ラジオとぼく

ぼくがラジオと出会ったのは中学2年生のとき。家のパソコンでネットサーフィン中にたまたま見つけたニッポン放送の『オールナイトニッポンいいネ!』の番組ホームページがきっかけだった。当時はかなり珍しいストリーミング配信をしていた番組で、何の気なしに聴いてみたが最後、未知の世界にすぐのめり込んだ。

それから平日の22時になるとパソコンを立ち上げてストリーミング配信を聴くという日々が始まった。内容も中高生向けでドンピシャだったし、毎日パーソナリティが変わるのでそれぞれの色が出るところも好きだった。ネタコーナーに投稿して読まれたときの高揚感はそれまでの学生生活では得られない特別なものだった。こうしてラジオに対する興味がマックスに到達したぼくは、その年の誕生日プレゼントにポータブルラジオがほしいと親にねだった。

ポータブルラジオを手に入れた初日、僕は部屋の電気を消してベッドに潜り込み『オールナイトニッポンいいネ!』を聴いた。パソコンで流していたときとは違い、暗闇の中イヤホンから直接入ってくる声はさらなる臨場感を与え、みんなが知らない秘密の世界に招待してもらえたような気がした。

違いはそれだけじゃなかった。番組終了後、
ストリーミング配信ではそこから先は聴けなくなるが、ラジオではそのまま放送が流れ続ける。そこで始まったのがくりぃむしちゅー上田さんがパーソナリティを務める『知ってる?24時。』だった。

それまでのテレビやラジオでは体験したことのないおもしろをこれでもかというくらい浴びせられ、一気に上田さんの虜になった。そして番組を毎日聴いているうちにぼくはいつしか「上田さんみたいになりたい」と思うようになり、芸人を志した。あの日ラジオで上田さんの声を聴いてなかったら、違う人生を歩んでいたかもしれない。

芸人になって6年の月日が経つが、今のところ上田さんのようになれる気配はまったくない。でも同じ職業につけてるので満足だ。

そして来たる8月6日、ぼくのラジオ人生の原点となったニッポン放送で番組をやらせていただくことになった。時間はなんと24時から。偶然にもあのとき上田さんが番組をやっていた時間だ。あの日ポータブルラジオを握りしめた中学生のぼくに伝えたい。

きみは将来上田さんと同じ放送局、同じ時間に番組をやらせてもらうことになるよ。

そして同じブースには

スポブラの女性もいるよ、って。

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