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ブレーキの固着を予防するには?適切な対処法

3級整備士の闇です!
第31回の今回はブレーキの固着について書いていきたいと思います。

〈ブレーキの固着とは?〉

ブレーキの固着とは、ブレーキキャリパーという部品が正常に回らない状態のことです。

車を走行させると、タイヤとホイールが回転しますが、同時にディスクブレーキの部品であるディスクローターも回転します。
この状態でブレーキペダルを踏むと、マスターシリンダーという部品の内部でブレーキフルードに油圧がかかり、ブレーキキャリパーに装着されているピストンに圧力がかかります。
加えて、ブレーキキャリパーに装着されているブレーキパッドが押し出されて、ディスクローターに摩擦がかかり、ホイールの回転が抑制され、減速できるというのがブレーキの仕組みです。

ブレーキキャリパーは、減速のために必要なピストンへの圧力とブレーキパッドを押し出すという重要な役割を持っています。
これが正常に動かなくなると、常にブレーキがかかった状態になり、その状態を「固着」といいます。

〈ブレーキが固着する原因〉

ブレーキの固着は、ブレーキキャリパーが圧力をかけるピストンの錆や汚れが主な原因だと考えられます。
ピストンに錆や汚れが付いていると、ピストンシール(ゴム)がうまく動かなかったり、よじれたりしてピストンがずっと出ている状態になります。
ピストンが出ると、ブレーキパッドがローターに押しつけられてしまい、ブレーキの固着が引き起こされるのです。

〈ブレーキ固着の早期発見方法〉

ブレーキの固着の早期発見方法は、定期点検はもちろん少しでも異常を感じたら点検をしてもらうことです。

固着を発見するには、キャリパーを外してからブレーキを数回踏んでピストンを押し出し、ダストカバーをめくりあげて内部に錆や汚れが付いていないかをチェックするしかありません。
車の専門知識やメンテナンスの技術を持っている方であれば自分でできるかもしれませんが、一般的には内部をチェックすることはできないので、ペダルを踏んでいないのにブレーキがかかっているような感覚があるなど異常を感じた場合は点検をしてもらいましょう。

〈ブレーキ固着の予防法〉

ブレーキ固着を予防するには、ピストンが錆びないようにグリスなどを使ってキャリパーをコーティングするという方法があります。

一昔前までは、キャリパーをグリスでコーティングするのはメンテナンスの基本だったのですが、技術の向上により耐腐食性や耐久性がアップしたため、現在はメンテナンス内容には含まれていないのが一般的です。
ですので、しっかり予防したいという場合は、自分で手配をする必要があります。
グリスコーティング作業は専門技術がないとできないので、車検や足回り点検などをしてもらうときに整備士さんにお願いしましょう。

〈足回りの水気を放置しない〉

ブレーキなど足回りのパーツの水気を放置しない、ということも予防に繋がります。

洗車をしたり水たまりのある道を走行したりすると、足回りはダイレクトに水を浴びます。ブレーキのパーツは金属が剥き出しになっているため、水気が残っている状態が長いと錆びてしまうのです。
ホイールの内側まで拭き上げることはできませんが、洗車後や雨上がりにはできるだけ車を走らせて、足回りの水気が早く乾くように心がけることも予防になります。

〈ブレーキ固着が起こったときの対処法〉

ブレーキの固着が起こったときには、オーバーホールで対処をします。

オーバーホールというのは、簡単にいうと部品を分解してメンテナンスを施し、再度組み立てるという作業です。
ブレーキキャリパーのオーバーホールは、ディーラーなどでキットを購入すれば自分ですることも可能です。
ブレーキキャリパーを分解し、錆や汚れをしっかり落としてから組み立てて装着すれば、固着状態は改善されます。

ただし、ブレーキ関係の部品は機能に関わる重要なパーツなので、まったく知識や技術がない方がオーバーホールをするのは危険です。
万が一、組み立てや装着のやり方を間違えてしまうとトラブルが起こる可能性もあるので、たとえコストがかかるとしても信頼できる整備工場やディーラーに作業を依頼するのがベストです。

今回はブレーキ固着について話させていただきました。
ぜひまた見に来てください!

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