見出し画像

「ボディ・ポジティビティ」って?

こんにちは!SLoWのユマです!
ついに3月突入ですね!

3月といえば、3日の「ひなまつり」、本日8日の「国際女性デー」と、何かと女性にまつわるイベントが多い月です。

そこで今月のSLoWでは、「女性の権利」にまつわるあれこれをピックアップ!

社会で言われてる「女性らしさ」とは?
「フェミニズム」ってどういうことなんだろう?

などなど、アンヘラとユマと一緒に学び、考えていただけたら嬉しいです!
.

今回私、ユマが取り上げるのは、「ボディ・ポジティビティ」について。

もともとよく耳にしていたワードですが、大学の授業がきっかけで、より興味を持つようになりました。

・フェミニストたちに熱く語られがちな「ボディ・ポジティビティ」とは一体なんなのか
・どうして今提唱されているのか
・どんな課題があるのか

などなど、勉強していくなかで、シェアしたいなと思うことが沢山あったので、今回noteに投稿してみることにしました。

授業で作成したプレゼン画像も用いながら、私なりに解説させていただきます!


ボディ・ポジティビティとは


ボディ・ポジティビティとは、「痩せた体型=キレイ」という従来の日の定義から外れ、プラスサイズの体をありのままに愛することを目的にはじまったムーブメントのこと。

その発端は1990年代に遡りますが、SNSの普及とともに、2010年代以降爆発的な広がりを見せました。

2012年に #Body positivity のハッシュタグが流行して以来、北米やヨーロッパを中心にプラスサイズブランドが続々と誕生したり、プラスサイズモデルが積極的に起用されるように。

2018年には、超有名下着ブランドのVictoria’s Secret が痩せ型のモデルしか起用しないことに抗議をするデモも行われました。

画像1
2016年 アメリカのスポーツ誌『SUPORTS ILLUSTRATED』の水着特集号の表紙にプラスサイズモデルのアシュリーグラハムが起用
画像3
2018年、イギリスで行われた下着ブランドVictoria’s Secretに対するデモ「We are all Angels」


ボディ・ポジティビティの起源:「美の神話」


2010年代以降に広がった、ボディ・ポジティビティですが、発端は冒頭でも触れたように、1990年!

米フェミニストライターのナオミ・ウルフが、「The Beauty Myth」で唱えた「美の神話」がはじまりと言われています。

Naomi Wolf "The Beauty Myth" (1990)


>「美の神話」とは

美の神話とは、女性が家父長社会に押し付けられる実現不可能な「美」の基準に到達できない自分に対して、自己嫌悪を感じることです。


「美の基準を押し付けられることで、女性は美の神話のいわば奴隷状態となり、美しくない、自分を批判・過小評価するようになる」

とウルフ氏は「The Beauty Myth」で述べています。

「美しくない自分は価値がない」
「認められない」
「主張する権利がない」


といったように、「美の神話」に囚われ、自分に自信を無くした女性は、社会を変える自信も失くしてしまうのです。


>「美の神話の解体方法」としてのボディ・ポジティビティ

女性が家父長制の社会に押しつぶされないためには、「美の神話」を解体する必要があります
そこで提唱されるようになったのが、「ボディ・ポジティビティ」

下の図をご覧いただければわかるように、女性たちを美の神話に縛り付けるものといえば、「ダイエット」、「エクササイズ」など、体型にまつわるものがほとんどです。

画像5

「実現不可能な、ボディ・イメージを解体することで、女性も解放され、社会の不条理に立ち向かう強さを手に入れることができる…。


そうしたナオミ・ウルフさんの考えに、共感した女性たちが広めて行ったのが「ボディ・ポジティビティ」だったのでした。


◉ボディ・ポジティビティの今

>世界各地で

ボディ・ポジティビティは現在では米国やヨーロッパだけでなく、世界各地でも広がりを見せています。

日本でも、ランジェリーブランドのピーチ・ジョンが等身大モデルを起用する「リアルサイズモデル」というキャンペーンが開始。

ボディ・ポジティビティを訴えるインフルエンサーも人気となっています。

2019年よりスタートした、ランジェリーブランドPEACH JOHNの「リアルサイズモデル」キャンペーン


また、メディアの「ボディ・イメージ」の扱い方にも変化が。

2020年には、女子中学生雑誌ナンバーワンのニコラ(新潮社)に対して、ボディイメージをはじめとする「美の多様性」「ありのままの美しさ」を伝えることを求める署名が行われるなど、民間でのムーブメントが盛り上がりを見せています。

ニコラ


>新たな概念「ボディ・ニュートラル」


「ボディ・ポジティビティ」が普及していくのに伴い、「ボディ・ニュートラル」という概念も新たに生まれています。

これは、自分の体型を「愛すること」とは異なり、自分の体型に対する不満やネガティブな感情も認める考えを指します。

ボディ・ニュートラルが始まったのは、ボディ・ポジティビティの普及による、「toxic positivity(有害なポジティブさ)」が懸念されるようになったため。

“toxic positivity”は、「ありのままの体を好きでないといけない」という強迫観念を押し付け、好きになりきれない自分に対して更に嫌悪感を感じる…

という負のサイクルを生み出します。

近年では、ネガティブな感情も許すことがメンタルヘルスの向上につながることも分かってきています。

体型だけでなく、感情の「あるがまま」を受け入れること。
それが自分を真に「愛すること」につながるのかもしれませんね。


◉私が考える「ボディ・ポジティビティ」の課題

さて!ボディ・ポジティビティの始まりそしてこれまでを追ってきましたが、いかがでしたか?

美のゾーニングが広がることで、女性たちが社会で生きる自信をつけていくのを見ているのは本当に素晴らしいこと。

しかし、調べていくうちに、個人的に「もっとこうなればなあ…」と思ったことがあるのも事実。
私なりに考えた「ボディ・ポジティビティの課題」を最後に共有します。


>「痩せていること」に悩むひとへのサポートは?

スーパーモデルのケイト・モス
「拒食症」「ヘロインシック」と呼ばれることに悩んでいた。

ボディ・ポジティビティは”「痩せた体型=キレイ」という従来の日の定義から外れ、プラスサイズの体をありのままに愛することを目的に始まった、と冒頭で説明しました。

それもあってだとは思うのですが、痩せていることで悩む人へのサポートが薄い、と調べていて感じました。

ボディ・ポジティビティを発信するインフルエンサーもふくよかな方が多いし、企業が何かキャンペーンをするときは、必ず「プラスサイズ」が強調されています。

太っていることで悩んでいる人もいれば、痩せていることで悩んでいる人もいるはず。

どんな体型の人にも自信を与える「ボディ・ポジティビティ」であってほしいと感じます。


>どんなジェンダーにも

「女性の権利」を主張するためのものとしてはじまったボディ・ポジティビティですが、男性にも「こうであるべき」という「体型の理想」が押しつけられているように感じます。

「こうあるべき」という「美の神話」には、誰もが悩まされ、その度に自分に対する自信を喪失しているのではないでしょうか。

「ボデイ・ポジティビティ」は決して女性だけのものではなく、男性、さらにはその他の多様なジェンダーの方が、「自分の権利」を守るために必要なものだと思います。

家父長制社会からの解放運動として広がった「ボディ・ポジティビティ」ですが、「女性だけのものではない」という認識がされていってほしいです。



女性、男性、LGBTQIA+…性別に関わらず、それぞれの「美しさ」が認められる社会になりますように。


最後まで読んでくださってありがとうございました!

SLoW for Love and ALL💖

それでは、みなさまよい一週間を!


SLoW ユマ

この記事が参加している募集

SDGsへの向き合い方

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?