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ビジネスコンテストKING2023に参加してボコボコに負けた話

はじめに

こんにちは、Skyland Venturesインターン生の愛川です。一橋大学という東京の西の方の大学に在籍しています。トップの写真の右上の曖昧なほほえみを浮かべている人が私です。よろしくお願いします。

ビジネスコンテストKING2023(2023/08/27-09/01)に参加して、木下さんにnoteを書けと言われたので、いい機会ですし書いてみようと思います。
KINGは、初対面の人とチームを組み5泊6日でビジネスプランを考案し、それを審査して順位付けをするイベントです。参加人数は運営と参加者全体で180人程度で、かなり大きい規模のビジコンです。

参加当時の私の目標は、優勝することだけでした。この目標がどのように変わっていったのか、何を得たのか、どんな体験をしたのかについてこのnoteではまとめていきたいと思います。
KINGで私が何をして、何を思ったのかを自分でも忘れないようにするために、日記形式で書きます。濃い6日間だったので、本当に長くなってしまったのですが、暇つぶしにでも読んでいただければと思います。

1日目

チームメンバーに初めて会いました。KINGはグランドルールにより

・年齢
・大学
・学年

を明かしてはいけないことになっており、自己紹介する時みんな不審者みたいになってて面白かったです。
チーム構成としては、TF(チームファシリテーター)とCS(ケアスタッフ)という運営側2名と参加者5人でした。

開会式の際にAidemyの石川さんによる講演があり、大変興味深く拝聴させていただきました。起業家の方は学生時代にせどりをやってる方が多いですね。また、質疑応答にて、最初に手を挙げた勇気のある参加者の方をめちゃくちゃ褒めていて、優しい方だなと思いました。

その後チームで初プランニングを行いました。
課題出しを行ったのですが、アプローチ方法が

・それぞれの世界の構成要素を書き出して、その要素の中で課題がありそうなものを見つける
・自分の専門分野について深掘って課題を見つける

といったもので、大学で習っているKJ法やSCAMPER法などと違ってとても新鮮でした。何通りも方法があるものではあると思うのですが、あまり課題について考えた事がない人にとって取っ付きやすい方法をTFが選んでくれたように感じています。

夜食べたもんじゃ屋さんの店員さんが可愛かったです。

2日目

1日目に引き続き課題出しを行いました。案が出ていないわけではないのですが、これだ!というものがなかったので課題出しからなかなか抜け出せなかった印象です。
どこかで挫折したときにゼロべースに戻らないようにしようねとTFが言っていて、とても合理的だなと思いました。

KINGではコンサルティングという形で企業の方と壁打ちをする機会が提供されていました。企業の方の指摘は鋭いものばかりで、何度もビジネスプランをボコボコにされましたが、自分が見えていないものを見ることができる人というのは本当にかっこよく見えて、正直憧れました。

コンサルティングで学んだこととしては、自分が考えていることを相手に正確に伝えることの大切さです。今のビジネスプランはどんなもので、どんなことを困っているのかを正確に伝えないことには、有用なアドバイスを受けることができません。互いの貴重な時間を使って壁打ちをしているので、正確に言語化することがどれほど大切かを身にしみて感じました。

また、質問の仕方ですが、「このビジネスプランはうまくいくと思いますか?」という質問は意味がないなと感じました。社会人の視点から見てわかることもたくさんあると思いますが、ビジネスプランが上手くいくかは社会人の方にも、私たちVCにも結果が出るまでわからないことだと思います。そのような質問をすることよりも、「このターゲット層は適切だと思いますか?」「このマネタイズモデルは適切だと思いますか?」などの詳細な部分を詰めることの方が有用だと感じました。

また、夜プランニングという22時以降無限に続く悪夢のような時間があったのですが、そこで巡回TF(複数のチームを回って壁打ちをしてくれる運営さん)の江澤さんという方に、面白い考え方を教えていただきました。(下図)

江澤さんが教えてくれたフレームワーク

もちろんこれは1つの考え方に過ぎないので、全てこれを参考に考えれば良いというわけではないと思うのですが、フレームワークがあると考えやすさが段違いだったので必要に応じてこれからも積極的に使っていこうと思いました。江澤さん、ありがとうございました。

また、これは完全に余談ですが、理人(ピンク髪のSVインターン生。顔が広い。)がKINGの副代表をやっていて、Skylandが協賛企業であることもあり、木下さんがKINGの様子を見にきてくれました。ほぼ知り合いがいない状態で知っている人の顔を見るとかなり安心するので、かなり有難かったです。
ただ、インターン先の社長に急に背後に立たれると死ぬほどびっくりするので辞めてください。めちゃくちゃ緊張しました。

3日目

ここらへんから睡眠時間が1日3時間を切り、レッドブルで命を前借りしながらプランニングするようになります。KING終了後、きちんと体調を崩しましたが、18時間くらい寝たら治りました。

3日目も私たちのチームは課題出しをしていました。今思うと、ここら辺から沼に片足を突っ込んでいたように思います。課題をきちんと考えて深堀りすることは一番大切だと思うのですが、何事においても、自分が正しいと思うことに囚われて非効率な選択をすることはよくないなと感じました。

また、自分で言うのもおこがましいことですが、私は声が大きくて気が強いこともあって、チームの中でリーダー的な役割を担っていました。リーダーシップを発揮することは悪いことではないのですが、私にはチームマネジメントに必要ないくつかの要素が足りていなかったように感じます。それが原因で4日目に破滅しました。

3日目は特に目立った進捗もなく、永遠に課題出しに詰まっていました。

4日目

そろそろ周りのチームがソリューションまで固めてくる頃、私たちのチームはまだ課題出しをしていました。チーム全体としてなんとなく焦りが見えるようになり、仲は良かったですが雰囲気が何となく重かったような気がします。

この日は、22時までに事業計画書を運営に提出しなければならない状態でした。一応この課題で行こうか、というのは決まっていたものの、ソリューションが全く詰められていない状態で、かなりまずかったです。

私たちの班は他の人に対してアンケートやインタビューを行うといったリサーチをほぼ全く行っていなかったので、それぞれの母校の先生に連絡を取って私たちの想定している課題は存在するのか、ニーズはあるのかについて聞いてくることになりました。これが、社会人の方とのコンサルティングの直前でした。

ここで、事件が起こりました。コンサルティング開始予定時刻の17時になっても、私たちの班員の4/7が戻ってこなかったのです。
社会人の方は、貴重な時間を割いてこの場に来てくださっています。運営の方々も、この場に社会人の方を呼ぶために連絡をたくさんしたり、場所を抑えたり、参加者の私には見えていないような苦労をたくさんしています。コンサルティングをするときに肝心の学生がいないということは、私たちだけでなくKING全体の信用にかかわる問題だったと思います。
運営の方々が顔色を変えてまだ来ていないチームメンバーを探しに行きました。後で聞いた話では、代表の方まで探しに行ってくれたそうです。
結果的にコンサルには間に合いましたが、たくさんの方に迷惑をかけることになり、班としてもやっちゃったな、、という雰囲気が漂っていました。
当たり前のことではありますが、自分の行動に責任を持たなければいけないということを改めて感じました。運営の方々、すみませんでした。

結局、事業計画書を提出する22時直前になっても案はまとまらないままでした。提出しないとプレゼンの時間が減らされるというペナルティがあったので、カスみたいな内容でもとにかく出そうということになり、みんなで死ぬ気でキーを叩きました。サマーウォーズの名シーンみたいになりながらもなんとか21:59に提出することができ、かなりほっとしましたが、内容としては先述の通りカスでした。

提出5分前に書いた激ヤバビジネスモデル

このままじゃ優勝できないよね、という話になり、事業計画書提出後にそのまま夜プランニングに突入しました。夜ご飯も抜いていたのに、みんなやる気があって素晴らしいチームだったと今になっても思います。

しかし、この後、課題をもう一度深堀りしようとしたときに、信じられないくらい詰まりました。具体的には、22時に始めたプランニングが、午前3時まで何も進まないままでした。

この時、私は正直めちゃくちゃメンタルに来ていました。実質的なリーダーとしてこのチームを引っ張っているのは私で、私のせいでこんなにチームが沼っているのだと思うと、本当にやるせなくて、申し訳なくて、最悪でした。
後々で考えると、私には、チームマネジメントをする際に必要な、タイムマネジメントの能力が足りておらず、みんなの意見を全部聞いて一つにまとめようとしすぎるところが良くなかったです。
ある程度議論が詰まったら、手を付けやすそうな他のところに移る。全員の意見を聞いてまとめれば良い意見になるわけではなく、あくまでもロジカルに考え続けることが必要だったと考えています。
自分の足りないところに気が付けたことは良いことだったと今は思いますが、その時はそれどころではありませんでした。雰囲気も通夜みたいになっていて、喧嘩はしていないもののかなりヤバかったです。

その時、理人が巡回に来て、壁打ちをしてくれて、結果的にかなりチームは前に進み、ポジティブな雰囲気も取り戻しました。私は幼稚な人間なので、同じインターン生として彼の優秀さにかなり嫉妬しましたが、同時に感謝もしています。結果的に4時ごろ解散になりましたが、同じインターン生として彼に頼ってしまったこと、他の班と比較してあまり平等でない手段を使ってしまったこと、結果的に前には進んでいるがあまり余裕がある状況ではないこと、などが頭を支配して、まったく寝られませんでした。

5日目

寝られなかったので、そのまま6時くらいに夜プランニング部屋に行って2時間くらい考え続けたことをすべてドキュメントとスライドに出力しました。この途中でかなり頭が整理されて、チームのために何かできているという意識もあって少し気分がマシになりました。

この日の20時に発表用スライドを提出しなければいけなかったので、あとは死ぬ気で作業をするだけでした。やることが明確化されたので、チームとしても過去一で集中できて、雰囲気も良かったと思います。

5日目夜の時点でのホワイトボード

スライドを提出し終わってから、また夜プランニングで今度はプレゼンの仕方について話し合いました。その時チームメイトに対して、自分の中で起きていた心境の変化について話しました。

事の発端は、チームメンバーがプレゼンの喋りを私一人に任せて、スライド遷移やタイムキーパーをやりたいと言い出したことです。任せてもいいと思ってくれていることはうれしかったですが、それはあまりいい案ではないように私には思えました。
本当に傲慢な話なのですが、私は少しだけチームメンバーよりプレゼンが上手かったです。原稿なしスライドのみの一発通しで、時間内にきちんと収まるプレゼンができた時に、「自分やるやん」と思ってめちゃくちゃうれしかったです。
ただ、より勝つ確率の高い手段を取ることが有用であるとはその時の私は考えられませんでした。それは、チームメンバーが発表する機会を奪うことは、みんなが成長する機会を奪うことにつながると考えたからです。
青臭いかもしれませんが、死ぬほど議論して、揉めて、それでも、それだからチームのことが好きになっていたから、チームのためにどうするべきかという視点が自分の中にいつの間にかありました。
睡眠不足と疲れが祟って号泣しながらその話をチームメンバーにして、結局全員が喋ってプレゼンを行うことになりました。改めて文字に起こすと青臭いですね。いい経験でした。

6日目

結果として、私たちは予選で負けました。審査に納得していない面もあるくらい、いいプレゼンができたと思っています。もっと良いものは作れたと思うけど、努力できるところは全部した自信があったので、今は割と落ち着いています。

おわりに

これでもかなり削ったのですが、5000文字を超えてしまいました。ここまでお付き合いいただきありがとうございました。

KINGに参加してよかったと思う一番の理由は、面白い人にたくさん会えたことです。参加者もですが、運営の方々は魅力的な人が本当に多く、これからぜひ仲良くしてほしいなと思っています。

私はTwitterをやっていないので、このnoteにたどり着いた方はおそらく誰かが拡散してくれたからここにいるのだと思います。拡散してくれた方、読んでくれた方、ありがとうございました。

素敵な会を設けていただいてありがとうございました。

ご連絡はこちらまでお願いします。aikawa@skyland.vc
KINGの参加者の方、運営の方、関係ない方、誰でも大丈夫です。

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