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銀皮88 役者インタビュー #7 音蔵乙葵

空降る飴玉社のクラシックシアター
『銀皮の中のY(M)は、88℃の熱さを知っている。』
役者インタビュー #7 音蔵乙葵

Q. 今作で演じる役はどのような人物ですか

音蔵:脚本上で観たらすごくかっこいい感じなんですけど、演じてみるとポップというか優しい感じなんですよ。観られたお客様もきっとそう感じていると思うしもし脚本を見られることがあれば印象は変わると思います。

–確かに脚本上はかっこいいですよね。でも音蔵さんはどことなく親しみやすい。

音蔵:そうですよね。親しみやすくて、でも一人になったときには裏側が見えるように役を作っています。あと、今回は脚本に沿って役の年表を作ってみたんですよ。15年前とかにいろいろあるんですけど、あ、これネタばらしになる…。まあ、ポップに見えても闇を抱えているキャラクターになっています。

–年表で役作り

音蔵:はい。でも年表を書く前にもやっていたことがあります。主軸だけを決めて、主軸が木だとしたらそこから生えている実を「ここではこれを使おう、ここだったらこれ、これはいらないから腐らせよう」みたいな作り方をしていた。そうすると何にでもなれるし、それに染まっちゃうこともできるっていうのを今回は。

Q. 今作の印象について聞かせてください

音蔵:「恋愛」とか大きいテーマはないと思っていて、日常が続いていく。何か大きいテーマがあるんじゃなくて、小さいそれぞれのキャラクターが思っているテーマ性を集めて一個の形にしたイメージですね。観ていてコロコロ変わるから面白いと思います。
やっぱり主役ってあると思うんですけれども、「あ、このキャラクター好きだな。これを主軸に観ていこう」っていうのも面白いかも知れないですよね。

–推しキャラみたいな

音蔵:そう!

–ちなみに、音蔵さんの推しキャラは

音蔵:詩音(演・青木琴音)ですかね。自分の役っぽくないとダメ出しをくらったんですけど、アドリブで「詩音愛好会会長」って言っちゃうぐらい。役的にも10個離れていて、最年少だから「あ、かわいいな」って思うのと、自分の役(理宏)のバックボーンからしても一番ムカつかないというか引っかからない。ふわっと、何も抱えずに見れるキャラということもあって。和みますよね、見てたら。詩音愛好家多いんじゃないですかね。

–かわいいですよね

音蔵:じゃあ、ちょっと副会長をやっていただきましょう。…また、役っぽくないって怒られますね。

Q. 珈琲にまつわるエピソード

音蔵:カフェイン摂りすぎると気持ち悪くなるので、珈琲好きじゃないんですよ。平均的に2杯飲んだらグロッキーになります。

–グロッキーエピソードあります?

音蔵:打ち合わせでカフェに行くこと多くないですか。ちょっと上の人と打ち合わせのハシゴを何軒か重なったときに、初対面相手だと可愛いものも頼みづらいので「僕、珈琲にするけど、君は?」「僕もそれで」みたいに返しちゃうと、手ぇ伸びないですよね。で、それがお気に入りの珈琲屋と知ると飲まざるを得なくて、「すいません、トイレ行ってきていいですか…」ってなったり返答ができなかったり…。

–珈琲に変わる飲み物ってなかなかないですよね、喫茶店で

音蔵:自分が演じる理宏は炭酸大好きなんですよね。珈琲より炭酸飲んでる。はたして、こいつは珈琲屋に行くのか。

–ちなみに炭酸はお好きですか?

音蔵:炭酸、まっっったく好きじゃないんですよ。野球部だったんですけど、炭酸を飲むなと言われていて。映画館とか行ったら飲みたくなるんですけど、そういう特別なときしか飲まなかった。カラオケではQooのすっきり白ぶどう飲みます。お酒もあまり飲まない。炭酸多いから。アルコールも要らなくね?ってなる。ノンアルコールのカクテルはたまに飲みます。でもノンアルコールって言ってるからか何かが足りないですよね。ジュースなら完成だけど、アルコールを入れずにそれを出すのはちょっと違う。

Q. 本番の心境について

音蔵:大きい役ではあるが緊張はしていません。出ずっぱりとかここ重要とかはあまりなくて、初舞台でもないですしそういう意味では緊張はしません。食べ物が多いから、実際にどうなるかってのはありますね。アドリブも多いですし。見てたら分かんないと思うんですけど。今回の魅力はそれですね。同時にしゃべっているけど、両方にちゃんと脚本上の台詞があって、その延長線上にアドリブがある。

–2回観てもいいですよね

音蔵:そう! それこそ、2回目は推しを観たらいいですよ。

–こんな一面もあったんだってね

Q. 観にきてくれるかも知れない人に一言

今回送り火珈琲というものが出てくるぐらい、8月1日から16日までの出来事を忠実に追っていくんですよ。京都が題材なので、京都のことも知れるし、送り火ついでに観ていただけたらと思う。カップルだったら、観劇したあとに送り火をいい雰囲気で見るというデートプランをおすすめします。

2019.8.13
インタビュイー:音蔵乙葵
インタビュアー:吉田香月(LPOCH)
編集:しき(來來尸來)

公演情報

空降る飴玉社のクラックシアター
『銀皮の中のY(M)は、88℃の熱さを知っている。』

脚本・演出:加藤 薫

《公演日時》
2019年8月15日(木)14:00/19:00
8月16日(金)13:00/18:00
8月17日(土)13:00/18:00
※開場は開演の30分前です。
※満席時はご予約にて日時指定頂いたお客様優先となります。

《料金》
当日 1,500円
前売 1,300円
Twitter割引1,000円

《会場》
人間座スタジオ
〒606-0865 京都府京都市左京区下鴨東高木町11

《予約》
https://www.quartet-online.net/ticket/ginpi_88

《Cast》
谷内 一恵
音蔵 乙葵
大谷 彩佳(同志社小劇場)
青木 琴音
出町 平次(來來尸來)
坂口 弘樹(勝手にユニットBOYCOTT)
ナカメキョウコ(エイチエムピー・シアターカンパニー)
藤村 弘二

菱井 喜美子(人間座)

《STAFF》
舞台監督 :長峯 巧弥
照明 :御手洗 幸助
音響 :鈴木 邦拡
舞台大道具:ユー(劇的集団忘却曲線/トイネスト・パーク)
舞台美術 :塚田 縁
衣裳 :松崎 雛乃
小道具 :加藤 薫
宣伝美術 :えび天(劇的集団忘却曲線)
イラスト :吉村 紗奈
制作・広報:吉田 香月(LPOCH)、しき(來來尸來)、田中 直樹(劇団ひととせ)、かづちやえ(演劇Unit∮Ring)

《あらすじ》
何百回も何千回も淹れた珈琲は、シンクに捨てられた。

毎年五山の送り火の夜に、祖母が大切な人たちに振る舞う珈琲は、人と人を繋ぐ力がある。たとえ離れてしまっても編んで繋いでいく不思議な力。
私にもいつか、そんな珈琲を淹れることが出来るだろうか。

ある日の夕方、実家にいる弟から電話がかかってくる。

ばあちゃんが怪我をして病院に運ばれた

淹れかけの珈琲をそのままに、私の夢が詰まった店に「closed」の看板をかけて深夜バスに乗り込んだ。


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