見出し画像

勝利とQBサラリー

SUPER BOWL制覇するためには

Tom Bradyは2022年8月の時点で、過去7度のSUPER BOWLを制覇している。
どうしてこんなに勝てるのか? HCベリチックのおかげ?スパイゲート?デフレートゲート?特別肩が強いわけでも、超絶アスリートなわけでもない…
理由は一つではないと思いますが、彼は他のQBと比べてサラリーが安いことでもよく知られています。今回はその辺からSUPER BOWL制覇への道を探っていきたいと思います。

歴史をを振り返ってみよう

まずは、これまでのスーパーボウル勝利しているQBをまとめてみましたGoogleスプレッドシートのリンクからご覧ください→表❶

表❶

サラリーキャップ導入以前(1993シーズンまで)に複数回制覇しているQBはSuperBowl1~SB28までの28年間で…
①Bart Starr               制覇2回・・・連覇1回
②Bob Griese            制覇2回・・・連覇1回
③Terry Bradshaw   制覇4回・・・連覇2回
④Joe Montana    制覇4回・・・連覇1回
⑤Troy Aikman     制覇2回・・・連覇1回  +(1996シーズンに1回制覇)
⑥Roger Staubach     制覇2回
⑦Jim Plunkett           制覇2回

NFLがサラリーキャップ導入後(1994シーズン~)に複数回制覇しているQBはSB29~SB56までの28年間で…
(Troy Aikmanはサラリーキャップ導入後は制覇1回なので省きます)
①John Elway              制覇2回・・・連覇1回
②Tom Brady               制覇7回・・・連覇1回
③Ben Roethlisberger  制覇2回
④Eli Manning             制覇2回
⑤Peyton Manning      制覇2回

キャップ導入前と後

連覇はキャップ導入前と後では半分以下と明らかに落ちています
複数制覇はキャップ導入前と後で7人18回と5人で15回で、一見そんなに変わらないように見えますがBradyひとりで7回と約半分もっていってますからね。明らかにバランスがおかしい…何か秘密があるに違いないと思うのが自然でしょう。

近年のQBサラリーからひも解く

無料で取得できたデータが2022~2015シーズンまでのものですのでその範囲で話を進めます。その年のQBサラリーCAP HITとチームのサラリーキャップに占める割合を表にまとめました。(2022のデータは8月11日時点でのhttps://overthecap.com/からデータを引用しています)
Googleスプレッドシートのリンクからご覧ください→表❷

表❷

細かい表なのでちょっとわかりにくいですが、御覧のとおりSB制覇しているチームのQBサラリーのCAP HITはチーム全体が使用可能な金額(NFLが毎年設定)に占める割合が2020年のTom Bradyが最高値で12.61%です。
ちなみに表❷をよく見ると16%以上のサラリーをもらっているQBはプレーオフにすら出ていません。その数値から導き出される今年の予測としてはRyan Tannehill  18.54%
Patrick Mahomes 17.19%
はプレーオフにも出られないということになりますが…どうなるでしょう?
次に12.61%以上はSB制覇の可能性が低いと仮定すると
Kirk Cousins          15.09%
Jared Goff             14.96%
Aaron Rodgers     13.70%
Carson Wentz       13.59%
Jimmy Garoppolo 12.94%
上記5名は可能性が低いとの予測することができる

勝利QBの数値抜粋

サラリーが高いQBは良いQBである。これはみなさん周知のとおりでしょう。そして上記(勝利QBの数値抜粋)の2019シーズンのPatrick Mahomesはルーキー契約中でよいQBであるにもかかわらず安かった。2017シーズンのNick Folesは、レギュラーシーズンMVP級の活躍で好調だったがケガで離脱した先発Carson Wentzの控えQBだったため安かった。
(しかしNick Folesは特殊ケースなので他の記事にしたいと思います)
これまでの状況からサラリーが高すぎない方がチームには良い影響がありそうだということが何となく見えてきましたね。

なぜQBのサラリーが高すぎない方が良い?

サラリーが高いQBは実力を認められているのだから、単純に一番高い=一番強いQBとなるはず…しかしそうならないのは、サラリーキャップのせい。
導入以前では、事案❶良い選手を高い給料でお金持ち球団が抱え込むということができました。これは近年?MLBでちょっと弊害となっている現象ですね。それと見落としがちですが、事案❷弱いチームでもスター選手を(客をスタジアムに呼ぶために)手放さないということがありました。
強いチームが勝ち続ける…そのチームを応援しているファンにとってはいいことですが、ほかの31チームにとってはつまらない。またあのチームか…となってしまいリーグ全体の発展の弊害になるとNFLは早い段階で気が付いたんですね。(きっかけは1992年、事案❷と給料に不満を募らせた選手たちよるFA導入の働きかけでしたが…)
それにより、NFLには力の均衡が訪れるはずでした。
しかし、どうやらそれは、Tom Bradyによって瓦解してしまっています。

QBの給料が高すぎるとおこる弊害

(2022/8/20加筆)

優れたQBは、チームを勝利に導くことができる可能性が高いので必然的に給料が高くなるります。チームの誰もが納得しているならばそれで良いでしょう。しかし本当にそうでしょうか?今年の状況をキャップヒット順に見てみましょう。

  1. Tannehillは今年のキャップヒットNo.1QBですが、まだチームをSBに導いたことはありません。

  2. MahomesはSBに2回出場し、だれもが認める優れたQBですが、SB制覇は1度だけ

  3. Cousinsも、まだチームをSBに導いたことはありません。

  4. Goffは、ラムズ時代にSB出場していますがTDを1つも獲ることができずに敗戦しています。

  5. Rodgersは、1度SBに勝っていますが、2度目はあるでしょうか…

  6. WentsのSBはケガでFolesが補完しています。

  7. Garoppoloは、SBにたどり着きましたが、あまりパスを投げていません。 ここまでは12.61%以上のQB

  8. Russell Wilsonは、2年連続でSB出場していますが勝ったのは1度、2回目の出場では勝利目前で彼の投げたパスのインターセプトで敗戦しています。

  9. Lamar Jacksonは、プレーオフ3回出場で戦績は1勝3敗

  10. Prescottは、同じくプレーオフ3回出場で戦績は1勝3敗

  11. Carrは、プレーオフ出場1回で1度も勝利したことがありません

  12. Darnoldは、欠場しなかったシーズンは1度もなく5勝以上したシーズンは1度だけです。

  13. Matt Ryanは、SB51で3Q8:31のTD以降無得点でした。それにより劇的な逆転で負けています。

  14. Josh Allenは、まだSBにはたどり着いていません。

  15. Staffordは、ようやくSBにたどり着きました。

  16. Murrayは、プレーオフで未勝利                               8~16は金額相応の実績を残している選手と未来への期待でサラリーが支払われている選手がいます。

  17. Tom Bradyは、SB10回出場し7度の制覇

17番目のBradyの実績を見ると1~16の選手のサラリーが高すぎると錯覚を起こしてしまいそうです。実際はBradyが下げているといった方が正しいのでしょうが…

BelichickとBradyが作り上げもの

(2022/8/20加筆)

QBの活躍はOL/WR/RB/TEあってのものですどれが欠けてもSBにはなかなかたどり着けない。しかし、どうしてもQBには注目が集まる。そのうえサラリーまで高かったらOL/WR/RB/TEはどう思うでしょう?
OLは自分たちがQBを守っているからこそいいパスにつながると自負しているでしょう(ランはいったん置いといて)
WRは自分たちがキャッチがうまく、ディフェンダーを振り切ってフリーになるからパスが通るんだと考えるでしょう。
RBとTEはランプレーがあるからこそパスが生きてくるし、パスプロに参加することも、パスキャッチすることもある自分達が大きな助けになっている。
そんなことを考えてQBだけが高給なのは間違っている。もっと自分を評価してくれるチームに移りたいと考える選手も出てくるでしょう。
さらに、何でうちのQBはあんなに高給なんだ?Bradyはあんなに貰ってないぞ!?となるわけです。これがペイトリオッツ時代にBelichickヘッドコーチとBradyが20年かけて作り上げた自分たちが勝つためのシステムと、ほかのチームが強さを維持できない呪縛なんだと思ってます。

フランチャイズQB

どこのチームにも歴史を紐解けばフランチャイズQB不在で低迷している時期があるものです。逆にフランチャイズQBがいるチームは勝率が安定しプレーオフ進出回数も多くなる傾向にあります。
まてまて、そもそも『フランチャイズ』ってなに?
wikipediaによると優れたプレイヤーがフランチャイズといわれるみたいです。なので優れたQBってことですね。
しかし、アメフトはかなり大所帯のスポーツです。QBがダメだと話にならないことも多いですが、QBがいいからと言ってSUPER BOWLに勝てるかというとそうでもない…なんせロスター53人のうちの1人でしかないですからね。
それに長いシーズンの中ではケガもするしトレードもある。シーズン直前に、ベースボール・マガジン社から発売されるカラー写真名鑑ですが、4か月後プレーオフが始まるころには選手が入れ替わりすぎて全く参考にならない…なんてこともしばしば
なのでできるだけ控え選手の層を厚くしているチームの方が長いシーズンを臨機応変に有利に戦えます。そこで重要になってくるのがQBのサラリー。
QBのサラリーが安ければそれだけ、先発にいい選手を連れてくることが出来たり、各ポジションの2nd、3rdの選手層を厚くすることもできる。←ココが厚いということはスペシャルチームがよくなる可能性も高くなる。

超絶エリートQBにだけ使える裏技

Peyton ManningとTom Bradyどっちが最も優れたQBか!?
という論争が長く繰り広げられてきました…(最近あまり聞かない?)
どっちもスゲーよ・・・
たぶんこの二人にだけ使えるであろう裏技があります。
必殺『俺と一緒にSUPER BOWL獲ろうぜ』
この二人に直電でこんなこと言われたFA予定のベテランは、だいぶ心が揺らぐと思います。(注意:Peytonはもう引退しています)これによって体力的には少々落ち目だがまだまだ若いもんには負けないベテランが考えられないサラリーでやってくる…ことがある。

私はQBなんてそもそもポジションだけで(へっぽこでも)給料高いし、人気も出やすいので、チームが強ければ引退後もかなりの確率で稼げる。中には現役当時の総額より稼いでるなんてこともある。選手の時は給料抑えてたくさん勝って引退後を見据えた方が賢いとさえ、私は思っている。

結論

ちょっと横道にそれましたが・・・
以上のことから
❶良いQBだけど高すぎない
❷QBは安いうちに勝て
❸ロスターは1stだけにつぎ込まず2ndも3rd厚くしろ
この3つを満たしているチームが勝つ!!可能性が高い

蛇足

最後まで読んでくださいましてありがとうございます。
そんなあなたに2022シーズンSB勝利の可能性が高いと勝手にはじき出したチームランキングを発表。まずは2022シーズンに先発の可能性が高いQBの一覧です。
現状先発は黄色、決まっていないが可能性が高いQBは青で表示しました

2022シーズン先発の可能性が高いQB一覧

これまでの推論を踏まえて…コーチ陣のことを加味して…
2022シーズンにSB制覇する可能性が高い順に!!

1位 ブロンコス Russell Wilson
2位 ビルズ Josh Allen
3位 ラムズ Matthew Stafford
4位 バッカニアーズ Tom Brady
5位 イーグルス Jalen Hurts
6位 ペイトリオッツ Mac Jones
7位 ベンガルズ Joe Burrow
8位 レイダース Derek Carr

となってしまいました…私的には不服ですが…
まぁ個人的な感情としては全く違うチームを予想していたのですがこのような順位になりました。
順位予想にはこんなやり方もあるよくらいのことなので、ムキにならないように…みなさんの予想も教えてくれると嬉しいです。根拠も教えてくれたらなおうれしい。
それではありがとうございました。良いFootball Lifeを!Let's Go---!!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?