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東南アジアのスタートアップニュース【18年11月第2週】

こんにちは、三上蒼太(@sota_mikami)です。
東南アジアのスタートアップ情報を日々チェックしています。

先週(2018年11月4日~11月10日)に報道された、注目すべきASEAN Tech Newsをピックアップします。

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ベトジェットがA321neoを6.5B USDで50機追加発注

今やベトジェットは一流企業。
ベトナム発のLCCであるこの会社は、シンガポール航空に次いでASEAN圏内における航空会社の時価総額ランキングで2位です。代表のグエン・ティ・ホン・タオ氏は、ベトナム初の女性の億万長者と言われています。

そんなベトジェットですが、売り上げベースで見るとタイ国際航空やフィリピン航空にかなり遅れをとっています。
ベトジェットは追加で航空機を発注することで、競争力を高める算段です。


ベトナムでサイバーセキュリティの法案が成立見込み!?

サイバーセキュリティや著作権などという言葉には到底疎い(一応、著作権法はある)ベトナム。ベトナムに限った話ではありませんが。
そンなところにこのニュース。

いまだに『発展途上国』と言われる国ですが、どんどん進歩しています。


EIUレポートで、ASEAN各国のEC利用頻度が判明

調査の結果、ベトナムのEC利用率がASEANでもっとも高いことがわかったよという話。
レポートの内容は、記事内リンクから飛んでDLできます。


インドネシアでLINEがネット銀行参入

LINEはほんとに恐ろしい企業ですね..
(聞くところによると新卒給与が50万スタートとか..23歳で年収600万..えぇ..)

現在LINEが進出している国は、スペイン、韓国、日本、タイ、台湾、インドネシア、アメリカ。(HP情報より)
どんどん東南アジアでの存在感を高めています。

※バンコクで働く知人談では、採用候補者面談の際に『LINEから調達をした』というと反応がかなり良くなるそうです。

※また、LINEは「LINE Technology Vietnam Co., Ltd」という名前でベトナムに開発拠点を作っているようです。実際、すでにベトナム人でLINEを使っている人も少なからずいます。こちらへの進出も秒読みかもしれませんね。


ミャンマーに新しい投資ファンドが登場

ミャンマーに新しいファンドが設立されたのですが、興味深いのがこちらの創設者さんが日本人であるということ。
ファンド規模は3M USD弱。1年で5~7社に、50K~200K USDを投資していく方針だそうです。

そしてアニメ制作会社と、中古車売買プラットフォームにすでに投資を実行済。
まだまだITの市場は未成熟も良いところなミャンマーですが、その分これからの伸びしろは明らかで、注目したい動きです。



Grabが韓国No1の自動車メーカー ヒュンダイと、No2 キアから合計US$250Mを調達


Grabがタイのカシコン銀行から約57億円の調達

Grabが2日に渡って調達のニュースを出しました。

ライバルGojekとの競争のためはもちろん、規制当局からの罰金でGrabは資金的に苦しい状況だといいます。
先月にはMicrosoftやBookingHoldingsからも調達を発表していて、Grabにとっては現在シリーズHというお化けファイナンス。

多角的かつ戦略的で順調な動きに見えるGojekと比較すると、Grabはもたついている感が否めません。

今回の韓国自動車メーカーからの調達では、GrabはヒュンダイとキアのシンガポールでのEV事業への協力を。カシコン銀行からの投資に関しては、一緒に決済サービスを開始する、と。
単純な成長を期待されての投資はもう難しくなっていて、具体的かつ戦略的な業務提携込みでの調達しかできなくなっているようにも見えます。

東南アジアスタートアップの王者と言われているGrabです。ライバルたちとどう戦うのか、そして己の体力がどこまで持つのか。要注目です。


シンガポールの電力P2Pマーケットプレイス「Electrify」が、東京電力から資金調達

Electrifyはブロックチェーン技術に明るく、過去にはICOで30億円集めている企業です。
ブロックチェーン×エネルギー(特に、電力)は期待すべきとしばしば取り上げられる組み合わせです。

どうグロースしていくのか、楽しみです。

ボストンのVCが東南アジア進出

ファンド規模は50M USD。
3年で10~15社に、2~5M USDを投資していく方針とのこと。

欧州からASEAN市場への参入。
東南アジア現地に行くと、すでにこのマーケットには多くの欧米人が参入していることが体感できます。
日本人が東南アジア市場で戦うにおいてもっとも恐るべきが中国なのは言うまでもないですが、それでもビジネス上手な欧米人のことも無視はできません。
東南アジアは少なくとも向こう10年は伸び続ける市場なので、今後もこのように、ファンドがやってくる事例も増えると考えられます。


シンガポール版Angel Listの「Fundnel」がマレーシア向けのファンドを結成

投資のプラットフォームそのものが投資する立場になっちゃったそうです。すごい。


カンボジアのFintechスタートアップ「Clik」が欧米VCからUS$2Mを資金調達

このニュースめちゃくちゃおもしろいんです。

『パーソナライズされたオンライン決済の体験』を提供する予定のカンボジアのFintech企業がシードにしては大型の資金調達ニュースです。
『まだリリース前』で、『カンボジア企業』が、『億円規模の調達』です。

びっくりしました。かなり期待されてるのは明らかですね。すごく気になります。


インドネシアのキュレーションメディアDailySocialがEスポーツ特化のニュースプラットフォーム「Htbrid」提供開始

タイトルの通りです。
日本はEスポーツ産業においてかなり遅れをとっている国。

ただASEAN諸国ではEスポーツチームが国の英雄のように扱われている例などもあり、熱気があります。

今回立ち上がったEスポーツメディアのHybridはこちら(まだベータ版ですね)


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