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Warwick 4 弦高調整

自宅到着後、まずフル充電しました。実際には電池で音が出ていたので、その必要はありませんでしたが、今後充電池で利用できるよう配線を入れ替えました。翌日に長く弾いてみて弦高を落としたかったので、さらに翌日、弦を交換し、調整も行いました。弦を外したタイミングでワックスを塗り、養生したまでを昨日報告しました。

ワックスは検索したところDigimart上で販売しているお店を見つけました。3300円で出していらっしゃいます。以下想像ですが、輸入代理店がコルグから山野楽器に変わる際に、コルグにあった在庫品が放出されたのかなと。ベース本体でも、それらしき特価品がいくつか見受けられますので、今は狙い目ですね。

弦高調整はネックの反りの状態を決め、ナットの溝の深さとブリッジのサドルの高さで行います。正解というものは無いのでしょうが、矛盾したセッティングというのはあり得ます。Warwickの場合、それぞれをユーザーが気軽に弄れるように設計されているので、こうした見極めを行う学びの機会を提供してくれます。以下に今回の手順を記しますが、正しい方法かどうかはわかりません。そうやって辿り着いた状態が、とりあえず自分では満足のいくものだっただけです。

弦交換

Warwickの純正6弦セットは.025 .045 .065 .085 .105 .135となっております。取説によると.125以上の弦はテーパードを推奨しており、外した弦にテーパードは1本もなかったため、装着されていた弦は社外品だったようです。用意していたKenSmith Burners Medium Tapercoreは、HiCは.030、LoBは.130なのがゲージの違いで、かつ低音側3本がテーパードになっています。
ふだんステンレス弦しか使わないのですが、Burnersのニッケル弦は、Alembic弦と共に、使っても嫌な感じがありません。
ペグのボタンを締め込むネジが、そのまま回転のトルクを調整する機能となっています。かなり緩んでいたのを増し締めすると、回転感覚がしっとりと上質なものになりました。

トラスロッド

45°、締める方向へ回しました。取説によると、少し動かした後、1時間待って再度調整し、翌日またチェックしてくださいとのことで、ロッドはすぐには利かないとはっきり書かれています。私の場合、その1回だけで十分な効果が得られました。なお、正常な順反りの状態の目安として、弦を1fと最終フレットを押さえて、7fの位置でフレットと弦の間が0.6〜1mm離れているのが良いとしています。ロッドを45°だけ回した結果として、新しい弦を張った状態で、LoBは1mm、HiCは0.6mm、いずれもスケールを当てて目視しただけなのでアバウトですが、弦とフレットに隙間が残る順反り具合に調整できました。この数値の違いをもって、ネックが捩れていると判断すべきか否かは私にはわかりません。仮にそうであったとしても、高音弦が近く、低音弦が遠いのは振幅に適いますので、現状に問題は感じません。

ナット

たしかアレンビックもそうだったと思いますが、可動するナット自体はブラスの下駄のようなもので、ネック端の木部には土台となるブラスの板が敷かれており、ここは固定されますが、ナットは高さ調整用のネジを支点にして立っています。ズレを防止するダボが両端にあって、そこに嵌めるようにナットを乗せ、弦の圧力が掛かって動きが止まります。ナットが密着していないということには抵抗を感じます。

なので、最初にネジを引っ込ませて、ブラスとブラスが接触するようにしてみました。すると低弦高過ぎて開放弦を鳴らせません。そこでネジを締め込む方向に回して、やはりネジの先だけが接触するのを許容することになります。6弦用のナットの場合、ネジが3箇所あります。両側で高さを決め、真ん中はアシストのために中点となる高さに調整します。真ん中を突きすぎると弥次郎兵衛のようになってしまいます。これには、そもそも溝切りが正確に行われているかどうかが関わってきますが、そこはとりあえず信頼して進めていきます。

ベタにした状態で音が出ない現象は高音弦側で顕著でしたので、高音弦側を上げ目にして、低音弦側は微調整の範囲で動かしました。これも取説によると3fを押さえて1fと弦の隙間が0.3mmと言っています。この数値を超えないようにと書かれていますが、より高くしろと言っているのか、それより低くしろと言っているのか、日本語訳を見ても理解できません。私は数値に頼らず、開放弦がキチンと鳴る最下限まで下げています。

なお、このナット部はグラファイト製もあるようなので、軽量化のために少なからず興味あります。微々たる違いでしょうけれど。

ブリッジ

フルアジャスタブルのブリッジと、テールピースが別れたセパレート式になっています。この形が弦楽器の理想なのは理解できますが、重量部品の最たるものです。サスティンブロックという金属の塊がブリッジを支えておりますが、私の記憶が正しければアレンビックが最初にやり始めたことであり、確かに重厚な音に貢献しているらしいのは感じますが、楽器が重くなるのが嫌です。

ワーウィックのシステムでは、サスティンブロックの上に乗っかるブリッジ自体が上下に動かせます。同様にサドル毎でも弦高調整、弦間調整ができるようになっています。ですから、まずサドルを全て最低の高さに揃えて、両端の弦が、うまく鳴ってくれる位置までブリッジ全体を上げていきます。固定ネジ2個を緩め、4個の高さ調整用のネジで傾きを含めた高さ調整が可能です。これを終えて一旦固定ネジを締めてしまいます。

この状態では、サドル高が一律のため、当然中間の4本の弦はべたべたになってしまいます。指板のRがフラットではないからです。そこで内側4弦分のサドルの高さをちょうどいい所まで上げていき、完了です。

サドルは、溝にはまった小さな金属ブロックに過ぎません。これは横ネジで固定されます。それを怠ると横方向へずれますので、弾いた瞬間に弦間が変化してしまうでしょう。弦を交換したときにサドル固定ネジを緩めておいて、張った弦がテールピースのボールエンドからナットまでを直線になるようなサドル位置を探ります。例えば、HiC弦が元々、幾分ネック端寄りに調整されておりましたので、サドル部分で少しの折れが生じていました。僅かでありますが、極力これを避けるような直線で張れる位置に、HiCとLoBのサドルを決めます。

この幅の中に等間隔に内側4弦を並べていくことにします。私は、弦の中心位置で均等に配置する方法よりも、弦の端から隣接弦の端までの隙間を統一する配置が気に入っています。これもアレンビックのやり方です。今回は、このside to sideが14.73mmになるようにサドル位置を固定しました。center to centerの距離は弦ごとに変わってきますが、太い弦に行くほど広くなります。平均値としては16mm相当です。このようなセッティングができて非常に嬉しいです。

というわけで、ワーウィックは、知る人ぞ知る、ネック調整に困難さがつきまといがちなブランドとして悪名高い存在でしたが、この2017年製のコーベットに関しては、どうやら杞憂のようです。今の所。ワックス塗布から調整終了まで、なんやかやで3時間も費やしてしまいました。その結果として満足できる弾きやすさを得られたのは、文句ありません。目分量でHiCが1.8mm、LowBが2.0mmくらいの弦高(12fで)に合わせてあります。数値よりも感覚優先ですが。生音ではバズが聞こえますが、PUから出る音に汚いバズは混じりません。これまでのところ、とりあえず良好です。

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