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整備士が教える!ベルトの交換時期

新人整備士の闇です!
第29回の今回はベルトについて書いていきたいと思います。

〈ベルトとは?〉

自動車には、エンジンの動力を利用することで共に動く部品が多くあります。

たとえばバッテリーを充電するオルタネータ、エアコンに使用されているコンプレッサー、冷却水を循環させているウォーターポンプ等があります。これらの部品とエンジンをつないで動力を伝達しているものがVベルトです。エンジンが回転した時にベルトがかかっていることによってこれらの部品も共に回っています。

〈主なベルトの使用箇所〉

ファンベルトバッテリーを充電するオルタネータに使用
クーラーベルトエアコンコンプレッサーを動かすために使用
パワステベルトパワステを作動させるために使用
(パワーステアリングはハンドル操作を軽くしている装置、最近の車では
電動式のため古い車のみ)
タイミングベルトエンジン内部に使用されておりクランクシャフトとカムシャフト同士の
タイミングを連動させるために使用。
(最近の車ではタイミングチェーンが使用されているため古い車のみ)

〈ベルトが劣化すると〉

Vベルトはゴム製品であり、ゴムの特性としてどうしても年数が経つと亀裂が発生したりベルト自体が伸びてしまい動力を伝達できなくなったりと経年劣化してしまいます。

もしも運転中にVベルトが切れてしまうと、パワステやエアコンがきかなくなり走り続けるとバッテリーがあがってしまいます。Vベルトはエンジンの生み出す動力を上記のような箇所に伝達しているため連動する各所に動力が伝達できなくなってしまいます。

また、ラジエータのファンと連動していると最悪の場合オーバーヒートを起こしてしまいます。オーバーヒートが発生するとエンジンの動作に異常をきたすだけでなく、最悪の場合エンジンが焼き付いて載せ替えが必要になってしまうこともあります。

〈ベルトの交換時期〉

ベルトの交換時期は前回の交換からの走行距離か目視、音で判断します。

〈目視で確認〉

目視で確認する場合はベルトにヒビ割れや亀裂がないか、ベルトが痩せてきていないかで判断しますが普段目にしないものなので目視での判断は難しいです。

〈音で確認〉

音で確認する場合はエンジンを始動させた時や走行している時に「キュルキュル」と音がでることがあります。これはベルトを取り付ける際には規定の張力でベルトが張られていますがベルトが伸びたり劣化した際に張力がゆるくなることで音が出ています。張力を規定値に調整することで改善されることもありますので一度調整するとよいでしょう。

〈走行距離で確認〉

ファンベルトはゴム製品で、かつエンジンの高熱にさらされる状況で使用されています。そのため部品そのものが高性能であったとしても、5万km以上走行している場合は、ひび割れや亀裂が発生しゴムが固くなり音がするようになります。

今回はベルトについて話させていただきました。
ぜひまた見に来てください!

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