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スピーカーキャビネット修理

9月のこと、愛用を続けていたBareFaced audioのSuper Midgetスピーカーキャビネットを久々に持ち出した際、ツイーターのホーンの取り付け位置に割れがあるのを発見しました。音は正常で使用に差し支えなかったものの、壊れてしまえば高く付くと思い、治さなきゃ治さなきゃと思いながら腰が上がらなかったのを、漸く取り組む気になりました。

BareFacedはイケベ楽器店が輸入を始めたと思っていたら、現在は正規輸入代理店が存在しました。私はそのずっと以前から直でイギリスから購入しており、日本へ送られた第一号かもしれません。単発12インチスピーカー+ツイーターとして随一の性能と可搬性を備えているお気に入りです。10kg程度しかないことに加え、特筆すべきは奥行の少なさで、これが現場を問わず持ち出せる理由であります。ひとまわり大きなBig BabyII(メーカーのフラッグシップ)も所有しておりましたが、こちらで十分と考え、早期に売却しました。

外から見える不具合はこんな感じです。

四隅にネジがあるはずが二つは壊れたホーンにのしかかられ、下へ隠れています。見えているネジが押さえているはずのコーナーは割れているのがわかります。

本国に問い合わせたところ、ホーンの型番を伝えてきたので、それはEminenceの純正品であり、Soundhouseで簡単に調達できました。最初に苦労したのはグリルが外せなかったことです。クッションのウレタンが軟化して粘着剤となり、そうとう強くバッフル面に接着されてしまっていました。

再度問い合わせると、辛抱強くゆっくりと剥がすようにと回答が来て、曲がるのが恐いと返信しましたが、力で取り外すしかないようでした。

外してみると中はこんな感じでした。

ぶらぶらもせず、固定されてはいましたが、やはり安心して使い続けることはできません。

ツイーターを取り出してホーンを付け替えたところです。

ここからが本当は大変でした。ツイーターを収めてもネジ穴のところに寄せられないのです。ですから、破損の原因は、ツイーターのキャビティ形状に誘導され、常に力のかかった状態であったが為にプラスティックが負けて割れるに至った、と見ることができます。それと、ネジ穴を避けるようにウレタンのクッションが置かれており、締め込むことでホーンのコーナーに垂直方向にも無理な力が加わっていたことがわかります。はっきり言って製造上の問題と見做すしかありません。

位置合わせは困難を極め、また少し無理をかけていることを認めざるを得ませんが、少なくともクッションの高さまでワッシャーを噛ますことで割れを誘発する上下での加重は減らすことが出来ました。

現在は完治して、また良好な状態に戻りました。このような潜在的な問題はありましたが、お勧めのキャビネットです。

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