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一貫性という罠 総合商社のES・面接で真に使える自己分析

「総合商社内定に効く「軸」の定め方」では、なぜESや面接で展開するストーリーにおいて、「周囲の人」の存在がそれ程重要なのかをお話ししました。

今回の記事では、過去面接官や就活生指導をした私の経験から、「具体的にご自身の人生のどの部分をどう切り取って伝えるか」、もう一歩踏み込んだ内容をお伝えしたいと思います。


面接で伝えるべきポイント

商社志望動機の落とし穴」でお伝えした様に、本来商社入社の真の動機は「ビジネスを実現するための努力を生涯し続けたいから」であるべきだ。そして「就活の軸の定め方」では、商社パーソンはどこまで行っても周囲の求める価値を理解し、届けていく姿勢と能力が求められることをお伝えしました。

ESや面接では、この2つのポイントをしっかり押さえつつ、皆さんの人生の一部を、初対面の面接官に伝えるわけなので、とても大変です。そもそも就活をするまでの20数年間の間に、とても多くのことを経験し、いろんな人に影響を受けて人生観や性格が変わってきたものと思います。

大学時代の4年間だけをとってもそうです。1年生の時はまだ高校生っぽさが残りますが、3年生にもなると見違える程大人びた考えを持ち始めます。大学生時代の数年間でどれだけ変化したかは、本人が一番理解していると思います。これだけ波のある長い人生(過去)をあたかも点であるかの様に捉え、自己PRや志望動機の裏付けとすること自体が不適切だと思います。

そもそも誰が大学生時代の経験に限定しろと言ったのでしょうか?

ストーリー発掘のコツ

私が見たほとんどのESは、大学(院)生時代のストーリーで構成されていました。皆さん三者三様で素晴らしい活動経験がありましたが、「学生時代に頑張ったこと」は、小学校以降の経験全てを含むことをご理解ください。

もちろん大学時代に全てが詰まっている人は、書きやすいでのそれでいいと思います。しかし、「この3年間だけで私自身を説明するのは無理」と思う方。これまで大学時代に限定していた思考を小学生時代にまで広げると、ご自身をさらに表現しやすくなるのではないでしょうか?

その際のコツですが、一旦一貫性を忘れてみてください。そして、小・中・高・大学とそれぞれ好きな期間で区切って、それぞれの期間に自分が励んだことを書き出してみてください。

それぞれの期間、全然違う心持ちで多様な事に注力してきたと思います。そこに一貫性はないと思います。

それでいいんです。誰も小学生の頃から一貫して同じ気持ちで同じことを取り組んでる人なんて滅多にいないと思います。15年間もあれば、周囲の人や環境が変わるので当然です。そして、就活で求められる一貫性というのはこの一貫性ではありません。

商社志望動機の落とし穴」でお伝えした、本来商社入社の真の動機、「ビジネスを実現するための努力を生涯し続けたいから」を体現するには、あなた自身がこれまでの全学生生活で共通して実践してきた、「環境の変化に応じて自分自身を変化・成長させ、期待に応えた(=周囲の人が欲しい価値を提供してきた)」ことこそアピールすべき点なのだと私は思います。

それ自体が一貫性であり、時代の流れに合わせて(先取りして)自分達のあり方を変えてきた総合商社がまさに求める資質だと私は思います。

だからこそ私が面接をしてきた際には、周囲の人たちが求めるモノを理解し、それに応えようとしてきたかを注視していたわけです。そこに、「周りがまだ認識できていない価値を気づかせた」が加わるとより良いといった具合です。

念の為、過去記事にてお見せした私のESの例を再掲します。

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私は子供の頃から継続してスポーツに取り組んできて、集団の中で自分の役割を見つけて努力してきた。

  • 小中の頃の武道では監督が投げ技の改良をすると、すぐに取り入れ、他の生徒の見本となるよう努めた。

  • 高校のチームスポーツでは突破力のあるエースが何人もいたが、仕事人が少なかったので自分は体力をつけて、その突破をサポートした。

  • 逆に大学では、前に出れるプレーヤーが少なかったので、自分は突破力を強化し、最前線でチームに貢献した。

  • 商社は全体感を持つ戦略家でありながら、状況に応じて現場で事業を推進する第一人者でもある印象。自分の過去の経験からも、そんな環境で自分の良さを活かしていきたい。

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