良質なコミュニケーションを目指して③

今回は良質なコミュニケーションを目指して③について
書いていきたいと思います。

私はコーチングという
コミュニケーションスキルの中の1つと出逢う前は、
多種多様な考えという視点がなく、
様々な経験を通じて
1つの答えを追い求めていました。

たぶん、そのままの姿勢で、自分が続いていたら
今頃は頑固オヤジになっていたと思います。

そんな私が郵便局に在職していた時代に、
部下育成の指導法としてコーチングという
コミュニケーションスキルが導入されてきました。

私は中学時代まで数学の教師になることを目指していたり、
社会人になってスキーと出逢い、
スキーのインストラクターを目指していた時代もあり、
私は元々ネイティブコーチ系の要素は持ち合わせていたのですが、
それは自分が経験してきた中や、
気質から出てくる自己流でしたので、
コーチングという世界があることを知って、
とても興味があったときに、
ちょうど新聞の折り込みチラシに
NHKカルチャー・横浜ランドマーク教室で
当時、コーチング講座があるのを知って
自分へ投資する意味で(自費で)通うことにしました。

そのときの講師が桜井一紀さんで、
(桜井一紀さんについては⇒こちら
そのときに受講していたのは
男性が僕も含めて確か2人で
女性が6人ぐらいだったと思います。

最初の回で桜井一紀さんが
『僕とキャッチボールしましょう』と言いだして、
誰か一人キャッチボールの相手をしてくれる人、と言っても
誰も手を挙げなかったので、
桜井一紀さんから僕が指名されました。

「えぇー!?」

まいったな、という気分でした。

というのも、実は、僕は
高校2年のときにキャッチボールでイップスにかかってしまい
それ以来キャッチボールができなくなってしまっているからです。

でも、桜井一紀さんが簡単だからということで
キャッチボールを始めました。

というところで、
YOUTUBEを2分20秒ぐらいですので
ご覧くださいませ⇒こちら

この映像でもわかるように
“言葉”というのを“ボール”に置き換えて
解りやすくしています。

それと実際に桜井一紀さんとキャッチボールしたのは
新体操で使うようなボールを
お互い両手で下手投げでパスを相手に出すように行いました。

そして私はこの『コミュニケーションはキャッチボール』をやりながら、
自分のコミュニケーションの至らなさを痛感し、
猛省することになるわけです。

さて、映像では最初に
お互いがキャッチボールをしています。

その後に「もし一方的に話されたら?」となりますが、
自分も話したいことがあるのに話せず、
相手から一方的に話を続けられたら、
息苦しくなってストレスが起きるかもしれません。

その次の「同時にたくさんの情報を発したら?」では
人間はかなり有能な動物ではありますが
万能ではありませんので、
一度にたくさんの言葉を話されたら
全部受け取ることができなくなってしまい、
自己卑下に陥りやすい人は自分の無力感を感じたり、
言葉を受け取り過ぎて
頭が混乱してしまうケースも起きてしまう場合もあるでしょう。

たとえば街場にあるテニススクールに通ったとします。

最初にフォアハンドストロークの3点打ちのときに
「◎△さん、もっと、こうね」と指導が飛びます。

続いてバックハンドストロークの3点打ちのときにも
注意点が飛びます。

続けてボレー、ゲーム方式での練習でも
いろいろと指導されました。

90分の練習後に教えてもらったすべてを
憶えていられる人って、
どのくらいいるのでしょうか!?

指導した側は教えたつもりになっていても、
教えられた側はあまりにも多くのことを言われて
憶えきれなかった場合もありますので、
最後に整理体操をしながらでも
「今日はどういう事を言われたか思い出してみましょう」と
もう一度リマインドさせてあげたりして終わらすと、
「この前も言っただろ!!!」とかに
ならなくなるのかもしれません。

指導する側は短い時間で多くの事を教えようと
熱心さが出ることは結構ですが、
相手が受取れているか確認することも大切です。

次に「自分の投げたボールを捨てられたら?」

「この書類の件ですが」
「俺は知らねぇよ」

こんな会話になったら、
またこの人と言葉のキャッチボールをしたいと
思うでしょうか!?

むかしの職場では、
こういう雑な対応もする上司もいましたが、
今の時代では通用しなくなってきているのが現状です。

では、今度は
「自分の投げたボールと違う色のボールが帰ってきたら?」は
どうでしょうか!?

たとえば、A子『今日は肌寒いね』、
B男「なに言ってんだよ、暑いぐらいだよ」

自分が言った言葉を相手が受け取ってくれなかったので
自分が感じていることが否定されたり、
逆に逆上するかもしれません。

では、A子『今日は肌寒いね』
B男「A子さんは肌寒いんですね。僕はちょっと暑いぐらいかな」

A子さんは自分の言葉をB男くんが一度受容してくれているので
たとえ自分と相手が違った意見になったとしても
困惑状態になったり、否定された気分にもならずに済むでしょう。

ほんのちょっとの違いですが、
相手にとっては大きな違いとなってきます。

たとえばコーチが「なぜ言われたことをやらない」
選手『ちゃんとやってましたよ』
コーチ「いや、やってない」

こういう会話は選手とコーチ間でよく行われますが、
言葉のキャッチボールができていないことが
わかりますでしょうか!?

では「投げたボールをけり返されたら?」

自分はこの人にとって必要ないと
自分の存在価値を否定された気分になるかもしれません。

次に「ボールを受け取ってもらえなかったら?」

いま、インスタントメッセンジャーのLINEで起きている
既読スルーは、第三者から見るとこういう状態ともいえるでしょう。

自分の会話を受け取ってもらえず、
「無視されているのではないか」と不安になったり、
自分はこの会話の場面に居ていいのだろうかと
居場所がなくなる孤独感に苛まされたり、
こっちが会話しているんだから、
返事返せよと逆上してくるケースもあるでしょう。

次に「頭越しの激しいキャッチボールの間にはいってしまったら?」

自分はどうしたらいいのか混乱したり、
恐怖心に陥ったり、不安や萎縮が起きてしまうかもしれません。

さらに「二人で話していたのに、
もう一人来て、その人とだけ話しはじめたら?」

外された方は、仲間外れをされた気分になったり、
孤独感を味わったりするでしょう。

また、この映像では取り上げられていませんでしたが、

AさんがBさんに話した
たとえば「昨日、AKB劇場に行ったんだぜ」という話を、
BさんがAさんに「昨日、AKB劇場に行ったんだね」と返さずに、
BさんがCさんに「あいつ、昨日、AKB観に行ったらしいぜ」と
ペラペラ他人に話しちゃう人に
Aさんはまた次もキャッチボールしたい気分になるでしょうか!?

では、次に、こういうケースではどうでしょう。

相手が会話を受取る意思がなく
背中を向けている状態なのに
後ろから「おい! 俺の話聞けよ!」と
相手の背中にいくらボールをぶつけても
相手の心には届きません。

会話をキャッチする意思が相手にはないのですから・・・。

実はこの状態は桜井一紀さんとの
キャッチボールの体験で実際に私は体験しました。

桜井一紀さんから「木村さん、ちょっと後ろ向いてくれる」と言われ、
僕が後ろ向いた状態になって、桜井一紀さんが
キャッチボールのモデルになっている僕に対して
ちょっとゴメンねと言いながら、
僕の背中にボールをぶつけながら
『「俺の話聞けよ」という人って見かけますが、
相手はこの言葉を受け取れているのでしょうか?』となり、

僕はこの体験をしながら

「このコミュニケーション、俺や!!!」

と猛省することになったわけです。

むかし、仕事を適当にやる人に
「みんなあっちで一生懸命やっているのに、
なんでお前はいまやる必要がない所にいるんだよ」と言ったら、
「いいだろ・・・」と言いながら逃げようとするから、
後ろの襟元を掴んで「ふざけんなよ、お前!!!」と
激怒したことなどありますが、
相手には何も響いていなかったということです。

ですから、相手に自分の話を聴いてもらうには
キャッチボールのような
コミュニケーションの質が求められます。

さて、最初に観たキャッチボールの映像を
思い出してください。

相手が話しているときは
自分はキャッチする側です。

ところが日常でよく見かけるのは、
相手が話している最中に
自分が次に何を話そうか考えている人っていませんか?

そういう人は相手の声は聞こえてはいるけど、
きちんと聴けてはいません。

ここで
“聞く”、“聴く”、“訊く”という漢字がありますが、

聞くは、たとえば雨が降って雨音が耳に入ってきたり、
電車に乗っていて
赤ちゃんの泣き声や隣の人たちの会話が
自分の意思に関係なく勝手に耳に入ってきた状態を
イメージしていただければいいでしょう。

では次に聴くですが、“聴”という漢字は、
耳(みみへん)、+(プラス)、目と、心から成り立っている通り
耳と目と心で相手のお話を聴きましょうということです。

そして訊くは、たとえば刑事ドラマなどで刑事が犯人に対して
『お前がやったんだろ! 証拠も挙がっている、答えろ!』というような
訊問(尋問)の時などに使います。

ですから、相手の話をきくときは
キャッチすることに集中し
“聴く”姿勢が大切になってきます。

ちょっいネタでした・・・。
さて、本題に戻して、

たとえばHKT48に、なこみくという
“なこちゃん”こと矢吹奈子ちゃんと、
“みくりん”こと田中美久ちゃんという中学生がいます。

この2人にたとえば“マー君”こと田中将大投手が
150kmぐらいの豪速球を投げたら
どうなるでしょうか?

きっと2人にとっては
殺人ボールのような恐怖心を感じるでしょう。

ですから、相手が受取りやすい緩やかなボールを、
相手が受け取りやすい所へ投げるのが
ここでいうキャッチボールになります。

実は、余談ですが、こういうSNS上に書く場合、
けっこうひらがなを使った方が
相手にはやわらかい言葉として
受取りやすいかなぁ~と
僕はひらがなを意識的に使ったりしています。

あと、映像を思い出せば、
適度な距離間が保たれたり
対等な関係でもありましたね。

そういうことも考えながら
またこの人とキャッチボールしたいと
相手に思わせるにはどういう工夫が必要でしょうか!?

笑顔が絶えない人と、
ムスッとした人、
あなたはどちらの人とまた話したいですか?

話が単調な人と、
話題豊富な人では、
あなたはどちらの人とまた話したいですか?

用事があるときにしか話さない人と、
雑談にも普段から応じてくれる人、
あなたはどちらの人とまた話したいですか?

どうしたら、またこの人は僕と
キャッチボールしてくれるか?

考えることはとても大切です。

それと言葉も選ぶことも大切になってきます。

ですから
コミュニケーションには努力が必要となってくるのです。

特に自分の話を相手に届けたい場合には♪

で、私は桜井一紀さんとのキャッチボールを終えて
それまでの自分のコミュニケーションを猛省し、
コミュニケーションの質を変えて今日に至っています。

そして自分のコミュニケーションの質を変えたら、
返報性の法則が働くのでしょうか、
相手のコミュニケーションも変わってくるケースはよくありました。

ですが、いくら、僕が
良質なコミュニケーションを心がけても、
上司などは俺に合わせるのが当然だろと言わんばかりに
僕がいくら上司へ受け取りやすいボールを投げても、
無視されたり、受け取り難い捻くれたようなボールを
投げてくる人もいました(笑)

まぁ、一応、それでも相手は上司ですから、
僕も数か月は耐えて付き合いますが、
いくら僕が努力して頑張っても
相手が変わらなければ、
相手はそういう人と諦めて、その人とだけは
僕も少し適当な会話を行ったりもしましたが・・・。
(本来、こういう行為は
紳士的ではないので本来はしたくは無い行為ですが、
私も人間なんで限度がありますから・・・)

今回『良質なコミュニケーションを目指して』というタイトルで
何回かに分けて取り上げてきているのも、
閉塞感の漂う世の中で
人間の心も乱れてきている人も多く
ドッヂボールのように、
ぶつけ合うようなコミュニケーションが横行する社会に
少しでも歯止めをかけられ是正の方向へ
向かっていけたらという思いから書いています。

ただ、すべての場面で
キャッチボールを意識して欲しいと
私は言っているのではありません。

たとえば、テレビを観ていると
“さっしー”こと指原莉乃さんを例にすると、
彼女は頭の回転が速いので、人の話に割り込んで、
会話を取られた人から
「あなたに話してない」と言われることもたまにありますが、
バラエティは笑わせてなんぼの世界だと
私は思っていますから、
バラエティとかならキャッチボールに
拘る必要はないと私は思うのです。

たとえば相手の話を
しっかり聴いてなんて時間をかけて
のんびり会話をしていたら
面白くもないし見る方は呆れて
チャンネルを替える人も出てきますから
テンポよく面白い会話にしていく必要もありますからね・・・。

また、日常の会話で、女性同士ですと
矢継ぎ早のマシンガントークもあったりします。

これもお互いにとって
良好なコミュニケーションが取れていて問題がなければ
変える必要もないでしょう。

なので、私も何が何でも
キャッチボールのような
コミュニケーションといっているわけではなく、
TPOに合わせたコミュニケーションをすれば
いいのではというスタンスではいます。

私も過去に仕事上で、たとえば、
10分で資料を差し替えないといけない場面で
人に指示するときは時間的に余裕がないので
命令口調になったりするケースもありました。

まぁ~、その場合は
あとで、こういう事情で命令口調になってしまって
ゴメンね、とフォローは入れましたが・・・。

最後に、もう少し話題を変えて、
いまの時代は、SNSで芸能人や有名人と
コミュニケーションが簡単にできる時代ですが、
1人に返信してしまうと、
あの人には返信して、僕にはなんで返信してこないのと
混乱になるのを避けて一切返信しない人もいますし、
それぞれの事情がありますから、
芸能人や有名人とコミュニケーションを図る場合、
レスを期待するのは避けた方が無難でしょう。

それでも、こちら側が
芸能人や有名人に言葉をかける場合は
相手に失礼がない程度にする方が賢明といえるでしょう。

さて、アンソニー・ロビンズ氏も
コミュニケーションは力である。
現代では、『人生の質=コミュニケーション力』なのである。

と、仰っています。

これを機に
自分のコミュニケーションを見つめ直してみては
いかがでしょうか!?

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