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8月15日、令和最初の日本のいちばん長い日 千鳥ヶ淵 19.08.15 05:21

8月15日。今年もこの日が来た。
終戦記念日という日本にとって特別な日。

世界にとっても特別なのかと思ったら、思いの外そうでもなく、欧米的には戦艦ミズーリ上で戦争終結の調印を行った9月2日が終戦の日であり、中国台湾的には9月3日ということになっている。中台的には9月9日という説もあるらしい。ソ連の不可侵条約破りの満州侵略も戦争の一環としたいからそういうことにしたいらしいが、日本がポツダム宣言を受諾した日は14日で、国民に通告した日が15日。そりゃこの日をどうこうするのは日本くらいらいだろうけれども、それはそれで驚きだったりする事実。都合のいいときだけ国民第一なんだよなぁ。やっぱり戦艦ミズーリ上でポツダム宣言に調印した日こそ終戦の日だと思うけれども、そうすると、ソ連の攻撃を悪者化できないので、15日じゃないと行けないという日本の諸々の大人の事情。

とりあえず、日本は戦争に負けて、天皇が玉音放送で国民に敗戦を伝えたのが74年前。
あの日も暑い日だったらしいが、当然ながら生まれる以前の話。
今頃どうこう言っても仕方がないが、無駄に散った若い一兵卒に年に一度頭を下げるくらいしないと申し訳ないのではという思いで今年も千鳥ヶ淵までやってきています。

本当は、去年、平成が最後になるということでおしまいにしようかとも思ったのだけれども、令和が新しい年号に決まって、その命名が平和になるようにとの願いだと聞くと、やっぱり元年くらいは戦没を慰霊しないといけないのではという思いに。
毎年のこととはいえ、あの日と同じ熱く長い1日を迎えることにしたわけです。

そういう意味では、千鳥ヶ淵は特別なところで、春に桜を愛でる、恋人たちがボートに乗るだけが千鳥ヶ淵の存在意義ではなく、本日、お城の中の北の丸、大きな玉ねぎの下では政府主催の慰霊式典が、戦没者墓苑では厚生労働省主催の拝礼式が、そして、靖国神社では右寄りの式典が・・・と左右入り乱れての慰霊式典がこの狭いエリアで行われる場所。

北の丸への田安門や、戦没者墓苑、靖国神社とも日の出前から屈強な若い警察官により硬い守りで固められている。
あっちから、こっちから、向こうから、イデオロギーが交錯する独特な空気が流れている。


そんな中千鳥ヶ淵の緑道で、お金持ちなのか、国家公務員の官舎に住んでいる人なのか、今日が終戦記念日と知ってか知らずか、知らないわけはないと思うが、朝からジョギングや犬の散歩をする人たちとすれ違う。
何も今日に限ってこんなところを通らなくても・・・今日に限って不思議と嫌な感じがする。

だんだん日が昇ってきた。
朝6時の靖国神社の開門が近づく。
境内に急がないと・・・。

今日も暑い一日になりそうだ。
それぞれが、それぞれに、いろいろな意味で。


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