見出し画像

新商社パーソンの抱える期待と現実のギャップ 5年後に目指すべき姿

みなさんこんにちは。そろそろ24年4月入社に向けて内定が出始める頃でしょうか。

これまで商社志望の就活生向けに、就活準備に必要な情報をまとめた記事を書いてきましたが、今回は新商社パーソン向けに書いていきます。


夢と

総合商社に入社する志望動機は千差万別です。ただ海外で仕事がしたいという者もいれば、将来経営者になるための下積みだという者もいます。出張や駐在に行けば海外との仕事もできるし、事業会社経営に携わることだってできます。

世間のイメージ通り商社は萬屋で、カップラーメンからロケットまで幅広く事業を展開するので、真っ当な理由であれば大体なんでも当てはまります(他記事で、志望動機に盛り込む根幹の理由について解説しています)。

現実

いろんな夢を描いて入社した私でしたが、新入社員時代には、期待と現実のギャップと向き合うことになりました。

就活中には若手からグローバルにどんどん仕事を任せられ、リーダー的な役割を任されることもあるかのような話を聞いていたのに、実際には代々先輩が作り上げてきた既存の仕事をお手伝いするところから始まるわけです。そこでは、自分の考えやこれまでの経験を反映させる余地は少ないケースがほとんどで、従来の考え方を根本的に覆される「通過儀礼」が辛かったのを覚えてます。

これは、学生時代にリーダー格だった方にとっては特に堪える経験だと思います。何かを生み出すどころか、人の仕事の手伝いすらできない「様な」感覚になるからです。

でもまずは安心してください、そんなことありませんから。新人が間違えることは大枠で見れば大事な仕事です。指導する側も、その大いなる勘違いや根本的に違う価値観に触れることで、自分の視野の狭さや凝り固まった価値観に気づくきっかけを得ています。とはいえ、うまく行かないご本人としてはもどかしいでしょう。

原因究明

そこで、うまく行かない根本的な原因を分析しましょう。

他記事でも何度か触れてきた通り、商社は経済的・人的信用力が売り物です。人は自分自身の事や願いを相手が理解してくれるからこそ信頼します。分かってもらえると思えなければ疑心暗鬼になりますから。理解した上で、願いを実現してくれるからこそ、信頼感が増すわけです。

先の例に戻ってみると、「自分の考えや経験を元に事を進める」のは「相手を理解すること」と真逆の行為に気づくことができます。自分よがりになってしまっているんです。

でも上司が曖昧な指示を指示を出してくるんです!もしくは最悪の場合、無指示!

よくあります!笑 そして何度も修正させられるから腹も立つ!

けど、大事なのは相手を理解することです。なぜその上司の指示は曖昧なのでしょうか?多忙、怠慢、色々理由はあると思います。

その上司があなたに求めることはなんでしょうか?端的に言えば、何も言わずとも、滞りなく全部一人でやっといてほしいんです。

でも何も言われなきゃわかんないよ!

わかんないですよね!最初はそんなもんです。

その上司や彼ら・彼女らを取り巻く環境(同じ部署の他の同僚や上司、他部署の人、客先等)をよく観察してください。社内で人脈を作ってその人の同期や昔の同僚から話を聞くのもかなり有効です。段々とあなたの上司から降ってくる仕事やいつそれが降ってくるか見当がつく様になります。

理想の姿

みなさんご自身が商社で活躍し価値のある存在になるために、まず最初の5年間で、上司の願いを言葉通り正確に理解し、その言葉を具現化する役割を目指してはいかがでしょうか?

手足になるだけのような気がしてしまうかもしれませんが、商売・仕事の基本は相手のニーズを汲み取って価値を届けてあげることなので、誰かの手足になることが目標であることに何の間違いもありません。社長ですら株主をはじめとする社会の手足として職務を全うされているわけです。

それをやり遂げた暁には、上司にとってあなたは替えの効かない大切な存在となり、上司が作り上げる新しいプロジェクトに名前を連ねることでしょう。最初の5年間でこのサイクルを経験することで、人の思い(Pain Point)を理解し改善策を実現してあげる(=信頼を得る)、という商社が世の中に提供する信用価値創造に貢献できるわけです。

この信用価値創造を社外に適用すれば、顧客の取り巻く状況を理解し、相手の言語化しきれないニーズに応える能力につながるわけです。

次回以降の記事では、次の5年間(10年後)の目指すべき姿についてお話ししたいと思います。

この記事が参加している募集

仕事について話そう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?