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『ネギま!』の終わり さよなら、ありがとう青春


2022年3月9日、『UQ HOLDER! vol.28』が発売された。知らない人には、ただの漫画が1冊出ただけという話だろう。でも僕にとってはとても大きな意味を持つ1作で、これは誇張なしに、14年に亘る僕の青春の終わりそのものだ。今ひたすらに余韻に浸りつつ、僕にとってのこの作品を思い出させて欲しい。


・オタクの原点『魔法先生ネギま!』

オタクにこれは限らないけど、自分の趣味や好きな物の原点ってあると思う。始まりの特別であり、未だ自分の中で核を成す存在。僕のオタクとしての原点がまさに、『魔法先生ネギま!』だった。

中高一貫校に入り、3年目で初めてのクラス替えがあり(なぜか1、2年は固定だった)、そこでオタク友達と出会い、一気にオタク文化にのめり込んだ。そのオタク化速度が早すぎて『新人賞』なんて言われていたのも最早懐かしい。オタクを知って3ヶ月後の夏休みにはコミケに行って炎天下の“なのは列”に並んで洗礼を受けたのも覚えている。そんな中、最初期に『魔法先生ネギま!』に触れて、未だに僕の中核を成す存在になるなんて思っても見なかった……わけではないな、うん。あの頃も既に、自分がネギまにどっぷりだったのは自覚できていたと思う。

出会ったのはちょうど10巻が出たあたりだったかな。文化祭編が始まったところ、ある意味で一番勢いがあって、その最中にたぶん多くの脱落者が出たあたり。シャフトによるアニメ2期『ネギま!?』が作られて、なぜか夕方配信だったから家にダッシュで帰ってかじりつくように見てた。

ギリシャ語の呪文を覚え、コミックスの魔法解説を読みまくり、『ハッピー☆マテリアル』や『1000% SPARKING!』の2番の歌詞の違いを、誰がどこを歌っているを暗証できるまで聴き、ゲームも全て買ってやり込んだ。本当に心から好きな作品であり、それが誇らしくすらある。

それこそ、今こうして『文を書き、それを公開する』という行為は元を辿ればあの頃に書いてたネギま!の夢小説が源流にある。ツイッターのハンネもネギま!から1字持ってきてる。はるか19年前からの作品とはいえ、未だに今の自分のそこここにその痕跡はくっきりと残っているのだ。ちなみにその頃書いてたのは自分と龍宮真名の夢小説だった。今まともな文章が書けているわけでもなくおよそチラシの裏を抜け出せないが、あの夢小説も思い出せば中々にひどい文章だったなぁと思う。原本データはどっか行っちゃったけど、あの頃の自分が精一杯に出せるシナリオ構築と語りを若気の至りとして、そういうのを黒歴史の苦味と共に思い出すのも悪くないなと今ならば思えるのだ。


・『UQ HOLDER!』に続いた道に

ネギま!は38巻にて1度終わった。その後、『UQ HOLDER!』への世界はズレながらも繋がっていく。

正直に言えば、あの頃ネギまに一緒になって熱中していた友人もみな、ネギまからはこの頃は離れてしまっていた。まぁ自分も一時期の熱中のあと、ただひたすらに次の物語を求めるうちに置き去りにしてきた作品なんていくらでもある。友人にとってはそれがネギまだったというだけの話で、ラブコメより魔法バトル主軸が合わないしラブひなの方が好きって人の気持ちもわかるけどね。ネギまの終わりもまぁ、強引な部分もだいぶあったのは否定しないし。

でもそれでも、僕は嬉しかった。あの世界の続きが見れて、あの青春がまた動き出すと知って。TLの友人に、『エヴァちゃんの続きが見られるよ』と言って布教できたのは本当に良かったと思う。エヴァ好きにはこっちが本編まであるからね、『UQ HOLDER!』は。あと龍宮真名出てきたときは流石に叫んだよね。いやまぁ魔族のハーフだからいけるとは思ってたけど、それでも『俺の嫁が動いてる……しかもやっぱり強い……』と感動するしかなかった。

でも、その『UQ HOLDER!』も今日の最終巻の発売をもって終わりを迎えた。続きはない、正真正銘の終わりだ。何より、作者の赤松健先生はこれから表現の自由を守るために出馬し、新しい戦いに身を投じるのだ。

2021年の年末に久しぶりに開かれたコミケで、少しだけ赤松健先生とお話することができた。時勢もありほんの数言ではあったが、それでも『ネギま』から続くこの青春をくれたことに心の底からの感謝を伝えられて本当に良かった。赤松健先生、青春をありがとうございました。


・『つづくせかい』も『おわるせかいΚΟΣΜΙΚΗ ΚΑΤΑΣΤΡΟΦΗ』も

ネギま!は19年をかけて世界が終わった。まさしく僕の青春そのものだ。だからこれは、僕の青春の明確な終わりだ。

でも未だに終わらない世界なんて、実はいくらでもある。先に述べたように、あの頃に一時的なつまみ食いで終わった作品でも続いているのはある。

僕らの世代なら『ながされて藍蘭島』がまだ連載中という事実は話のネタの1つになるし、先日も『みなみけ』の最新刊が出てびっくらこいた。あの頃の友人に会えば(この時勢でなければ)『経験値上昇中☆』は『only my railgun』や『god knows...』あたりと並んで鉄板曲だ。

ネギまが僕にとっての青春であったように、あの頃から続く世界が誰かの青春であるかもしれない。それはきっと素晴らしいことで、とても幸せなことだ。

作品の終わりはもちろん寂しい。でも寂しさこそ、それが大切だった証だとも15年のとある船旅で教わった。だからこそ、終わりには月並みでも、やぱりこの言葉で締めるべきだと思うのだ。終わってくれた世界に、幸せだった世界に、その旅路に精一杯の感謝を乗せるのだ。


『魔法先生ネギま!』 『UQ HOLDER!』

この作品に、この作品に携わったすべての人に、そして何より赤松健先生に

本当に、ありがとうございました!!お疲れさまでした!!!!!