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とある田舎のBARカウンターにて

田舎の路地裏にひっそりと店を構えるBARがある。

ここには日常にちょっと疲れた人たちが何故かふらりとたどり着く。

カウンターが6席ほどの横長い店内。


そのお店の名前は「BARしげお」ーー。


※話に出てくるエピソード以外はフィクションです。
登場人物やお店は全て筆者の妄想です。


本日のお客は一人のみ。

“みさと”と名乗るその女性は常連らしく、親しげにバーのママと話している。

今日の彼女はどうやら怒っているらしい。

…とりあえず彼女の話に耳を傾けてみた。


彼女の言い分はこうだ。

「こないだの休みに夫と出かける約束をしてたのに、お昼の2時を過ぎても起きてこない…!結局一人でドライブに出かけた。
翌日になってもごめんの一言もないもんで、ムカついたから2日くらい口聞いてない」

「起こせば良いのでは・・?」という疑問に対して、

起きるも寝るも本人の自由。子どもじゃないんだからその辺は自己管理で。

というのが彼女の主張。

まぁ言いたいことは分からなくもない。


小さなイラッが積み重なって、たまたま今回爆発したのだろう。

家庭内はどんよりしていて、さらに仕事もうまくいかなくて凹みっぱなしらしい。

「アンタ、イライラしてる時間がもったいないわよ?」

黙って話を聞いていたバーのママ、しげおちゃんが口を開いた。


「要するに、だらだら過ごす旦那を見ててイライラするって話でしょ?

解決法は、とにかくアンタが楽しいと思うことをやっとけばいいのよ。

仕事でもなんでも楽しい楽しい!ってカンジでね。

ダンナだって所詮は他人よ。

今のアンタは「ダンナが起きてくれない、謝ってこない…めそめそ…」って相手中心で生きてるじゃない?

イライラするなら見ない!気にしない!

なんか楽しそう…って羨ましがられるくらいになりなさいよ。

自分が楽しむ、笑っとく!

家庭内平和。ハイ、解決!どう?」


…確かにその通りだ。


「それに、逆なのよ逆!

うまくいかないから凹むんじゃなくて、

落ち込んでるからうまくいかないのよね〜。

そうそう、アタシも若い頃はね…」


・・しばらくしげおちゃんの昔話に付き合うことになりそうだ。



後日、しげおちゃんのもとに彼女からメッセージが届いた。

めずらしくマジメに謝ってきたので、今回は許したった。
なるべくご機嫌に楽しくいこうと思う!

あなたもちょっと日常に疲れたとき、BARしげおにたどり着くかもしれない…。


<本日のしげおTips>
他人にイライラする時間はもったいない!
自分が楽しく過ごせばそれでよし!

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