ソシャゲ遍歴、あるいは私がいかにして艦これを愛するようになったか

初めて携帯電話を持ったのは、パケット定額制がようやく一般的になった頃だった。

まだキャリアの料金プランには従量課金制のものがあって、キャリアとしても扱いは半々か、やや定額制に偏っているか、といったあたりだ。

携帯を契約したのは、高校入学が決まったときだった。これも当時としては一般的だ。

最初の一ヶ月は従量制のプランだった。最初の請求がえらいことになって、すぐに定額制のプランに変えた。このあたりで親とすったもんだがあったはずだが、よく覚えていない。

晴れて定額制のプランに加入した私は、モバゲーというものの存在を知ることになる。

ちょうどその頃、基本プレイは無料でアイテムやガチャに課金するタイプのゲームがでてきたあたりだった。

はじめてプレイしたのも、モバゲーからリリースされた(というと違うと思うが、とりあえずモバゲーのアカウントでプレイすることのできた)ゲームだった。

本当に最初の最初にプレイしたゲームとなると、記事のタイトルに偽りありとなる気がするが正直覚えていない。たぶんランキングで上位のゲームを少しプレイして、すぐやめたのだと思う。

私がまともに、それなりの期間プレイした最初のソシャゲは、「萌えCANちぇんじ!」だった。

現在もアプリ版として続いている人気タイトルだ。この間Google Playストアでアイコンを見かけたが、8周年だかになるらしい。まじかよ。

内容はいわゆる着せ替えゲーだ。課金要素は、キャラクターに着せる衣装だとかアクセサリーだとか、背景だとかのガチャだ。

途中、ブランクを挟んではまたプレイする、ということを繰り返して、なんだかんだ3年以上はプレイしていた気がする。しかしその間、私が萌えCANちぇんじ!に落とした金額はゼロだった。

完全なる無課金プレイヤーだったのだ。

高校当時はとにかくお金がなかったし、あったとしても親に内緒で、それも当時規制の動きがでていていたガチャにお金を出すなんて、という思いもあった。
課金ガチャは、配布される無料チケットで引ける分しか引いていなかった。

高校を卒業して、就職してからも萌えCANちぇんじ!はプレイしていたが、自分で自由に使えるお金を手にしてからも、結局課金をすることはなかった。
まだガチャへ課金することへの抵抗があった。

モバゲーでは、他にもいくつかのゲームをプレイした。
どれも無課金で、だいたい1年位プレイすると飽きて別のゲームに移る、ということを繰り返していた。

その中でも、それなりに熱中して遊んでいたものが2つある。

「童話スピリッツ」と「神魔✕継承ラグナブレイク」だ。

後者は現在でも提供が続いているシリーズだが、前者は既にサービス終了している。
そして、私がサービス終了を見届けた最初のゲームでもある。

「童話スピリッツ」は、スタイリッシュなイラストとやや毒のある世界観が魅力のゲームだった。
課金形態はアイテム課金だ。ガチャはなかった。

ゲームを進めるにはプレイヤー間のバトルに勝利する必要があり、このとき使う武器が、無課金で手に入るものと課金武器では雲泥の差だった。

私は確か、モバゲーの無料ポイントを使って、課金武器をひとつかふたつ手に入れた覚えがある。
課金武器の中ではランクの低いものだったが、それでもだいぶ心強かった。

そんな有様なので、正直ゲームバランスは良いとは言えなかったが、とにかく世界観とストーリーが好きだった。永遠の厨二病患者なので、本当は怖いグリム童話的なサムシングに惹かれてしまうのだ。

そんな中でのサービス終了告知である。

予兆というか、告知直前にはあからさまな課金誘導があったりして、破滅が近いことは予感していた。それでも終了を知ったときは悲しかった。

そんな私を癒やしてくれるのは、萌えCANで作ったうちの子たちだった。

就職して少しした頃、スマートフォンが登場する。

初めてのスマートフォンは、auのINFOBARだった。カラーはチョコミントだ。

それと前後して、それまでガラケー版のみの提供だった萌えCANがスマホに対応する。
正直最初期のスマホ対応版はUIから何からお粗末なものだったが、それでもこれまでの数倍の解像度で表現されたうちの子に衝撃を受けたものだ。

就職と同時に、パソコンを買った。

今でこそスマホのアプリゲームも隆盛を極めているけれど、この頃はまだ、アプリゲームの黎明期ですらなかったように思う。
いわゆるポチポチゲーが主流で、現在のようなスマホ上でリアルタイムに3Dの戦闘が楽しめるような状況ではなかった。ソフトでも、ハードでも、おそらくユーザーの意識という意味でも。

スマホの性能(現在と比べればおもちゃみたいなものだが)をフルに使うようなゲームはなくて、それなりのゲーム性を求めるならコンシューマーかPCの二択だった。そしてPCからなら、基本無料のゲームであっても、(ポチポチゲーに比べれば)ゲーム性のあるゲームを遊ぶことができた。

この頃の私は、もっぱらYahooモバゲーの物さがしゲームばかりやっていた。いかにも洋ゲーなグラフィックはあんまり好みではなかったけれど、延々同じような作業をやり続けるのが好きなたちなのだ。

スマホでは、相変わらず萌えCanを、遊んだり、中断したりを繰り返していた。

それから少しした頃だろうか。

艦これ、というゲームが人気らしい、という話を耳にするようになった。

旧日本軍の艦戦の擬人化という、それ自体はオタクなら「またか」と思うような題材ではあった。事実、艦これというタイトルを知ってすぐの頃の私は「またか」と思っていた。

ところが艦これの人気はどんどん上昇していく。どうやら最近では新規に始めることもできず、ゲームサーバーは過密状態でダウンを繰り返しているらしい。

2013年の夏の話だ。

この頃、私は少々体調を崩しがちだった。
ベッドに臥せって、寝ているか、スマホを見ているかくらいしかできない日もあった。

そんなある日に、きっかけは忘れたけれど、ニコニコ動画で艦これのプレイ動画を観たのだ。
私が観た時点で、すでに数十本は動画が投稿されているシリーズだった。それを、一気に観た。

その後、私はDMMに登録し、艦これの新規登録ページに飛んでいた。
満員の文字が並ぶサーバー群の中に、ひとつだけ空きがあった。

ブルネイ泊地サーバー。
現在でも私はこのサーバーでプレイしている。

ちょうど、艦これのゲーム上では2013年秋イベントが開催されていた。アイアンボトムサウンドという言葉は、当時の提督の間では恐怖の象徴のように語られていたように思うが、今となっては懐かしい響きだ。

私もすっかり古参提督になってしまった。

もっとも、私はアイアンボトムサウンドを踏破したわけではない。
新人提督のお手本らしく、通常海域をいくつか進めて、イベントの最初の海域に挑戦して、幸いにも突破できて、それで満足していた。

艦これというゲームは、盆栽にもたとえられる。
毎日毎日、少しずつ手間暇かけて、艦隊を育て、強化し、イベントに挑戦する。

今となっては、同じDMMのブラウザゲームであっても、コンシューマー並みのゲーム性があるものも少なくない。
艦これのゲーム性のなさは、他ならぬプレイヤー自身が揶揄するところだ。

でも私には、そのゲーム性の乏しさがよかった。
毎日毎日、同じことの繰り返し、それが心地よかった。

同じことを繰り返して、昨日は攻略できなかった海域を攻略する。
まだ持っていない艦娘と邂逅する。
少しずつ艦隊が強くなっていく。
前回のイベントでは歯が立たなかったボスを、今回は倒せる。

少しずつ、イベントのより深部まで突破できるようになっていった。
初めてイベントを最終海域まで突破し、完全攻略できたのは、2014年春。

空母お姉さんこと空母棲姫が初登場し、磯風が最終海域報酬だったイベントだ。

それからずっと、イベントは最終海域まで突破している。
難易度制が実装された最初のイベント、2015年冬イベントこそ、入院中だったのもあって最終回域で乙に落としたけれど、それ以降はずっと完全甲攻略している。
正直今でも、2015冬で乙に落としたことを後悔している。

艦これはこの春6周年を迎えた。
私の提督歴も、5年を超えた。

今までの人生でこんなにひとつのゲームを続けたことはないし、おそらくこの先も、こんなに長く続けられるゲームに出会うことはない気がしている。

艦これはブラウザゲームだ。
ブラウザゲームとは、開発して、リリースされて終わりではない。リリースされてから、人気が出てユーザーがお金を落とし続けることで続いていく。
そして売上が落ちれば、すぐさまサービスは終了する。

終わりがないのではない、いつ終わってもおかしくないのだ。

人気を博し数年続くゲームがある裏で、リリースから1年と経たずにサービス終了するゲームをいくつも見てきた。

大好きなゲームが、推しがいるゲームが、あっけなく終わってしまったことだってある。

艦これがこの先、いつまで続くかはわからない。
できればこの先も、可能な限り長く続いてほしいと思う。

私が提督をやめてしまっても。
私が艦娘たちの声を忘れてしまっても。
私が母港への帰り方を忘れてしまっても。

こんなに好きなゲームが、私が好きでいるうちに終わってほしくない。

終わってしまうのなら、せめて、いつか私が艦これから離れたころに、艦これから卒業した頃に、艦これの他にいくつもの楽しみを見つけた頃に、終わってほしい。

艦これがサービス終了するというニュースを聞いて、ああそんなゲームに熱中していたときもあったね、と、ひとつの時代の終わりを感じる。

そんなくらいで、本来は、ゲームとの距離感なんてちょうどいいのだ。

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さくた

情緒不安定な腐女子。 OL(おっさんずラブではない)しながらBL小説やエロいテキストを書いています
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