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乗ったらヒジョーに良かった

注文書を作成し頭金を支払い、ローン申請は下りて、その契約書も送られてきた。というのに納車がいつなのかわからない。私は購入したクルマを実物はおろか、その個体の画像も見ていないし、同車種はガソリンエンジンを積んだ方をちょっと乗らせていただいただけ。当初は15日納車を目指す話であって、必要書類は間に合うよう全て届けたけれど、その時点で九州から東京への配送手配がまだできていませんでした。そう、車両は福岡の系列店が持っていたものでした。配送代5万円は別途払っているのだからちゃんとしてよ。果たして3月納車に間に合うのでしょうか。

その分、ミニMTとの最後の時を楽しんでいる、とも言えます。いつ手放すか不明、という部分で燃料を無駄にしたくないので、1000円分入れたり10リットル入れたりと使うたびに継ぎ足しています。めんどくさい。そしてミニの方はすねてしまいました。昨年社外でブレーキとパッドを全交換し、今年の点検でディーラーにおいてアラートサインの点灯を消してもらっているのに、4日前からブレーキがやばい、と言い始めました。この子ったら…。

ともかく、DSがレアであることは、DS3crossbackを私自身過去一度も見たことがない上に、こうして意識し始めても毎日運転する中、一台も見かけない(シトロエン時代のDS4を一度見ました)。そんなクルマ、買っていいんか? 勢いに押された、という自覚はないけれど何かやらかした感が募ってきて不安です。

そんな折り、ステランティスのDSチャンネルからDMが届き、試乗会をやると書かれていました。DS3(現行ではcrossback表記が削られるとともに動力装置はディーゼル一択になりました)が含まれていたので申込み、今日会場である代官山まで行ってきました。あ、ステランティスというのはメーカーの名前で、シトロエンもプジョーもDSも、果ては伊フィアットや米ジープ、クライスラーまでを傘下に収める会社です。オランダに本拠を置きますがフィアットを所有していた一族がトップに着いていると思われます。そして中国資本。

代官山駅の方から入っていくと
旧山手通り側に陣を張りDS4を展示していました
奥がDS3、その手前がDS7
似ているけど違う色

小雨降る中、DS3に乗車します。以前も気になりましたがペダルが近く感じられ、シートを高めに、座面を立て気味にしないと姿勢が決まりません。地面に近いミニとかなり異なるので、すぐには馴れない気がします。

フロントが結構変わりました
ヤリスクロスと同じくらいと言われています。小型

ステアリングは非常に軽く、足回りはソフト。アクセルオン・オフ、ブレーキングでもピッチングが大きいのは、わかってやってると思いますが、ともかくミニとは真逆であることは確かです。まぁいいや。

マイナーチェンジでディスプレイが本国と同サイズになりました。

視線位置はだいぶ高くなり、景色はより運転しやすいものと感じます。SUVをみんながいいという理由はそういうところかもしれません。着座位置低めが好きなのですが、背の高い自動車群に埋没しながらの走行は、言われてみれば閉塞感あるよね、と思います。言われてないけど。

旧山手通りを恵比寿方向へ出て、すぐ渋谷方面へ左折し明治通りを左折、246を下ると旧山手通りにぶつかりますから左折して戻る。10分走っただろうか。高校時代、体育の授業で学校の周りを一回り走らされたのと似ています。今回のこれ、距離にして6kmくらいでしょうか。いつかC3、C3aircross、DS3crossbackをディーラーの近所で乗らせていただいたのと同じくらい。時速40km以下の完全なる市街地走行でわかるのは視界とブレーキのタッチ、変速ショックくらい。あとはスロー走行でのステアリングの重さ。

サイズはかなり違うけど外ではあまり変わらない印象

あまりに味気なくて、もう一台DS7 e-tense 4x4というのが試乗車でしたので、その場で申し込みました。30分待って乗ると、あーこれは良い。プラグインハイブリッドで8149000円です。はっぴゃくまん!!

DS7は、まるで親の顔

DSの上級クラスにはフォーカルのスピーカーシステムが積まれます。私が買ったクルマにも着いているはずで、はっきり言って購入の動機がそれなんですが、ステランティスの方にフォーカルとそうでないのとで音は結構違いますか?と聞いてみたけれど回答は来ず。で、聴いてみましょう、とラジオを点けました。しかしね、DSの操作系は非常に評判悪くて、メーカーの方がぱっとラジオを鳴らせないんですよ。やり方がわからないらしくて。このクルマだめでしょ。

ダッシュボードにセンタースピーカーがあればフォーカル

がちゃがちゃやって、やっと音が出てもしばらくトークばかりだったので局を変えてみるようリクエストしたら後席に同乗されていたカメラマンの方が84.7Hzにしましょう、と提案されます。FM横浜。あぁいいですね。私いつも聴いてます。なんてところから話が弾んで、マニュアル談義からダットサントラックに乗っていらっしゃると聞き、いかにもカメラマンと思いました。かっこいいね。で、なんと野毛ジャンクのオーナー、兼永陽一郎さんの息子さんとのこと。世間は狭い。

このDS7、1.6リットル4気筒ガソリンエンジン(お馴染みの1.2リットル3気筒はこのエンジンからシリンダー1本削除したもの)に外部からの充電に対応するバッテリーとモーターを併設したハイブリッド車ということで、300馬力あります。その代わりガソリン車より350kg重く、約2t(超えてないけど)、幅が1.9m近くあってファットな野郎なんです(全長は4.6mと普通)。それが非常にいい感じで動かせるので、ドライバーとしては気分が上がります。走行モードの切り替えは、最初「スポーツ」にしてあって「コンフォート」に変えてもらい全体の半分を走行、最後の1/4区間を「エレクトリック」にしてモーター走行しましたが、いずれも全く違和感がなく、ただひたすらアクセルの踏み込みに合致する期待通りの加減速がウルトラスムースに得られます。

私が知らなかったハイブリッド車の到達地点はここまで来ていたのですね。いやぁ、ヒジョーに良かった。

かくして、上質な運転フィーリングというものがこのように達成されたことは、現時点で車重がバカ重くなるバッテリー搭載というネガをポジに変える技術力を目の当たりにさせられました。次いで、カメラが路面状況を観測し、コンピューターが予測してサスペンションセッティングをアジャストする、という機構が夢のように気持ちよかったです。制御万歳。

住宅地ではデカ過ぎますが均整取れたプロポーションはこっちの方

先に触れたラジオが鳴らせない問題ですが、チャットGPT搭載なので、喋りかければやってくれるそうです。私たちがシリとかオッケーグーグルとかアレクサとか声をかけて、お尋ねをしたりしますが、結構固有名詞、例えば駅名とかを「わかりません」反応を返してきます。しかしDS車ならほとんど大丈夫らしいです。眠くなったら話しかけると会話が続くらしい。ナイトライダー。

というわけではっぴゃくまんは無理ですけど、そういった先行投資が自動車の未来像を描くのですね。知識10年遅れていました。

親(DS7)と
子(DS3)
母のようなDS4
中はウルトラ警備隊
月々12000円で買えるそうです(嘘)

さて、楽しい試乗は一瞬のことで、ステッカーとDS(1959年の)のミニカーをいただいて帰路につきました。せっかく渋谷近辺まで来たのでイケベ楽器ベースコレクションに立ち寄り、ちょっと欲しい楽器を1本試奏し、DS7の試乗を待つ間に蔦屋のスタバで30年ぶりに買ったラテを飲みながら電車で帰宅。

子供の頃に実車を何度か見ました

DS3に付き添ってくださった営業の方が、あんまり試乗会などやらないんですよ、と仰るので、私は無邪気に、なんで今なんですか、と尋ねました。さぁ、DS4が発売になったからですかね、と返ってきます。たしかに。でもDS4は試乗できない。

違うでしょ。Formula-Eが来週東京ビッグサイトの周りで開催されるからでしょ? DSはエントリーしているじゃないですか、しかも過去2年チャンピオン取ってるし。電気自動車のリーディングカンパニーなんだってアピールするのが目的じゃなかったっけ? 営業さん、しっかり!

見に行きたかったけど仕事で行けない…
代官山の試乗会は明日24日までやってますので是非!
おまけ(渋谷駅)



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