11月末の夕方6時。この時間はもうすっかり日を暮れて、辺りは薄暗くなzwいます。
取引先の担当者と仕事の打ち合わせを終え、外に出るともう暗くなっていました。
帰り際、担当者のＦさんが空を見上げ、３分の1ほど欠けた月を見ながらつぶやきました。
「見てよ・・・綺麗なお月さんやね。」
「ああ、そうですね・・・」
へぇ～、ロマンなんて言葉とは全く縁が無いと思っていたＦさんの口から、そんな言葉が出るなんて、思いもしませんでした。
ガサツに見えても、そんなロマンティックな気持ちもあるんだ。人は見かけによらないなぁ・・・・と感心しました。
「最高のお月さんやねー」
「そうですね・・・」

「これくらいの月がイカ釣りには一番いいもんな！今度の週末にはこないだのリベンジや！じゃあーそういうことでお疲れさん！」

そう言い残してＦさんはいそいそと帰って行きました。

私は一人、月を見上げながら

「・・・・・・・なんだ、イカ釣りの話かい・・・」