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10点でも20点でも出そう、何回フラれても出そう。100回フラれてやろう。

    • なにをするにも

      なにをするにも、「自分には価値がない」が付いて回った。生きていてこんなにしんどいことはない。住むところにも、食べ物にも困っているわけではない。なのに、なんでこんなにしんどい。 朝起きるのもつらい。なにも楽しくない。インスタはざわざわするのわかってみちゃうし。 幡野広志さんの本を読んだ。感動した。幡野さんの芯にあるものに触れてもっとこの人の作品に触れたいと思った。親と子の関係、医療者と患者の関係。一見別問題に見えるけれども、親も医療者も人間で、でも子や患者からはすげー、大人

      • DASH!

        画面の中の剣士を操るために、テレビ画面に張り付いている息子を見て、敦史は心の中でため息をついた。 「おいおい、そんなんじゃ大人になってから苦労するぞ?」 いや、こう言ってはド正論だ。彼をハッとさせる一言を言えないものか。「なあ、外でキャッチボールでもしない?」 高校生になる息子に向かってこれもないか。生返事で終わりだろう。 「ワタシニオマカセクダサイ」AIのサマンサが急にしゃべった。 サマンサは相変わらずの機械音で息子に言う。「ショウゴサマ。もう3時間26分もゲーム

        • マグロ

          俺は比較的、女性と話すのは苦でない。ラジオで言っていた。自分の弱点を売りにすること、だと。自分の弱点を他人のことのように話して、例えばこの長い顔、これを売りにしていけば、万人受けしてちやほやされることはなくても、マグロの一本釣りのように、 そもそも、人が弱点だと思っていることは、長所であることの方が多いのだ。 俺の顔も万人受けなんかしなくても、好きだと言ってくれる人は必ず居る。 そして目を皿のようにして、観察すること。なぜかって。人のことを思いやれない人に、話がうまくた

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        • 国試の悲劇
          2本

        記事

          10分で考える小説

          これを小説と呼んでいいのか。小説とはwriteなのではなくthinkの方なんだそうだ。だから四の五の言わずにthinkしてみる。退屈だった。そんな彼女に友人は一人もおらず、かといって、話す相手がいないわけでもなく、まあ平凡な女性徒だ。彼女は考えた。自分にできることはなにか。書くことが小さいときから好きだったし、正解はないしいまからでもできそうだったからだ。 改定て気づいた。自分は今まで何も考えてこなかった。だから、考える力をつけよう、と。 でもそれは、途方もない作業だった

          10分で考える小説

          クエスチョナー

          夢を見た。大きな石板に文字が刻まれている。そこには10つの問いが刻まれていた。 1、今、食べたいものはなにか? 2、今週中にどうしてもやりたいことは? 3、一番会いたい人は? 4、現実的に考えて、明日の最高のシナリオは? 5、現実的に考えて、最低のシナリオは? 6、4,5について、その原因となるものは? 7、今までで最も最高の思い出は? 8、今までで最も最低の思い出は? 9、24時間以内に、やりたいことは? 男はすぐ考えた。「じゃじゃん部」のカレーが食べた

          クエスチョナー

          僕の肝臓をあげたい

          気持ち悪い。彼女がインスタのストーリーのためにスマホを横に持って周囲を撮り始めたときにそう思った。今俺とここでいることをSNSにアップする必要がある。 そもそも俺は自分の顔に自信がないので写真や動画に撮られることが嫌いなのもあるが、それを差し引いても近頃みんな撮りすぎだろ、と思う。 楽しい空気に水を差したくない、そう思って言葉を引っ込める。 本音は時に、場を壊す。中学生のころの苦い思い出から、俺は何気なくの発言を過剰に気にする。 自分の中に沈殿した思いをかき混ぜたくて

          僕の肝臓をあげたい

          ワイ将、ちょっとナンパしに行ってくる

          ところで、面白い小説とはなんだと思うかね。佐多クン。 俺は、ただただ読んでて笑えるものが面白いと思います。読んでいる間は何も考えなくても済むような。 君の決めたその面白いは、誰にとっても面白いのかね。それとも佐多君だけがおもしろいのかね。 俺にとってです。けれど、俺が面白いと思うということは、ほかの人にとっても当て余ると思います。頭の固い杉原教授にはわからないだろうけど、と心の中でつぶやく。 深山大学文学部杉原ゼミは伝統あるラボだ。中でもライターや小説家を目指すヤツが

          ワイ将、ちょっとナンパしに行ってくる

          なにもねえ、上等じゃねえか

          お前に、なにができるの?それ、なんか意味あんの?「会計」が言う。俺はその詰問に答えられた試しがない。バイトしてる時も、デートしてる時も、襲ってくるその声は、俺の首を絞めてきた。 「会計」と初めて出会ったのは、たぶん高校の時だ。そいつから話しかけてきた。後悔のない高校生活を送りたくないか?なにもなく過ぎていく時間を黙って見過ごす俺を、「会計」は許してはくれなかった。だから、お前は運動神経がいいんだから、部活で「青春」という対価を得てこいというのだ。 俺はテニス部の練習に励ん

          なにもねえ、上等じゃねえか

          関係性の中に

          やりたいことが見つからない。 そんな青臭い、しかし切実な悩みにぶつかったのは就職活動の時。今まで甘えて生きて生きたからだ、結局、なにもできやしない、そんな自己嫌悪を始めたと思いきや、自分を仕事にして、役に立てる仕事につきたい、なんて意気揚々と過ごしていたある日。 仲のいいT先輩が俺に言った言葉が胸に焼き付いた。 自分の中にやりたいことがあって、それを見つけ出すことに躍起になってるうちは、そんなかから抜け出せねえよ。 え、なんすかいきなり、と苦笑いしてお茶を濁しつつ、俺

          関係性の中に

          四の五の言わずにモテたい。

          朝、毎日すること 腹筋200回×3 腕立て50回×4 表情筋体操 窓際に貼られたメモ帳をチラリと見て、俺は腕立ての体勢を作る。 俺はどうしてもしたいことがあった。それはただ一つ。あの子とヤりたい。望月美香。 おっと、思い浮かべただけで下半身が熱くなる。清純な雰囲気に加えてあの、豊満な胸、太もも。 愛くるしいルックスに惹かれて近づく男は後を絶たない。しかし、彼女自身男に興味がないらしく、近づく男をのらりくらりとかわしているようだ。そんなガードの固いところも俺を燃え上がらえせた

          四の五の言わずにモテたい。

          細かく細分化すると、恐れるに足らなかったりする。

          細かく細分化すると、恐れるに足らなかったりする。

          セブンイレブンインターナショナル

          とてもではないが、大っぴらにこんなことは言えないんだが、あんただけには教えてやるよ。今度、セブンイレブンの店員を集めてなにか催しをやるらしいんだ。具体的に何をやるかは極秘だそうだが、ポーカーとかブラックジャックとか、そういった類のゲームをするらしい。 そしてなんと、勝ち抜いたものには景品として、セブンイレブンジャパンの株式を譲渡されるらしい。これは社員だけじゃなくバイトにもチャンスがあるらしいんだ。といっても、社員が見込んだバイトにしかこの話はいかないようになっているんだが

          セブンイレブンインターナショナル

          営みの町がくれたら色めき

          パソコンのタブが、どんどんたまって、いつ何の目的で検索したのかわからなくなっている。スマホのタブも同じ。 最初は感動したYoutubeも、今では無表情で眺め続ける。 完全に切り離すことなど、もうできない。スマホも、ネットも。刻々と、時計の針は進む。 明日、一日有給とれって言われたら、特に何をすればいいかわからない。すぐに連絡とれる友人もいない。やることもない。 俺はどこに向かうのだろう。自分の意思で動けない。流されて生きることしかできない。 星野源さんの歌の歌詞が好

          営みの町がくれたら色めき

          前髪が後退してきた

          前髪が後退してきた。母方の祖父が禿げているので、私は禿の遺伝子を受け継いでいる。 端的に言うと禿なんて笑い飛ばせるような存在でいたい。とはいえ、前髪を掻き上げるとM字型に禿げている。 ところで、毛沢東のこんな名言がある。 前髪が後退しているのではない、私が前進しているのだ。 いくらなんでもかっこよすぎるだろう。今まで持っていたものに対する執着など微塵も感じさせない。 私は禿げるのがこわいお。禿げることの何がつらいのか?どうすればその葛藤を乗り越えられるのか? 今日

          前髪が後退してきた

          さあ、始めよう。

          母が、年を取っている。そのやせた姿、増えた皺、薄くなった髪を、俺は見ないようにしてきた。親の老いと向き合うのが怖かったからだ。そうも言ってられない、と感じたのは、母が薬の数を間違えて飲んだり、「胃が痛い」と言って夜救急外来に駆け込んだこと、翌日再度病院に出向いて、散々待たされたにも関わらず、文句ひとつ言わずに待っていた。挙句、10時予約のはずが返ってきたのは18時。不必要なありとあらゆる検査を受けさせられたらしい。「一人のおばあちゃん」なんではないか いつか、当たり前を失う

          さあ、始めよう。