【暴露】最低時給1700円のオーストラリア。表は天国、裏は地獄。
こんにちは!語学の裏設定のSlovarです!
金を稼ごう、と思い立ったら時給約1700円 ($18.93)のオーストラリア!
日本平均が874円だから、
倍速金持ちになれる、マンマ・ミーア!
w( ̄△ ̄;)w
かつて日本は黄金の国だなんて揶揄されていた時代がありましたが、こう見てみるとオーストラリアが輝いて見えてしまうもの....
こうして多くのワーホリたちがオーストラリアを目指して旅立つのですが、あまりにも多くの人が「こんなはずじゃなかった地獄」に落ちてしまっているので、
実態を把握して、勝算を計算した上で渡豪できるように本記事を執筆しました。
実態を簡潔に表現するなら「搾取が常態化している」になるでしょう。英語力やスキルの差でほぼ天国か地獄かが決まると言っても過言ではありません。
本当は天国の部分もたくさんお見せしたいのですが、それに関しての記事なら探せば意外とあるので今回は地獄に集中していこうと思います。もちろん後日、天国に関する記事も書きますし、その道筋についても書きます。(英語力、専門スキルが無い人でもガッツリ稼げる場所もあるのです。)
それゆえ覚悟して読んで欲しい記事でもあります。作成する側も気合を入れて書きました、全情報源も開示しているので信憑性をもたせることにも尽力しました。
1.オーストラリアの地獄は10年経っても変わっていない (統計情報あり)
2005年にオーストラリアに滞在している留学生を対象に、稼いでいる時給についての調査が行われました。なんと58%もの人が最低賃金を下回った時給で仕事をしていたのです [1]。
そしてその10年後の2015年、同じような調査が行われます。結果はと言うと、相変わらず60%もの留学生が最低賃金を下回った時給で仕事をしているのです。
地獄は地獄のまま。
それでも一度は国全体がこの問題の解消に乗り出そうとした時期があります。それが2015年のセブイレブン大搾取事件。
オーストラリア史上最大の賃金未払い事件です。
裁判所はセブイレブンに対して、総額1億5千万円に相当する賃金を
3667人に支払うように命じたのです[3]。
もちろんこんなのは氷山の一角だと思います。証拠不足で裁判所に認められなかったケース、申し立てる勇気がなく諦めた者、既に国に帰ってしまった留学生たち。水面下には気づかれなかった阿鼻叫喚が埋めいているのです。
そしてこの搾取傾向は改善されたのか?
2017年に行われた5000人規模の調査の例を見ていきましょう。すると、55%は最低賃金を下回る$15以下と回答、さらにその約3割が$12以下しかもらえていなかったと回答しているのです[4]。
ちっとも変わっていない!
多くの記事やエージェントはオーストラリアは時給1700円の夢の国だと主張していますが、現実はドロドロ、酷いものです。法なんて有って無いようなもの。結局海外に来たら自分の身は自分で守るしか無いと結論付けられます。
もちろん、読んでいるだけで絶望しそうな記事を書いているのですから、読者の皆さんを無責任に地獄に落としっぱなしという真似はしません。ちゃんと天国へ続く階段があることを示して、その登り方も示しますのでご安心を。
ですから、今日はもう少し地獄にお付き合い願えればと思います。
2.海外まで来て選べるのは日本語環境での仕事がほとんど
ショッキングな見出しですみません。でも本当なのです。力の強い日本人が力の弱い日本人を搾取するという構図が存在します。(もちろん、情報力、立場という意味で。)
主な理由は「英語力」と「母国語の安心感」の2つです。最初の「英語力」ですが、英語力がまだ付ききっていない日本人はオーストラリア人オーナーのホワイト企業での仕事 (通称ローカルジョブと言います)を掴めないので、消去法的に日本語環境での仕事しか選べません。
海外で日本語環境の仕事?
ワーホリに行ったことがない人はピンと来ないかもしれませんが、「日本食レストラン (Japanese restaurantもしくはジャパレス)」が圧倒的多数を占めます。
日本人オーナーが経営する回転寿司がほとんどですが、その多くはただのブラック企業です。一日12時間以上働かされることも聞きますし、仕事の内容はお皿洗い、調理、など英語と関係ない仕事が多いので、一度ジャパレスで働くと英語力がつかない→ますますローカルジョブに就けないという負のスパイラルにハマることになります。もちろん低賃金です。時給14ドルあれば良い方でしょう。
2つ目の「母国語の安心感」ですが、英語ばかり飛び交う海外で日本語を聞くと安心してしまうものです。それが、日本語を話せるオーナーを信頼してしまう原因になってしまい、日本語環境で働くことに拍車を掛けてしまうのです。
誤解してほしくないのですが、海外で日本語環境や日本人を避けろと言っているわけではないのです。ただ、「海外でひとりぼっちの人に日本語の安心感を効かせる心理」を利用してくる輩が居る、ということだけは頭に入れておいてほしいのです。
次の章では、その一例を紹介したいと思います。日本人の例ではないですが、気を引き締める効果としては十分だと思います。
3.低賃金首切り地獄と時給50円地獄
これはMohamed Rashid Ullat Thodiさんというインド人の例です。建築学と建設現場監督を大学で専門的に学ぶためにオーストラリアに留学してきました。インドは公用語が英語なので英語を話せる人であるという点と、語学学校生ではなく高度な英語を運用する大学生であるという点を頭の片隅に置いて読み進めてください。
そんな彼は最初ローカルジョブを目指して40社ほど受けたのですが1つも通らなかったのです。そこで仕方なく、同じインド人が経営しているセブンイレブンで働くことになったのです。
その時に言われた言葉がコチラ。
我々は家族のようなものです。仕事も与えますし、色々貴方を助けますよ。学生ビザの労働条件が1週間に20時間であっても大丈夫。他の人に黙っていれば20時間以上働かせてあげるから。もっとももし、口外したら移民局に捕まって強制送還されるからその点だけ気をつけるように。
母国語の安心感に近いものを感じますよね?そしてその後どうなったかと言うと、
2ヶ月間試用期間ということで、無給で働かされました。トイレ掃除、窓拭き、床掃除などの雑用を週に4~5シフトほど。その後、時給$10で採用されます(よく家族だなんて言えますよね?)。週に50時間ほどそれで働くのです。
彼はその時給で1年頑張りました。しかし流石に生活が苦しいので、オーナーに時給$11にあげてほしいと依頼した次の瞬間、、、
即解雇されました[5]。
作り話ではないですよ!嘘だと思う方は、巻末資料の[5]をご覧になってください。
もう1件地獄の例を挙げますが、読んでいて気分が悪くなると思うので略記とします。こちらはAhmedさんという方なのですが、試用期間という名目で691時間ほど働きました。支払われた金額はというと、、、$325ドルです。時給にしてみますと、47セント、つまり時給50円を切っています [6]。
これは他人事でしょうか?私のオーストラリア滞在中に仲の良かった日本人の友だちは、ある留学エージェントで試用期間という名目で働かされていたのですが、計算してみると時給$3くらいでした。
声を立てないで泣いている人、
多いんですよ。
4.奴隷労働に対して歯向かわない理由
これ1セクションだけで1記事書けるので、簡略化して書きます。
【1英語力不足】
オーストラリアの労働組合に訴えるにしても、そもそも英語力がなければ表現できません。
【2証拠隠滅】
給料を振込ではなく手渡しで支払うことで送金記録を残さない手段があるのです。通常Cash jobと言われます。ゆえに、立証が難しい、、、と。
【3仕事を失う】
労働組合にチクると、オーナーを激怒されるので即クビになる場合が多いです。
【4強制送還される】
学生ビザの場合、週に働けるのは20時間までという決まりがあります。それを破って長時間労働していた違法行為を自ら発覚させているので、強制送還もありえます。
【5みんなに迷惑を掛けたくない】
仕事場が労働局の調査を受け、業務が停止されると、一緒に働いていた仕事仲間も仕事を失うことになります。仲間を大事にする日本人にとっては一番避けたいことでもあります。
5.単に伝わるだけの英語ではホワイト企業では働けない
結局どうすればいいんだ?
その気持ち、分かります。色々な要素があると思うのですがもし一番大事なことを1つ挙げるとすると「英語力」についてだと思います。とどのつまり、英語力があれば劣悪な環境で働く可能性が激減します。
でも母国語が英語のインド人だって酷い目に遭ったじゃないか?
みなさんもご存知の通り、インド英語は訛りが強烈です。オーストラリア人が経営するホワイト企業に入ろうと思った場合、彼らから好かれなければなりません。つまり、彼らに好かれる英語を話せることが大切だと。
どういう英語か?
オーストラリア人が、心に不快感・脳に負担無く理解できる英語です。つまり、オーストラリア人が共感できる英語だと言えます。どんなに英語が流暢でも、アクセントがメチャメチャで理解するのに脳を負担をかけてしまう英語では煙たがられてしまうのは想像出来ると思います。
よくある誤解に、「英語は伝われば良い」というものがあります。批判的に考えると、単に伝わるだけでは不合格です。伝わる上に、ネイティブから共感される英語を話せて、やっと英語圏の一員だと認めれもらえるのです。
例外的に、プログラミング、音楽、デザインなどの方面でずば抜けた才能を持つ人物なら英語力が多少低くても実は通用してしまいます。しかしそんな人はホンの一握りです。
大多数の人は、英語力が鍵となります。これを機に、英語との向き合い方が変わるのであれは筆者の本望です。
まとめ
オーストラリアが持つ時給1700円という顔は、多くの人にとっては所詮目くらましに過ぎない。現実は、地獄だ。この地獄のたちの悪いところは、一度入ったら抜け出すのに苦労するという点。それゆえ、戦略的に自分をポジショニングしていくことが何よりも不可欠となる。
以上が、オーストラリアの労働の実態です。ショックを受けた方が多かったのではないでしょうか。書いている私も正直心が痛みますが、これが事実なのです。
しかし、地獄に落ちる前の痛みなんて、地獄に落ちた後の痛みに比べたら大したことがありません。だから、今こうして地獄へと駒を進める前に地獄の存在を知れたことは幸運なことなのです。
もし、お友達にオーストラリアのワーホリを考えている人が居たら、是非この記事をシェアしてみてください。大事な人を守るためにも。
本記事が皆さんの留学にとって糧になったことを祈って。
それでは!
参考資料
[1]International student‐workers in Australia: a new vulnerable workforce https://www.tandfonline.com/doi/abs/10.1080/13639080802709653
[2]7‐Eleven: Amnesty Must Apply to All Exploited Workershttps://www.smh.com.au/business/workplace/7eleven-amnesty-must-apply-to-all-20150908-gjheyp.html
[4]National Temporary Migrant Work Survey https://www.mwji.org/survey
[5]Mohamed Rashid Ullat Thodi, Supplementary Submission No 59.2 to Senate Education and Employment References https://ris.pmc.gov.au/sites/default/files/posts/2017/03/senate_standing_committee_report_into_temporary_work_visa_holders.pdf
[6] Courtney Wilson, ‘“He Made Me Scared”: 7-Eleven Worker Speaks of Intimidation, 47 Cents per Hour Wage’, https://perma.cc/S6XX-HZ6P
いつも記事を読んでいただきありがとうございます。英語学習に苦しんでいる方、つまらなそうに嫌々語学を学んでいる方が周りに居ましたら、シェアしていただければと思います。楽しく、深く、語学に取り組める人が1人でも増えたら幸いです。