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『ナガコが見た! 日本のMVの歴史』というコラムをNOTEで始めたいと思っている件

24才の頃に初めてMVの制作現場に足を踏み入れてから、早20年。その間、MVの上映展に携わったり、MV専門ライターになったり、映像クリエイターが集うサロンイベント「スナック永子」を主催したり、日本のMVの監督別ストリーミングサイト「TOKYO VIDEO MAGAZINE VIS」の編集長を勤めたりと、MVカルチャーを体を張って支援する活動を行なってきたわたくしですが、数年前からそんな自分の経験を綴ったコラムを書籍化したいと思っておりまして。

というのも、日本のMVはニーズも人気もあるにも関わらず、その独特なドメスティック音楽産業の副産物としての成り立ちや時代の変遷にまつわる専門的な考察および公的記録がほとんどない。自分はその歴史のすべてを知る者ではないが、そもそもMVライターになろうと思った動機が「MVは作り手しかいない。第三者としての冷静な観察眼を持つ専門的な記録者や批評者がいない」。誰もやらないなら私がやると決意し、MVライターを名乗って独立したのが28才の頃でした。

以降、日本のMVシーンとともに濃密な時間を過ごし、だからこその反動で嫌われたりうんざりしたりといった通り一遍の体験もした自らのドキュメントを有り体に記そうと思ったのですが、いざ書き出そうとするとそこそこ違和感を覚えまして。自分目線の体験談よりも、徹底的な調査結果を透明な俯瞰によって記すいわゆる『歴史書』の方が、時代や読者の皆さんのニーズに合っているのではないか。私個人の瑣末な話より、先輩方や映像制作者のみなさまに改めて取材させていただいた結果を整理する書籍を目指す方が、より多くの人々の興味を引くのではないか。

いろいろと試行錯誤しながら、一昨年の秋にはLOFT9さんで『スナック永子が見た! 日本のMVの歴史』というタイトルのトークイベントを行い、様々なベクトルでMVに携わる方々とその歴史を振り返らせていただきました。そのトークを軸に、70年代から現在に到るまでの音楽映像の系譜や作品性の推移などをあらかたまとめた企画書を昨年の今頃に用意し、執筆を開始したところ、自分が所有しているのは自分目線の体験談のみで、学術的な知識および説得力が圧倒的に足りないことを痛感いたしました。武蔵野美術大学の映像学科を卒業している身の上で、改めて映像そのものの文化史について勉強し直さなければならないような無知と遭遇し、自分に透明な史実は書けない、自分目線のずっこけ体験談コラムしか書けないと痛感しました。

そして件のずっこけ体験談コラムをよちよち記す中で、とはいえやはり確かな情報は必要なので、リサーチしたり勉強したり。書いては消し、消しては書き、文献を読み、主客の視点の表現に迷い、PCが故障してデータが全部ぶっ飛び、泣きながら書き直し、といった諸々の段階を通過した現在、結局『はじめに』までしか整っていないっていう……

おそらく私は、〆切および編集者さん等に追い込まれないと何もできない甘ったれた執筆者なのでしょう。初めてエッセイ集『女の解体』を上梓した時も、その大元となったmessyでの週一コラムおよび書籍化原稿の〆切も編集担当のウサ子様がしっかりとっちめてくださったおかげさまでなんとか実行できたのです。そんな私だから、この『日本のMVの歴史』についても興味を持っていただける様々な媒体のみなさまおよび編集者の方々に、アドバイスおよびアシストをいただけたら嬉しいなと思う今日この頃です。ネタは豊富にありますので、こいつに連載のチャンスを与えてやろうと思っていただける媒体&編集者の方々は是非ともにご連絡いただければ幸いです。

それが難しければ、このnoteで週一更新でやってみようかとも思っています。その際、有料チャレンジしてみたいのですが、いかがでしょうか。若い方々には無料で参照してもらえる有益な資料をお渡ししたいのですが、マネタイズは重要ですよね。とはいえ、その際はどのくらいの文量でいくらを設定すればいいのか。noteで有料にするよりも他媒体で仕事として執筆して報酬を得る方がいいのか。正解がわからないまま考えあぐねているわたくしですが、自力で考えることには限界があるので、みなさまのご意見を伺えたら超嬉しいなと勝手ながら思いました。『ナガコが見た! 日本のMVの歴史』の発表の仕方にご意見いただけたら幸いです。アドバイス何卒よろしくお願い申し上げます。


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