十人十色。自分の「良い」を押しつけない生き方がしたい。
様々な事で苦しむ人が少しでも心穏やかに過ごせますように。
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