ヲタクになれない君へ


**「ヲタクになりたい。」 **
と、思ったことはあるだろうか。


「何が好きなの?」

そう聞かれる時、わたしはいつも、
少しドキっとしてしまう。

好きなことは山ほどある。

旅行、音楽鑑賞、映画鑑賞、身体を動かすこと、大好きな人たちとお酒を飲むこと、犬と戯れること、人との会話、新しい出会い……。


けれど、自分の"スキ"が、「スキ、というのに充分なのか」なんて考えてしまうことがしばしばあるのだ。

馬鹿馬鹿しい悩みかもしれない。

好きなものは好きなのに、
他人と度合いを比べる必要なんてない。

他人が同じようなことを口走っていたら私は、そう言って比べて気にする必要なんて無いよ、と言うだろう。


だけれど、周りを見渡すと

音楽に関してならいくらでも語れる!
このメロディや楽器の入り方が〜

とか

映画は年間500本くらい観る。
あのシーンの、あの女優の表情が〜

とか

自分には、歌がある。

とか。

「あの人に◯◯を語らせたら止まらない」
「あの人には◯◯があるじゃん」

みたいな、突出した専門知識や深みのある解釈、特技を持っている人、つまり「ヲタク」が心底カッコ良く見えるものだ。


すごいなあ、勉強になるなあ、
なんて彼らの話を聞きながら


羨望の眼を相手に、そして疑問の念を自身に、向けられずにはいられなくなる時がある。


自分は、何かに対してこれだけ熱を帯びた話が出来るかな?と考えてしまうように。

こんな人たちを目の前にして、わたしの「映画を観るのがすき」なんて通用するんだろうか?と、黙ってしまうように。



近年、SNSによる発信の場が多く設けられたことで、自分の得意なこと、好きなことを仕事にする人が増えていて、そういったSNSの戦場では、"個人"というものにフォーカスが当てられるようになっている。


他の人と自分をどう差別化が出来るか、
自分にだけしか出来ないことは何か。


こういったことを追い求める風潮が肥大化し、会社に属さずに個人で何かをやり遂げる人が周りに多ければ多いほど「自分には何もない。」なんて思い悩む人も増加しているように感じる。


だけどそんな「ヲタクになれない君」が感じる
「自分には何もない」は、本当だろうか?

きっと、何かに関して人と比べているうちは、君は永遠に何者かにはなれない。


だって、世界には何億何千と数え切れないほどの人間がいて、上には上がいる。

自分よりピアノが上手な人だって
自分より体重が軽い人だって、
自分より多くの国を訪れている人だって
自分より頭の回転が早い人だって
自分より話しがうまい人だって

そりゃあもちろん存在する。

だけど、自分より〜なんて、考えてたら、極論、何かで世界1を取った人以外全員が、何者でもなくなっちゃう。

だから、ヲタクになれないと嘆く君には

「これが人より出来るから」ではなく
「これをしている時の自分がすきだから」

を探していく方がきっと、合ってる。

そうやって自分を輝かせる場所を、自分を落ち着かせる場所を、そして悩み潰れてしまわないように自分を守る場所を、つくっていけたら。



ヲタクになれない君といつかの自分へ

#エッセイ #コラム #ヲタク #SNS #個人 #幸福論


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3

Karen.

旅がすき。人がすき。文章もすき。心が温かくなる文章が書けたら良いな。
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