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東南アジアのスタートアップニュース【18年12月第4週】

こんにちは、三上蒼太(@sota_mikami)です。
東南アジアのスタートアップ情報を日々チェックしています。

先週(2018年12月24日~12月30日)に報道された、注目すべきASEAN Tech Newsをピックアップします。

本記事では、6個のニュースをピックアップしました。

◯マレーシアの生鮮食品ECがクラウドファンディングでUS$275Kを資金調達
◯AIによる暗号通貨の取引予想サービス「Spiking」がITO完了
◯建設業界のデジタル化支援「Novade」が政府機関などから資金調達
◯シンガポールの大手銀行OCBCがオンライン遺言サービスを開始
◯シンガポールのe-scooterスタートアップがUS$150Mの資金調達
◯ベトナムのタクシー会社「Vinasun」とGrabの裁判が終了。Grab敗訴


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マレーシアの生鮮食品ECがクラウドファンディングでUS$275Kを資金調達

https://e27.co/malaysias-fresh-at-heart-raises-us275k-crowdfunding-ata-plus-20181224/

マレーシアの生鮮食品EC「Fresh At Heart」は、マレーシアのクラウドファンディングサイト「Ata Plus」を活用し資金調達を実施しました。

本記事のポイントは以下
・Fresh At Heartは、サプライチェーンを排除して生産者と消費者を直接結びつけるプラットフォーム
・2016年にローンチし、すでに3万人以上のユーザーを抱える
・クラファン調達金額は、目標の143%に達した
・毎日ジョホール地域から食品を出荷し、顧客の家までデリバリーあるいは国内の主要店舗で受け取れる仕組みを構築している


AIによる暗号通貨の取引予想サービス「Spiking」がITO完了

シンガポールのスタートアップ「Spiking」がITO(Initial Token Offerings)でUS$32Mを調達しました。

本記事のポイントは以下
・SpikingはAIアルゴリズムを用いて世界中の株価のチャート予測を配信しているトレーダー向きアプリケーション
・ユーザーは18万人以上
・サブスクライブ登録することで、より詳細な予測をみることができるになる
・現在、AIアルゴリズムを用いた暗号通貨のチャート予想をするためのシステムを開発中
・その開発費としてITOによる資金調達を実施した

Spikingの詳細、WhitePaperはこちら


建設業界のデジタル化支援「Novade」が政府機関などから資金調達

シンガポールのCon-Tech「Novade」が金額非公開で資金調達を実施しました。

本記事のポイントは以下
・Novadeは建設現場用のソフトウェアを提供している企業
・SEEDS CapitalとWavemakerが参加
・SEEDS Capitalはシンガポールの産業省直下の認定VC
・Wavemakerは2003年からシンガポールで投資を行なっている老舗のVC
・かなり大人なスタートアップで、大きな期待を背負った調達と言える
・得た資金は、機械学習とデータ分析のための開発に使用するとのこと


シンガポールの大手銀行OCBCがオンライン遺言サービスを開始

シンガポールの地場3大銀行の1つOCBGがオンライン遺言サービスを発表しました。

本記事のポイントは以下
・昨年OCBCが高齢者200名にアンケートを行なった結果、3人に1人の割合で遺言を残すという行為のニーズを発見した
・本来なら弁護士による準備と立証が必要だが、それをオンラインで無料でできるようにする
・遺産の受取人ではない証人を2人用意することで遺言として認められる
・日本ほど深刻ではないものの、実は東南アジアでも高齢化は進んでいる

参考:ASEAN諸国における高齢化の進展


シンガポールのe-scooterスタートアップがUS$150Mの資金調達

二輪車版テスラとも呼ばれる「EuroSports Technologies(EST)」がその親会社「EuroSportsGlobal(ESG)」から資金調達を実施しました。

本記事のポイントは以下
・ESTはESGの子会社で、フル電動の二輪車を開発している
・排気ガスが出ないため、東南アジアの大気汚染問題を解決するプロダクト
・東南アジアにおける中低所得者の早期死亡原因は、その88%が大気汚染に起因するとWHOは発表している
・この領域はHONDAやYAMAHAの他、日本のテラモーターズというスタートアップも以前より頑張っている
・ただ、東南アジアの人たちにとってはその値段が高かった
・ESTは安価な価格での提供を目指している


ベトナムのタクシー会社「Vinasun」とGrabの裁判が終了。Grab敗訴

Grabがベトナムのタクシー業界の売り上げに多大な損害を与えたとしてタクシー会社のVinasunが起こしていた裁判は、Grabの敗訴という結論となりました。賠償請求額はUS$208K。

本記事のポイントは以下
・18ヶ月の長い裁判が一時終結
・VinasunはGrabの市場参入による損失の一部としてUS$1.8Mの賠償を要求していたが、GrabだけがVinasunの売上減の要因とは言えないとし、賠償命令は 1.8M→208K に
・Grabは控訴予定
・Vinasunから「根拠のない主張」の撤回がない限り、Grabは名誉毀損の訴えを起こす準備もしているとのこと
・Grabのベトナムカントリーヘッドは「ベトナムにおける技術と外国投資における非常に残念な日。イノベーションが良しとされていない」とコメント


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