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自宅での洗濯方法について/S&S OPEN TALK #65

四国にあるセレクトショップ SLOW&STEADY ではオープン直後から、お客様からの相談窓口として、LINE@を利用しています。

その内容は、商品在庫の確認から始まり、商品ご購入後のアフターケアに至るまで多種多様です。しかしそんな中「これは多くの方も同じお悩みをお持ちのはず」と感じるご質問も少なくありません。さらにそういったものほど短文では返しづらいのが正直なところ。
そこでこのnoteにて「マガジン」という形で回答させていただくことで、そんな魅力的なご質問の数々をピックアップさせていただければと思います。

名付けて『OPEN TALK』今回はこんなメッセージです。

✉️

いつも拝見させていただいております。何度も同様の質問にお答えしていると思いますが改めてお伺いします。店長さんは以前「大体のものは自宅で洗濯する」とおっしゃっていましたが、自分は高価な洋服を自宅で洗濯するのが怖くていつもクリーニングに出しています。自宅での洗濯の方法やコツを教えてください。

(香川県 ペー様)

ご質問ありがとうございます。基本的に僕は革製品やスーツ以外は全て自宅で洗濯を行なっています。今日は僕が毎日行っている選択の方法を教えます。

【洗濯を始める前に(準備編)】


まずは洗濯をする前に皆さんがやってしまいがちな注意点をおさらいしましょう。

(外で干す?部屋で干す?)
衣類は日光に当て続けると色が褪色します。現に僕はもう10年近く外で衣類を干していないです。特に濃い色のものは日光堅牢度(日光に対しての強さの値)が低く弱いので、外で洗濯を干す場合は必ず裏返してください。

(雑菌を育てていませんか?)
面倒だからと、脱いだ衣類を洗濯機にためていませんか?部屋干しのあの嫌な臭いは雑菌が原因。雑菌というのは湿度の高い場所を好みます。汚れがついた衣類を洗濯機にためておく(例え半日でもダメです)というのは雑菌を育てているようなものです。絶対に通気性の良い洗濯かごを用意してください。

(洗濯機は清潔ですか?)
いくら洗剤や洗濯方法に気を使っても、肝心の洗濯機が汚れていれば全く意味がありません。僕の場合、月に一度、必ず洗濯機を掃除します。(洗濯槽クリーナーと細かい部分のふき掃除)最低でも2ヶ月に一度は必ず洗濯機の掃除は行ってください。

【プレウォッシュの重要性】

洗濯のプロの方達からすればプレウォッシュしない洗濯なんて赤点でしょ?というぐらい、当たり前に行っている洗濯前の準備が「プレウォッシュ」
要するに、洗濯まえに汚れを浮かす作業です。僕もプロから数年前教わってから行っていますが、洋服の"もち" が明らかに変わりますので、皆さんも是非やっていただきたいと思います。

面倒なことなんて一切ありません。弱アルカリ性の洗剤と水を1:1にして、スプレー容器に入れておき、それを汚れがつきやすい襟や袖口、パンツの裾などにスプレーするだけ。(作った溶剤は一週間以内に使い切ってください)汚れが気になる箇所には数回スプレーし10~15分後に、洗濯機に入れて洗濯するだけです。

全て丁寧にプレウォッシュするのがベストですが、時間もとられますし全部の衣類にプレウォッシュする必要はありません。あくまで汚れを落としたいものや黄ばみをとりたい、防止したいなどの衣類だけでOKです。

【洗剤について】

洗剤には洗浄力に応じて種類がありますよね。実際どれを選んだらいいのかって質問は過去にもたくさんありました。実際に僕が使っている洗剤は3種類。洗うものに応じて使い分けています。

:タオルや下着類などしっかりと洗いたいもの (弱アルカリ性)

:おしゃれ着や大切にしたい洋服(中性洗剤)

部分的に汚れを落としたいおしゃれ着 (中性洗剤)

この3種類を現在使い分けています。
洗浄力の強さで言えば、
アリエール>ウタマロ>エマール
といった順です。

普段メインで使う洗剤としては、弱アルカリ性のもの。洗剤洗浄力や生地への負担を抑えたいのであれば中性。基本的に2種類を使い分けていれば良いと思います。

(注意点)
※外での作業などで汚れた衣類は洗浄力が強くなければ汚れを落とせませんので、そういった場合は粉末洗剤などを使ってください。

※汚れを落としたい。洗剤の香りをつけたいと、洗剤の量を増やして使うという話をたまに聞きますが、洗剤の量を増やすことで逆に汚れが落ちづらかったり、しっかりとすすぎができないままになってしまう可能性がありますので、規定の量以上の洗剤を使わないようにしてください。

【重要:干し方について】

洋服の型崩れを起こす最大の原因は干し方にあります。
僕の場合、全ての洗濯物は自分の手である程度シワを伸ばして形を整えてから干しています。
この一手間がかなり大事。洗いざらしのまま干してしまうと型崩れはもちろんですが、乾いたさいにシワがつきすぎていて気持ちよく着れなくなります。

(注意点)
※ニット類は、ハンガーを2つ使ったり、専用のハンガーで負担を減らすように干してください。

※洗濯物どうしの間隔は最低でもこぶし一つ分(15cm程度)開けてください。

※乾くまでの時間が長すぎると雑菌繁殖の原因にもなります。サーキュレーターなどを駆使して、5〜6時間で乾きあがるぐらいの量を考えて洗濯しましょう。


【まとめ】

革製品など、自宅での洗濯が不可能な素材以外は、最適な方法で自宅で洗う方が確実に洋服の長持ちにつながります。さらに自分の手で育てているような感覚になり、今まで以上にお気に入りの洋服に愛着が湧いたりもします。一度覚えてしまえば簡単なので、ぜひチャレンジしてみてください。

とはいっても、大切な洋服ですので神経質になったり、やり方を忘れる時も悩んでしまう場面もあるはずです。
そんな時は、僕も自宅に必ず置いている「洗濯の教本」を読み返してください。

洗濯のプロ。洗濯ブラザーズさんの著書。非常に読みやすくてわかりやすい本です。僕がここに書いたことは、大体この本にも書かれている内容ですので、プラスアルファーの教材として持っておくことを強くお勧めします。

・・・

今週は、以上です。
ここでは、あくまで僕の答えられる範囲内にはなりますが、このマガジンを使って、皆様からお寄せいただく「洋服に関するご質問やお悩み」を、ざっくばらんにご紹介しております。
個別の商品に関するご質問ももちろん歓迎です。ご質問は、LINE@(http://slow-and-steady.com/news/lineat/)の他に、下記メッセージフォームより随時受けつけております。どうぞお気軽にご連絡ください。

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