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キャリアの棚卸~知らなければ損するジョブカフェ・ハローワーク活用術(上級編)~

起業後、雇用主として求人する

スタートアップ(起業)、アントレプレナー(起業家)というワードを聞くたびに、自分が早く生まれすぎたことを悔やんでしまいます。

もしも私が平成に生まれていれば、起業もキャリアの選択肢に入っていました。
当時は、家業を継がない限りは社長にはなれませんでした。また、安定した教師や公務員の人気が高く、大半の人は高校卒業後に民間企業に就職していました。

女性においては、男女雇用機会均等法が適用されて久しかったものの、一般職と総合職という区分で働く形態が違っていました。

その頃、女性の勝ち組は3高(高学歴、高身長、高収入)の男性と結婚し、専業主婦になることでした。共働き世帯が多くなった今からしてみれば、このようなパラサイト結婚が”高”リスクであるということは、お判りいただけると思います。

結婚相手に甘えてすべてを依存してしまうと、いざ離婚するとなれば途端に経済的に困窮してしまいます。既婚女性であっても、どんな形でもよいので仕事を通して社会と接点を持っておくことが大切です。

フルタイムで勤務することが難しくパートタイムで勤務する場合には、自分時間に資格取得の勉強やセミナー受講をしてみてはいかがでしょうか。自己啓発的なセミナーは探せばたくさんあるので、自分の興味関心がある分野を特定しておくだけでも将来のキャリアにつながりやすくなります。

さて、今回のジョブカフェ・ハローワーク活用術の上級編でお伝えしたいのが、起業後、雇用主としてハローワークを活用する方法です。

フリーランス、個人事業主はひとりでも事業ができるイメージですが、会社組織として起業するとなれば一緒に働く仲間が必要になってきます。

起業直後は、創業メンバーで業務を回していても、事業がスケール(規模が拡大)してくると、必ず業務の分担が必要になってきます。アウトソーシング(外部委託)できる事務的業務であれば、外部のプロフェッショナルに頼む方が確実です。

しかし、どうしても社内で人手が足りない場合は、どうしたらよいのでしょうか。起業したてのベンチャー企業は、優秀な人材を獲得することが難しいのが実情です。求人広告ならリクルート系のIndeedが思い浮かびますが、応募者が集まるという保証はありません。

そこで、提案したいのがハローワークへ企業登録を行い、雇用主として求人募集を出すことです。ハローワークは無償で求人ができるうえ、企業説明会なども開催することが可能です。必ずしも欲しい人材を獲得できるとは限りませんが、ダイヤモンドの原石に出会える可能性があります。

ただ、ご注意いただきたいのは、ハローワークを通じて求人に応募があった場合は、しっかりした対応をすることが必要な点です。書類選考で不採用であれば、不採用の理由をきちんとハローワーク側にも説明しなければなりません。

以前、私は人事担当者に代わって欠員補充のためハローワークを利用したことがありました。応募者は多かったものの、書類選考でお断りする方が多く、書類選考を通過した方でも面談当日に連絡もなくキャンセルしてきた応募者もいました。

つまり、有料の人材紹介会社のフィルターを通していない分、応募者の質が一定ではないのです。

ビジネスマナーとしてあり得ないと思われるような方に接することは、大企業勤務の者にとっては経験がないため、少なからずはじめはショックを受けます。

そのような中でも、起業したばかりの創業者には、ダイヤモンドの原石のような人材を発掘し、その人の強みを見出し磨いていくという人材育成が求められます。そのようにして組織を強く大きく育てることがマネジメントなんだと私は考えています。

今後、日本政府が人材の流動化を進めていくにあたって、雇う人、雇われる人が共に成長できる機会が増えていけばいいな、と私は願っています。

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