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傷口から溢れた血はどこへいく〜2.傷〜

放置された傷はどうなる?

膿む。膿んでぐじゅぐじゅになる。
生憎にも絆創膏を貼られなかった、貼ることができなかったその生傷は化膿して爛れて、そして終いには痛みさえも感じなくなる。

そこに痛みをまた加えてもきっと最初に負った傷ほど痛まない。


それはラッキーなことなのか、
果たしてアンラッキーなのか。

私的にはきっとそうやって傷を繰り返すたび、短い目で見た時はラッキーだと感じる。
だって、負った時、負ってから数日はそんなに痛くないんだから。

でも、
長い目でみたら、痛みに鈍感になり、自分の痛みさえ気付かず、傷ついていることも、苦しみにも気付かず、きっとそうやっていくうちに死さえも恐れなくなってしまう人間が完成してしまうのではないかと思うとアンラッキーに感じる。


どう思うのが
世間一般で言う
“まとも” なのであろうか。

世間一般的にはどう考えたってきっと
後者であろう。
根本的に、生傷を放置すること自体馬鹿げている。何かしらの対処をしろ、そう思う。
だが、
その何かしらの対処をできない理由だってあるのである。時と場合によれば。


誰もが自分の痛みや苦しみに
敏感なわけではない。
誰もが誰かが放ったナイフに
傷つけられるわけでない。

すなわち、逆も然り。

自分の痛みや苦しみに鈍感な人もいる。
そのくせ、他人が放ったナイフに自分からあたりにいくかのように傷つく人もいる。


石ころで転んだだけで
泣き叫ぶ人もいれば、
トラックにぶつかって頭から血を流しても
平然として笑ってる人だっている。

心の見えない傷って
こうゆうもんじゃないだろうか。

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