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【大津 琵琶湖ロケハン・シナハンツアー】 

結論からいいます。滋賀、最高。

「ロケーション ジャパン」誌の母体である地域活性プランニング社さんのお声がけにより、びわ湖大津プリンスホテルさん主催の【大津・琵琶湖ロケハンツアー】にコーディネーターとして参加させていただきました!

「ロケーションジャパン」では「MVの舞台裏」というインタビュー記事を担当しております。

2022年10月には西伊豆町ロケハンツアーに参加させていただきました。

この度はびわ湖大津プリンスホテルさんによる【大津・琵琶湖ロケハンツアー】が開催されるとのことで、西伊豆でもご一緒したP.I.C.S.の小浜元プロデューサーと、LDH関連のMV『HiGH&LOW』シリーズ、映画『ゴールデン・カムイ』も大人気の久保茂昭監督とともに参加させていただきました!

以下、1泊2日のツアーレポート。


【3月26日】

新幹線で11時過ぎに京都駅着。乗り換えてたったの10分で大津。京都からこんなに近いなんて知らなかった! 距離感に驚く。その後、お迎えに来てくださったお車でびわ湖大津プリンスホテルさんへ。

◉びわ湖大津プリンスホテル

あいにくの雨模様、とはいえ絶景! さすが、びわ湖の特等席。湖面に開かれた客室はどの部屋からもびわ湖を臨める設計となっております。そして36階の和食 清水さんで、身に余る光栄のゴージャスランチを。

午後、晴れてきた。ホテル内を視察。大きなホールやプールに加え、一般公開されていない施設も見学させていただく。


安楽律院

プリンスホテルから約1時間のドライブ。比叡山の鬼門を守る叡山三魔所の一つ「飯室谷(いむろだに)」エリアへ。湖畔から比叡山へと向かう道中にて、景色ががらっと変わる。石垣が特徴的で、さらに樹々の強さと水の勢いに感動。琵琶湖周辺だけに、とんでもない水のエネルギーを感じます。雨と風もある日だったからか余計に、鬱蒼と生い茂る林や苔むした石段・石塔などの「緑と水と石の歴史のパワー」を感じました。

さらに歩いて、本堂が火災で焼失してしまった廃寺「安楽律院」跡地へ。静謐な霊廟。寂寞とした雰囲気の中に先人の念が鮮やかに漂っていそうなパワースポット。ご住職が歴史について教えてくださいました。

映画やドラマにも使われているロケーションだそうですが、ロケ地として使用するのみならず、この場にミュージシャンやアーティストをお連れして、インスパイアされた曲やアート作品をつくり、発表する、というプログレッシブな順番をたどるドキュメンタリーを撮りたいと思いましたよ。ここから生まれるアートが見たい。そんなとても強い"場"です。


琵琶湖疎水(大津市)

日本遺産の人口運河、琵琶湖疏水の滋賀県側の大津市観音寺の第一トンネルへ。ここから京都側の琵琶湖疎水(南禅寺)へと辿り着くらしい。ロマン!

三井寺

琵琶湖疏水の目前にある三井寺へ。琵琶湖南西の天台寺門宗の総本山。こちらもお坊様にご案内いただきました。

本堂の仏像がすべて素晴らしかった(撮影禁止)。特にお地蔵さま、一目見た瞬間に体中の力が抜けて崩れ落ちそうになるくらい癒されました。菩薩も表情が素敵。はまるかも。そして観月舞台。鐘もつかせていただきました。

運命という名の偶然の出会い。三井寺の金堂に接する閼伽井屋の軒下に、江戸の名工 左甚五郎作とされる龍神の彫刻が。超絶技巧によって生命を吹きこまれた龍が夜ごとびわ湖で暴れたために、甚五郎自ら龍の目玉に五寸釘を打ち込んで鎮めた伝説が残されている、と聞いて。

左甚五郎といえば、大好きなアーティスト川村真司さんの長編ストップモーションアニメーション『HIDARI』の主人公! 三井寺には予備知識ゼロで視察に伺いましたが、ここでHIDARIと会えて嬉しかったし、ご縁を感じました。特にね、辰年に龍に会えちゃったから縁起物というわけで。また見返しています『HIDARI』

https://twitter.com/snacknagako/status/1772554116151251135


◉再び びわ湖大津プリンスホテル

びわ湖大津プリンスホテルへ。営業中で視察できなかったレストランやお部屋のご案内。改めて眺める景色がまた素晴らしい。特等席!

宿泊させていただくお部屋にご案内いただきました。身に余る光栄なゴージャスレイクビュー。実は私、重度の高所恐怖症なのですが、素晴らしい景観にリラックス没入。見入ってしまいながら、思わずビールを!

◉ボーセジュール

ディーナーは38階のフランス料理 ボーセジュール にて、坂田知昭シェフによるアメイジングな趣向を凝らした近江牛づくしのフルコース! 痺れた!

最高でした。バーにもお邪魔いたしまして、至福のハイボールとナイトタイムレイクビューを堪能いたしました。感無量。

【3月27日】

ぐっすり眠って6時半起床。

朝ごはんのバイキング。もう何年ぶりかの朝ごはん。夢みたいに最高。

最後に再び施設内を視察させていただき、プリンスホテルさんとはお別れです。誠にありがとうございました!

◉宇曽川渓谷

その後、琵琶湖の南に位置するプリンスホテルの東側から北上し、宇曽川渓谷へ。水の勢いが素晴らしすぎて、全員で大盛り上がり! まさしく迸る!

豊郷小学校旧校舎群

その後、豊郷小学校旧校舎群へ。昭和12年に建築された有形文化財。象徴である「ウサギと亀」が随所に散りばめられている建物は、カトリックの雰囲気が残りつつ、16歳の頃に短期留学したニュージーランドのような淡々とした理路整然さもある(個人観)、不思議な引き算の白亜の建物でした。

現在は、町立図書館や子育て支援センターがある複合施設であり、その他の教室も見学自由。音楽室は大人気アニメ『けいおん!』の聖地としてファンの方々がたくさん訪れています。

そして素晴らしい講堂を拝見したのですが、あまりにも素晴らしすぎて写真をあげるのをやめます。足を運ばせていただいたからこそ、小浜プロデューサー、久保監督、ぜひ素晴らしい作品をここで撮ってください!

◉八若道洋

ここで、少しプライベートなお話を。

豊郷小学校旧校舎群に向かう道すがら、田んぼ道を突っ切る光景に差し掛かった時に、「あれ、わたしこの辺り来たことある?」と既視感を覚えて。このきっちり区画整理されている田んぼを突っ切る道。そしてデザインのレイヤーのように層を重ねる山並みや、古くからの建物に見受ける垂直並行の綺麗なデザイン感を車窓より眺めて、記憶が蘇る。

「あ、八若だ!」

八若とは、私が20代の頃に勤めていた音楽映像プロダクションSEPに所属していた映像クリエイターの八若道洋。2000年前後に、現在よりも壮絶な時間と労力を要したCGやデジタルクリエイティブを駆使した作風で、MV・タイトルパックのモーションデザインを手掛けていた作家です。

とても優秀で、洗練されていて、本人の性格も実直で、私が会社でムカついて暴れていた時にそっと背後から現れて「林さん、リラックスしてください」と囁いてごっつええ感じのDVDを差し出してくれるような優しい男でした。

残念ながら若くして亡くなりました。約20年前でしょうか。葬儀は彼の出身であるびわ湖のほとりの町のお寺で行われたのですが、最寄駅(失念!)からお寺までタクシーで向かう道すがら、きっちり区画整理されている田んぼを突っ切り、山並みのレイヤー感や建物の垂直並行のデザイン感を車窓より眺めて、「環境がめちゃくちゃデザインだ。ここが八若の感性やセンスを育てたのかも」と考えて。

葬儀は、宗派は分かりませんが、荘厳な読経ととてもカラフルな装飾が印象的で、そんなところもまた八若っぽいと、作品に重ねて思ったり。そしてこの度、既視感のある田んぼを突っ切って、思わず叫んだんです「わたし、ここに来たことがある!」と。

八若!!!
絶対にこの辺り、八若の葬式で行ったところだぞ! 
おーい、八若!!!
呼んでくれたんかい!!!
届いているか、八若!!!
いまも君の作品大好きだぞ!!!

◉江北図書館

びわ湖を北上して、江北図書館へ。本が大好きなので大興奮。お宝いっぱい。布の表紙ってやっぱりいいよね。愛おしい。

福田屋

お昼ご飯は館長さんおすすめの福田屋さんで鍋焼きうどんを! なんという渋いお姿!めちゃくちゃ美味しかったです🫶

メタセコイア並木

2.4kmにわたるメタセコイア約500本の長大な「メタセコイア並木」圧巻!メタセコイア1本のコピーアンドペースト。とてもデザイン的な光景。

八若ーーー!!!


白鬚神社

その後、白鬚神社へ。湖畔ドライブからの景色が素晴らしい。

琵琶湖大橋

びわ湖の湖東と湖西をつなぐ唯一の橋。監督のご発声「止められます?」。みなさん「無理です」。ですよね〜! 道の駅でお買い物。お野菜いっぱい買い込みました。

◉琵琶湖疏水 南禅寺

最後に琵琶湖疏水の京都側の南禅寺、アーチ橋を視察。

観光客の長蛇の列がフジロックみたいでした。京都と滋賀、隣り合わせの県なのに、全然趣きが違う。私は滋賀の実力ありまくりなのにひっそりとしている文化胆力、好きです。私でよければ応援させてくださいませ!


【最後に】

この度、お世話になったびわ湖大津プリンスホテルのみなさま、地域活性プランニングのみなさま、本当にありがとうございました。良い経験をさせていただきました。視察させていただいたロケーションから、素晴らしい映像作品をコーディネイトできれば幸いです。

今回、あまりにも大きくて美しいびわ湖や、京都から電車で10分の大津の立地の良さ、さまざまな景勝地の素晴らしさを体験して、「どうしてこれまで滋賀の魅力について、改めて考える機会がなかったのだろう?」という素朴な疑問が浮上いたしました。

よくよくお話を聞いてみれば、近江発祥の発展的な商売や物事がたくさんあるにも関わらず、自ら特にアピールされないからか、京都・大阪のインパクトが強すぎるからか、ひっそりとしている印象で、その静かさがかえってどっしりとしていて慎み深く、上品に思えたり。

個人的な思い出も含めて、改めて滋賀を深堀したい気持ちになりました。お世話になったみなさま、ご参加くださったクリエイターのみなさま、ありがとうございました。お土産もありがとうございました。

つい先日、発表となった本屋大賞「成瀬は天下を取りに行く」の舞台も大津とのことで、多くの映画・ドラマ・映像コンテンツが滋賀から生まれ、またその誕生に携われたら幸いです。滋賀、最高!


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