#6 概念にとらわれない


自分の感性に響くような音楽を楽しむこと
ができるカリンバは、私たちの抱えるストレス
を癒やすだけではなく、人生の指針も教えてくれる。

「音を奏でて、あっている、間違っているじゃ
ない体験ができることって、ありのままを受け
入れることに繋がるんです。誰しも自分に自信がないと、正しさを求める。正しさを求めると、自分が選んだもの以外を否定するんです。音楽であれば、楽譜のある世界と楽譜のない世界。どちらかがいいのではなく、両方ともよさを持っているということを受け入れることが大事なんです。価値はその人があると感じたところに存在するから、いい悪いを決める必要はないのです。だから意図して差別化をすることで価値を見出すべきではないと思います。」

カリンバは自分の好みや奏でたい音や響き
をイメージして、ボディの素材やサワリの数や
種類、チューニングなどの、たくさんの要素を組み合わせる。その組み合わせは無限であるため、正解はない。こんな響きがいい!こんな音を奏でたい!その想いを音に乗せて届けることに間違いはない。自分が奏でた音や響きが好き!と思えば、そこに価値があるのだ。

これはカリンバだけでなく、日常生活にも通
ずるところがある。例えば、自分はA という
アイドルが好きだとする。友人は、Aのライバ
ルであるBというアイドルが好きだとしよう。
Aとがライバルであるとはいえ、活動を通
してアイドル業界を盛り上げていることに変
わりはない。AよりもBの楽曲の方がいい!
と否定するのではなく、Aのこの曲も好きだけ
ど、Bのこの曲もいいよね!と、お互いの好き
を認め合うのだ。違うから偉いのではない。自分がいいと感じたものに価値がある。

「楽譜という枠から外れて、思い思いにカリンバを奏でますよね。ハーモニーを楽しむ中で、やっぱりメロディーを弾きたいと思えば、楽譜に戻ってもいいと思うんです。楽譜にあわせて奏でることと、即興で弾いたりすることを行き来すればいい。その時の感性に響くものを、自分の思うままに選ぶことが自分を受け入れることにも繋がるんじゃないかな。」

癒しグッズの新定番、カリンバ。音の揺らぎ
やハーモニー、奏でたときに感じる振動を全身で感じることができるだけではない。私たちが日々抱える悩みやストレスを、音のシャワーで洗い流し、正しさや自分自身の中にある固定概念という枠から解放してくれる。そして手指や全身を動かすことで、心だけでなく、身体にも響くものがある。

新しい何かで癒やされたい、何かに没頭したい、新しいあり方を見つけたい。また頭や身体を使ってリフレッシュをしたい、簡単な手遊びをしたい。小さな子どもからお年寄りまで、それぞれが抱える悩みに応えることができるカリンバ、一家に一台取り入れてみてはいかがだろうか。きっと身体中に、家中に、素敵なハーモニーが響き渡るだろう。

〈お話を伺った方〉
コヤマナオコさん

武蔵野音楽大学声楽学科卒業。現在は、ミュージシャン活動と並行して、クリスタルボウルやカリンバでの即興ライブやサウンドヒーリング、ヴォイスヒーリングのワークショップやレッスンなどを開催する。3児の母。
HP(https://www.naokokoyama.nijiirorecords.com/)

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