銀皮88 役者インタビュー #6 藤村弘二
空降る飴玉社のクラシックシアター
『銀皮の中のY(M)は、88℃の熱さを知っている。』
役者インタビュー #6 藤村弘二
Q. 今作で演じる役はどのような人物ですか
藤村:最初台本を読んだときは自分に近いなと思いました。年齢も含め。役者志望だけどパッとせずフリーターのまましばらく続けているみたいなところ。考え事をする材料は似ているけど、台本を読んでいると感情の流れや発言は自分とは異なる部分はあります。
自分と比べると、やりたいことややりたいけどやれなくて、悶々としていることがはっきりしている印象。僕の場合はやりたいとは思っているものの、結局どうなりたいのかがはっきりしていない気もする。今回の役では悶々しているからこそ人に当たってしまったり…まあ、自分(藤村)が人に全く当たらないかは…(笑)ないとは思わないですけど、自分に自信がないからこそ、人にあまり当たれないところはあるので、その点やりたいことがはっきりしているのにできないみたいなところは、いい意味で子どもだなと。
–感情を表に出すような人物なんですかね
藤村:そうですね。おそらく表に出そうと思って出してはいないんだろうけど、気付いたら出ているみたいな。相手によって嫌だなと思ったら攻撃的になってしまう人物ではあるけど、基本的には自分で抱えてどうにかできないものかと唸っているんだと思います。
Q. 今作の印象について聞かせてください
藤村:いろいろな人に向けて応援できる作品。やりたいことをやるためにどうしたらいいか悩んでうじうじしていたり、そのあとどう決断すればいいか迷ったり、頑張りたくても頑張れなかったり、頑張って来たけど頑張れなくなってしまったり、頑張れているはずなのに気付いたら理想から外れていたり…頑張るにもいろいろあると思うんですけど。
加藤さんの作風として、群像劇だと思うんですけど、それがゆえに主軸だけでなくいろいろな人のいろいろな頑張る形があるので、観ている方にも引っかかりやすいのではないかと。
–そこが見どころですよね
藤村:そうですね。いろいろな役のいろいろな葛藤があるので、それを見て原動力になれればいいなと思います。
–今回は空降る飴玉社の公演は2回目の参加ということですが
藤村:はい、ちょうど2年前に。当時は出演者が5人だけだったので、それと比べても登場人物が増えた分、より群像劇だなと。今回の僕の役は主軸には直接的に影響しないと思っている。2年前はそれぞれの葛藤を描きながら主軸に交わらせてやっていたなと感じる。今回は主軸があってその周りを肉付けして、肉付けされた者同士での絡み合いが起きているので、より幅広くなっています。
–役者の皆さんのコミュニケーションがよく取れている印象
藤村:全体的に稽古場の人間が馴染んできていますね。出演者同士で初対面が多かったらしいのですが、僕は大谷さん以外は知り合いだったんですけど。「出演者多いなー。ほとんど知っている人!」って(笑)多方面で関わってきた人と、今こうして、ひとまとめに関わっているのが面白いです。
Q. 作品にまつわるエピソード
藤村:今年は珈琲にまつわる公演で埋め尽くされましたね。初夏は「ふ純喫茶」で役者として関わったときも珈琲を題材にしていて、7月は「オレ松☆カフェ」で15分ぐらいの小作品で焙煎士の役をやりまして。この夏の急な珈琲率何かな(笑)
–ご自身もよく飲みますか?
藤村:時々カフェで珈琲を飲むのが好きですね。アイスよりホットが好きです。
–わかります! 夏飲むときもホットですか?
藤村:夏は…アイスですね。
–あ、そうですか…暑いですもんね
藤村:缶コーヒーだとこの時期アイスしかないですし。昔読んだ漫画の影響でBOSSのブラックが好きになりました。苦味が好きです。おいしいというより、落ち着く。
–作品の時期がお盆ということですが
藤村:公演が送り火とかぶっていますね。実家から歩いて1分2分で大文字山が見えるんですよ。思い出というか、夏の風物詩。毎年身近ですからね。
Q. 最後に一言
藤村:皆さん、頑張っていきましょう。
2019.7.25
インタビュイー:藤村弘二
インタビュアー:吉田香月(LPOCH)
編集:しき(來來尸來)
公演情報
空降る飴玉社のクラックシアター
『銀皮の中のY(M)は、88℃の熱さを知っている。』
脚本・演出:加藤 薫
《公演日時》
2019年8月15日(木)14:00/19:00
8月16日(金)13:00/18:00
8月17日(土)13:00/18:00
※開場は開演の30分前です。
※満席時はご予約にて日時指定頂いたお客様優先となります。
《料金》
当日 1,500円
前売 1,300円
Twitter割引1,000円
《会場》
人間座スタジオ
〒606-0865 京都府京都市左京区下鴨東高木町11
《予約》
https://www.quartet-online.net/ticket/ginpi_88
《Cast》
谷内 一恵
音蔵 乙葵
大谷 彩佳(同志社小劇場)
青木 琴音
出町 平次(來來尸來)
坂口 弘樹(勝手にユニットBOYCOTT)
ナカメキョウコ(エイチエムピー・シアターカンパニー)
藤村 弘二
菱井 喜美子(人間座)
《STAFF》
舞台監督 :長峯 巧弥
照明 :御手洗 幸助
音響 :鈴木 邦拡
舞台大道具:ユー(劇的集団忘却曲線/トイネスト・パーク)
舞台美術 :塚田 縁
衣裳 :松崎 雛乃
小道具 :加藤 薫
宣伝美術 :えび天(劇的集団忘却曲線)
イラスト :吉村 紗奈
制作・広報:吉田 香月(LPOCH)、しき(來來尸來)、田中 直樹(劇団ひととせ)、かづちやえ(演劇Unit∮Ring)
《あらすじ》
何百回も何千回も淹れた珈琲は、シンクに捨てられた。
毎年五山の送り火の夜に、祖母が大切な人たちに振る舞う珈琲は、人と人を繋ぐ力がある。たとえ離れてしまっても編んで繋いでいく不思議な力。
私にもいつか、そんな珈琲を淹れることが出来るだろうか。
ある日の夕方、実家にいる弟から電話がかかってくる。
ばあちゃんが怪我をして病院に運ばれた
淹れかけの珈琲をそのままに、私の夢が詰まった店に「closed」の看板をかけて深夜バスに乗り込んだ。
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