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就労移行支援事業の先細り?

就労移行支援事業所の存在意義について

先日、就労支援に携わる人たちと懇談をする機会があった。

何かあれば顔を合わす方々で、良い話も悪い話も両方する。

最近は悪い話ばかりの気がするが…。

そこで出たのが「就労移行支援事業所の存在意義」、そして、「就労移行支援事業所の先細り」であった。

ここ数年、就労継続支援B型事業所は、全国的に右肩上がりで新規開設が続いていて、年間1,000カ所程度増えているという話を聞いたことがある。

これに相まって、就労移行支援事業所の閉鎖は続いているそうで、安定した事業運営の難しさ、新規利用者の受入れに苦慮し、欠員が生じやすいといった実態も、そう珍しくはない。

先日の懇談でも、「欠員生じてる」「今春は新規利用者0件」「就労ニーズを持つ利用者どこ行っているのか?」といった声も多くあった。

利用する側のニーズとしては、少しでも収入が欲しいといった声があるのも当然。

就労移行支援事業所だと、生産活動を行っていない事業所もあり、作業工賃を支給しない事業所もある。

であれば、A型やB型の利用を検討する人もいるかと。

これが理由かは分からないが、知り合いの就労移行新事業所(老舗)の収入は、年々減収になっていると話していた。

開設当時(平成20年頃かな?)は、新規利用を止めなければならないほど、利用ニーズがあった。

私が勤める事業所も全く同様の状況であった。

それが今では‥。

就労継続支援B型の開設ラッシュ、ゲームやアニメなどを中心として、活動を展開する事業所の存在(ゲームやアニメを否定している訳ではないです)、どうやって作業工賃を支払っているか不明な活動をしている事業所(麻雀やったり、音楽練習したり、YouTubeを流すだけとか色々ありますが‥)などもあるようで、そのような事業所に利用者が分散しているのか?

それとも、就労移行の存在価値がなくなっているのか?どうなっているんだ?

就労移行支援の概要(WAM NETより)

就労移行支援事業が出来た時、画期的な事業だと思ったんだけどな・・。

相談室の役割・機能ってどうなっているんだ?

生活に関する相談から、就労に向けたニーズを持つケースを扱うことがあるのが、地域の相談支援事業所である。

その相談員から「お弁当無料の事業所を探しているんですが、そちらは無料となっていますか?」「送迎無料の就労移行を探しているんですが、送迎サービスはいやっていますか?」といった問い合わせ。

がっかりです!!

この間のプロセスは勿論あるかと思うけど、「どうしてですか?」と聞くと、「本人の希望なんです」と。

ニーズとデマンドを取り違えていないか?と思ってしまう。

全ての相談室・相談員がこのような対応をしている訳ではないが、ちょっとがっかりする対応である。

専門性はどこに飛んでいってしまったのか?

就労系の事業所を指して、「質の低下」について苦言を呈する声も多いが、福祉全体のバランス?質?諸々が、崩れてしまっているような気がする。

社会福祉法人やNPO法人等が正義とは思わないが、利益法人が福祉に参入してから、良くも?悪くも?大きく変わったことは間違いない。

どちらかと言うと・・・障がい者を商品としての価値で、ビジネスチャンスとして捉えられている感もあり、悪い方へベクトルが向いたと考える。(全ての利益法人を言ってる訳ではありません。一応言っておきます。)

どちらにしても今後は‥

就労移行支援事業所が目減りしている状況を鑑みて、今回の報酬改定でも、10名の定員からでも開設OKとなりました。

地方の就労移行が減少していることもあり、この施策でどう影響が出るのか?出ないのか?

個人的には地方の就労移行が増えて、就労ニーズに向けた就労支援が活発になるとは思わないに一票です!

そもそも、少子高齢化が進んでいる中、もちろん労働人口も減っている訳で、新しく10名定員の就労移行を立ち上げるとなると、これに必要な人材を確保しなければならない。

地方でその人材を確保できるのか?という問題も大きい。

難しいでしょうね。

この施策をビジネスチャンスとして捉えて、人口規模が多い都市部では、新たな就労移行のモデルが出る可能性もあるかもです。

新たなフランチャイズのモデルとかが出るかも‥。

安定した就業生活を見据えた就労支援が展開されれば、問題とならないと思うけど、「集客」「回転率」などを求めた、新たな手法がでないことを毎晩祈っています!

今日も愚痴と悪口のオンパレードでした。ごめんなさい。(棒読み)


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