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平成最後の昭和の日 昭和の残り香鶴見線散歩 海芝浦支線 19.04.29 16:36

鶴見線が秘境と呼ばれる卑怯な理由。
海芝浦の支線を探索です。

鶴見線はよく都会の秘境路線と呼ばれている。京浜工業地帯のど真ん中を走りすぎていて、かと言ってどの工場も今どき物流を貨物に頼むことも減り、通勤時間帯でなければろくにダイヤもないような路線であることは確かだが。そんな鶴見線の本当の秘境中の秘境が海芝浦支線であり、その秘境ぶりは卑怯ですらある。何しろ、このご時世に道路が通っていなくて電車でしか行けない駅があり、しかも工場関係者以外駅から出られないって・・・



鶴見線海芝浦支線の起点は浅野駅。


鶴見臨海鉄道の設立者にして、鶴見埋め立ての父、浅野財閥の創設者浅野総一郎にちなんだ駅名は鶴見線を代表する駅。

 
本線が1面の島式ホームなのに対して、海芝浦支線は、相対式の2面ホーム。入り組んだ線路と敷地の広さが特徴です。


鶴見線の中でも好きな駅一二を争うのどかな駅は都会の秘境と呼ぶにふさわしい。いや、本当の秘境はこれから先なのだけれども。

日本を支える京浜工業地帯の路線らしく、どこまでも続く鉄塔が素敵すぎる。


そのクセ、ローカル線を絵に描いたような駅の雰囲気。本線と支線の分離具合と別れたホームの他人事感。鶴見線のすべてがこの駅に凝縮されていて一日居ても飽きない気がする。時々そんな雰囲気を味わおうと観光の人がやってくる。恥ずかしいところを見つかったみたいにお互い気まずい思い(笑)
電車はなかなか来ないので、とりあえず支線の次の駅、新芝浦までバイク移動します。


浅野から鶴見線の海芝浦支線沿いにバイク移動で新芝浦駅。


距離にして数百メートル。JFE環境蛍光灯リサイクル工場とオカムラ物流センターがあるためトラックが多いのでちょっとビビる。物流の主役は鉄道からトラックにすっかり変わっていることを実感。


海芝浦支線的には新芝浦の向こうに海芝浦の駅があるのに、道路はここまで。というか、新芝浦の駅自体が東芝京浜事業所に食い込むように建っていて、道路は明日を作るはずだった技術の東芝の中へと消えていく。


平日の通勤時間帯ならいざしらず、休日のこんな時間に人影はない。駅舎はこじんまりとしてオンボロだけれども、駅の中は清潔そうだ。


こんな誰もこなさそうな駅なのに相対式のホームが二面、線路も二線。東芝様の貨物が時々通ることがあるらしい。


このままここで海芝浦行きの電車を待っても良かったんだけれども(4,50分後の到着予定!)この殺風景なところにいるのも辛いので、バイクで浅野駅まで戻って手前で電車を捕まえることに。
卑怯な秘境駅、海芝浦へは浅野から海芝浦支線を全線味わいつつ向かうことにします。



浅野駅から鶴見線海芝浦支線に揺られる。
お客は冷やかしの観光客と思しき人達のみ。


旭運河沿いを走る海芝浦支線は先程の新芝浦駅を超えついに道も通わぬ海芝浦へと進んでいく。埋立地の角を沿うように曲がって旭運河から田辺運河へと並んだところが海芝浦駅。道路がないので駅前ロータリーなんてものも存在せず、ホームは運河のヘリに防波堤のようにあり、駅の出口はそのまま東芝インフラシステムズの通用門となる。なので駅から出られない。乗ってきた電車で帰るのみ。それを逃すと・・・考えたくもない(笑)そろそろ夕方なので、驚くほどは待たずに済みそうだけれども。


でもよく考えると、1つ手前の新芝浦から道も通わぬ海芝浦への路線って東芝の社内便だろうとしか思えないのだがどうなんだろう?


田辺運河の向こうは扇島の埋立地でJFEスチールと東京ガスが軒を連ねる。埋め立て島の間から横浜港が遠くに見える。昨日クイーンエリザベスの来港で騒々しかった大黒ふ頭も目の前だ。


どす黒い東京湾をながめながら、地震が起きて停電になったら電車で帰れないのかなぁと考える。


東京から目と鼻の先、川崎と横浜という日本を代表する政令指定都市の狭間にある都会の秘境駅。
東京湾の海の暗さが印象的です。



都会の秘境駅、海芝浦駅はこの辺り




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