銀皮88 役者インタビュー #2 大谷彩佳(同志社小劇場)
空降る飴玉社のクラシックシアター
『銀皮の中のY(M)は、88℃の熱さを知っている。』
役者インタビュー #2 大谷彩佳(同志社小劇場)
Q. 今作で演じる役はどのような人物ですか
大谷:バンドの成功を夢見て活動しているバンドマンの役です。ボーイッシュというか男勝りなイメージはあって、全てに全力で動いている熱い人だなって。
–ご自身と似ている部分もある?
大谷:いやぁ、一見似ているように見られることが多いんですけど、実際は多分違うかなって思いますね。紅(役名)の台詞で、こんなに熱い人はすごいなって。私は結構見切りをつける。紅は不安定なところに投げ打って頑張るってことができている人。すごいな、かっこいいなと思いますね。
Q. 今作の見どころを聞かせてください
–稽古場にお邪魔したときに心情が細かく作られていた
大谷:そうですね。加藤さんは自分が全然意識していなかった部分もすごく見ているから。「なんでこれ、こういうことしたの?」と聞かれて全然答えられなかったときがあった。そういう細かいところも考えていて、仕草や台詞で語られていないその人の素性や気持ちの表れが多い作品だから役者の細かいところも見たら面白いんじゃないかなって思います。紅はいいんで、他の役者さんを…(笑)
–そんなそんな!
大谷:嘘です。観てほしいです。
すごく考えさせられる稽古場。そんなこと考えたことなかったから、いろんなことに気を遣いながら演技をしようと頑張っています。
–稽古場の雰囲気ってどんな感じですか?
大谷:全員集まっている日が少なくて、誰かが抜けていたり誰かが来ていたり。メンツによってその日の雰囲気が変わってきている。音蔵さんや出町さんがいる日はすごく明るい。ムードメーカーがいたら明るいな。まあ、でも、みんな(明るい)。
私最近、稽古場に行くことに慣れました。最初は一回も一緒にやった方がいなくて緊張していたんですけど、最近はやっと普通にドア開けて入れるかなみたいな。穏やかだけどあたたかい雰囲気。
–楽しそう。うぇーいって感じではないけど、「ほほん」っていう。
大谷:楽しいです! 住んでいるときって盛り上がるときだけじゃないじゃないですか。だから、その場にいて自分が落ち着けられる雰囲気になっているのはすごくいい。シェアハウスの。こんな感じで住んでいるのかなみたいな。一緒にいて喋らない時もあるけど、その場にいることに何も思わないぐらい打ち解けられているようになったかなって。落ち着きます。リラックスできる。
Q. 珈琲がテーマということで珈琲にまつわるご自身のエピソードがあれば教えてください
大谷:珈琲は結構飲むし好き。ブラックを飲みます。親が好きで、ずっとお父さんやお母さんが飲んでいるのを見ていたから身近に感じられるもの。
小さい頃にお母さんがパソコンで作業しているところに遊びに行って珈琲を倒してめっちゃ怒られたのを思い出しました。パソコンにかかって。「もう珈琲に近づくのやめよう」って思った。
実家に帰ったらお父さんが「珈琲飲むか?」って。
–ドリップするやつ?
大谷:なんだろう。豆入れたら粉になって出てくるやつ。たしかそんなんやった。ちゃうかな。粉を入れたら出てくる? 珈琲が抽出される…いや、どうなんですかね(笑)
…わりとだから、身近。家族を思い出します。
Q. 観にきてくださるかも知れない人たちに一言どうぞ
大谷:私も就職を考える時期で、将来とかを悲観する時期。心がちょっと、悲しいときもあるんですけど、劇中に出てくる人は全部全力で取り組んでいるし、加藤さんが最初に「これを観て元気になってくれたら。明日も頑張ろうって思ってくれたら。」っていうのを話していて、やっている自分も今元気をもらっている状態で、観にきてくれた人には元気を与える作品になると思いますし、私も元気を与えられるお芝居をしたいなって思います。
–素晴らしい。是非、たくさんの人に来てもらって
大谷:(上演期間は)暑いですけど、熱いお芝居になります。
–うまいっ!
大谷:なるかな。なると思います。心もぽかぽかになる話です。
2019.7.22
インタビュイー:大谷彩佳(同志社小劇場)
インタビュアー:吉田香月(LPOCH)
編集:しき(來來尸來)
公演情報
空降る飴玉社のクラックシアター
『銀皮の中のY(M)は、88℃の熱さを知っている。』
脚本・演出:加藤 薫
《公演日時》
2019年8月15日(木)14:00/19:00
8月16日(金)13:00/18:00
8月17日(土)13:00/18:00
※開場は開演の30分前です。
※満席時はご予約にて日時指定頂いたお客様優先となります。
《料金》
当日 1,500円
前売 1,300円
Twitter割引1,000円
《会場》
人間座スタジオ
〒606-0865 京都府京都市左京区下鴨東高木町11
《予約》
https://www.quartet-online.net/ticket/ginpi_88
《Cast》
谷内 一恵
音蔵 乙葵
大谷 彩佳(同志社小劇場)
青木 琴音
出町 平次(來來尸來)
坂口 弘樹(勝手にユニットBOYCOTT)
ナカメキョウコ(エイチエムピー・シアターカンパニー)
藤村 弘二
菱井 喜美子(人間座)
《STAFF》
舞台監督 :長峯 巧弥
照明 :御手洗 幸助
音響 :鈴木 邦拡
舞台大道具:ユー(劇的集団忘却曲線/トイネスト・パーク)
舞台美術 :塚田 縁
衣裳 :松崎 雛乃
小道具 :加藤 薫
宣伝美術 :えび天(劇的集団忘却曲線)
イラスト :吉村 紗奈
制作・広報:吉田 香月(LPOCH)、しき(來來尸來)、田中 直樹(劇団ひととせ)、かづちやえ(演劇Unit∮Ring)
《あらすじ》
何百回も何千回も淹れた珈琲は、シンクに捨てられた。
毎年五山の送り火の夜に、祖母が大切な人たちに振る舞う珈琲は、人と人を繋ぐ力がある。たとえ離れてしまっても編んで繋いでいく不思議な力。
私にもいつか、そんな珈琲を淹れることが出来るだろうか。
ある日の夕方、実家にいる弟から電話がかかってくる。
ばあちゃんが怪我をして病院に運ばれた
淹れかけの珈琲をそのままに、私の夢が詰まった店に「closed」の看板をかけて深夜バスに乗り込んだ。
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