20180211(Sun.)+12(Mon.)

学生時代のゼミの先生が還暦を迎えられるということで、年明け早々お祝い会のご案内が人づてに届いた。連絡をもらった時点で、参加しそうな人で且つわたしが知っていそうな人がそれこそ1人か2人くらいしか思い当たらず、その1人か2人が来なかったら完全に居心地が悪い場でしかないなと思いつつ参加ということで返事をした。
10時頃に起きて、とりあえず食事を摂って、岡崎京子『リバーズ・エッジ』を読んでまた昼寝して16時頃にようやく起きて支度した。最近の休日は寝てばかりいる。何をしていても眠い。夕方くらいになってようやく目が覚めてくる。お風呂に入ってもまだ眠いような気がする。先日UNITED TOKYOで買ったすばらしく綺麗な青いスカートを履くことにした。スカートが青いので、目元の化粧も青くした。帽子も青いものを選んだ。
ベルギービールが飲み放題のお店で、4年ぶりくらいに再会した先生は全体的に白髪が増えたなと思いつつも、それ以外は全く変わっていなかった。相変わらずの美しいバリトンボイスであった。奥様とは初めてお会いしたが、小柄で上品で、同じ還暦とは全く思えないほど若々しくていらっしゃった。わたしが知っていそうな1人か2人は無事に会場にいた。3人でテーブルを囲んだが、1人は意味がわからないほど広い交友関係のため常に居なかった。わたしは席を立たずに山盛りのフライドポテトをもそもそ噛みながら、共通の知人である消息不明のとある奇人の話をしていた。

先生へのお祝いコメントがスライドショーで流され、劇作家の平田オリザさんからのメッセージもあった。そういえば、かつてわたしは高校1年生だった頃、平田さんが講師を務める演劇ワークショップに参加したことがあった。3日間を平田さんや他の高校の人たちと過ごし、劇作のセオリーみたいなものを学びつつ仕上げに短い劇を班ごとに完成させる、というものだった。具体的に何を学んだのか、もう10年以上も前のことで正直あまり覚えていない。が、当時わたしは地区大会用の台本を抱えていて、何をどう修正したものかと悩んでいた。すると同じ演劇部だった同期が「せっかくなんだから見てもらえばいいじゃん」と、躊躇うわたしを無視して超気軽にその台本を持っていってしまったのだった。翌日平田さんは「読んだよ」と声をかけてくれ、「この役とこの役は別に顔を合わせていても問題はないんじゃないかな」とアドバイスをくれた。それをいちばん覚えている。
あれは、わたしにとって今後どこにも繋がらない、1回限りのことであるつもりだった。著名な劇作家、演出家である方に自分の作品を読んでいただいたこと、それだけで何にも代えがたい貴重な経験だった。だけどそれは、忘れていた。大学選びも、ゼミ選びも、この記憶に繋がるとはただの1ミリも思っていなかった。
だけど人は繋がっているものだ。6人辿れば誰のもとへもゴールできるという実験もある。あながち嘘でもないらしい。

わたしは名簿によると「ゼミ修了生」ということになっていたが、限りなく微妙な位置にいたと思う。というのも、卒論を書くにあたりドイツオペラをテーマにしたにも関わらずドイツオペラに強い先生のことを無視して何故かフランス・ベルギー文学専攻の先生に指導してもらったからだ。とはいえ、思い返してみればお世話になったこともたくさんある。子供向けコンサートのボランティアスタッフをやったり、ベルリンで色んなところに連れて行ってもらったり人を紹介してもらったり、まあ卒論用に本を借りたり。他の修了生と比べればかなりライトな関わり方ではあったけれど、案外先生はわたしのことを覚えていた。「仕事はどうですか、楽しいですか」と聞かれたので「全く楽しくありません」と答えた。笑われた。

かつて1年の留学をするかしないかで相談に乗ってくれた先輩がいらっしゃって、向こうもわたしのことを覚えていてくださっていて、とても嬉しかった。そして、めちゃくちゃ近所で働いていることが判明し、とあるカレー屋さんのことで盛り上がった。展覧会の共催などのお仕事をされているという。その他にも、わたしが演劇部にいて照明分野に少し詳しかったことで何度かアーティストのパフォーマンスの補助にかり出されたことがあり、そのときに関わった人たちや先生にも再会できた。その人たちに会わない限り思い出さないことである。そういえばそんなこともあった。
アートマネジメント、文化政策の分野を爆走してきた先生であったため、このお祝い会に集まった卒業生たちもまた同じように演劇制作であったりアートセンターの運営であったり何がしかの文化事業に関わっている人が多い。わたしはそもそもそういう将来の選択肢が頭になかったので、とても不思議な気持ちになる。初心に返る、ではないのかもしれないけれど、わたしにはそういう知り合いもいるんだなということを思い出せて、ちょっと気持ちが入れ替わった。しかし、おそらくまたすぐに忘れるだろう。一次会にてお暇した。先生とはろくに話もしなかった。ヒューガルテンはおいしかった。

また昼まで寝て、起きたら前髪が派手にハネている。髪を切ったとたんにこれだ。ファック。結局その前髪は半分ほっぽらかして散歩をしつつ梅田に向かう。カフェを一軒開拓する。ハンナ・アーレントとウィトゲンシュタインの解説書を交互に読む。梅田に着くと人だらけで滅入る。蔦屋書店、どうしていつもいつもこんなに人でごった返しててうるさいんだファック。ここは本当に本屋なのかファック。だけどプリーモ・レーヴィの新装版と出会ってしまい結局行くたび何かしらをくすぐられてしまう憎い。前回はアメリア・グレイだった。まったくもって憎い本屋だ。ちくしょう、今度あの新装版は買いに行こう。
「アバウト・レイ 16歳の決断」を観た。個人的には、あの3世代はまず別居から始めた方がそれぞれのためになるし、長くいい関係でいられるのではないかと思った。映画館から出ると、母から「スリービルボード観てきた」という連絡が入っていた。なかなか見応えがあったとのこと。

#日記 #diary

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きり

日記

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