平成最後の昭和の日 昭和の残り香鶴見線散歩 本線(川崎市内編) 19.04.29
昭和が香る都会の秘境路線鶴見線。
鶴見線本線は、武蔵白石駅から川崎市内を走るのですが、JR的には横浜市内の路線です。
ただ、個人的な心持ち、横浜から川崎国に入ると若干身構えるのは、諸々の事情を知る神奈川県民なら致し方なしです。
●武蔵白石駅
鶴見線大川支線の起点駅、武蔵白石駅の模様はこちらから。
●浜川崎駅
鶴見線の浜川崎駅は少し特殊な駅です。
乗り入れている路線は、東海道本線の貨物支線、鶴見線本線、ならびに南武線の浜川崎支線。なのに、駅の所属線は東海道本線である複雑怪奇さ。
しかも、一般の人が旅客で利用する南武線と鶴見線の浜川崎駅は道路を隔てて離れた別な駅舎。でも、同じ駅扱い。嘘でもくっつけることはできなかったのか。
そんな無駄な投資この路線にする気にはならないのか。おかげで、乗り換えの方はスイカにタッチしないでくださいというアナウンスが無限ループで流れている。正直物珍しさのほかに利用するお客なんてまず居ないので、それはそれで困る人は居ないのだろうけれども。
貨物列車による貨物列車のための貨物の線路。京浜工業地帯のエネルギー、生産物の運搬を担うというのが正直主な目的だろう。特殊性が醸し出す特殊な異空間。浜川崎の印象。川崎らしい。
こんなことでもないと訪れることはまずない。鶴見線にしろ、南武線にしろ、浜川崎なんて用事はないので絶対に降りる駅ではない。
セメント通りとか、コリアンタウンとか周辺から成り立ちが想像できる。日本の暗部なのだろうなぁ。
●昭和駅
平成最後の昭和の日。今日の目的はここなのです。
一つ手前の浜川崎駅で鶴見から来た鶴見線の電車はほとんどが折り返し、終点の扇町方面に向かう電車は数えるほどしかない。
鶴見線本線に属するとはいえ、その虐げられた感じは半端ない。
以前の年号と同じ昭和の駅名も昭和電工(元の昭和肥料)から
とられたもの。昭和を懐かしむ人くらいしか利用しない。どうしてもとなるとほとんどの人が路線バスを利用するという残念感。
平成最後の昭和の日に思いを馳せるには秘境すぎる卑怯な駅です。
JRも特別なイベントをするほど駅に存在感はない。余計なことをして、昭和電工のトラックの搬入搬出に迷惑をかけるようならそれこそ大問題。
1日に数本程度しか運用されないから線路に雑草が生えまくり。運河沿いを走る海芝浦支線ほど路線に見栄えもない。昭和の駅名がなければ存在すら忘れられそう。それもまた鶴見線らしいのだけれども。
●扇町
鶴見線本線はほとんどの電車が浜川崎駅で折り返していくけれども、鶴見線本線の本当の終点は扇町です。
旅客としては終点なんだけれども、貨物の路線が駅舎の裏を奥へ奥へと進んでいく。線路が伸びているので終着駅として味がない。
扇町は浅野財閥の家紋が扇だったからという徹底した忖度ぶりに頭が下がる。というか、自分で埋め立てて自分で線路を引いて自分で電車を走らせたという、浅野財閥のバイタリティーが生んだ鶴見線。途中駅が浅野で終点が扇町。今となっては逆にしても良かったのでは。駅に猫が多いです。猫好きにはたまらないかもしれない駅ですが、電車では・・・。
三井埠頭専用線、昭和電工専用線、JXTGエネルギー専用線・・・鶴見線は貨物で持っています。
そんな鶴見線を満喫した平成最後の昭和の日。
鶴見線は神奈川区の自宅から目と鼻の先なのだけれども、都会の秘境駅という冠は伊達じゃなく、そもそも利用する目的もないので正直足が向かない。総持寺の豆まきのついでにちょこっと見物するのがいいところ。全線の駅を完全見物なんて、平成最後の昭和の日だという特別な覚悟がないとできないこと。
バイクだからこそ楽しく回れたけれども、これ鉄道のダイヤ調べて鶴見線の電車だけで回るとしたら1日で済むのだろうか?それが秘境路線の魅力なのだろうけれど。でもこの路線が日本を支える京浜工業地帯の背骨であることも事実。そして、戦前戦後の闇の部分も。
あんまり難しいことはおいておいて、あぁ、楽しかったなぁ。鶴見線。ってことで、いいかな(笑)
鶴見線の終点、扇町駅はこの辺り
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