クルマをどうしよう6 ディーラーへ行く

2月中に生産が終了する現行F型ミニ。次期モデルの画像が出回っており、販売スケジュールも発表になっています。しかしモデルナンバーはF6○になる、ということでシャーシは現行からのキャリーオーバーです。ただし内外装のデザインは完全に変わってしまう。ミニブランドは、完全EVへ移行することが予告されているため、エンジン搭載車の開発は新規に行われませんでした。歴史の転換点ですね。

私の印象では、これはミニのアイコン性にあやかって、意匠のキモとなる要素をパクった日本車にすら見えてしまいます。いや一流デザイナーの手にかかれば、2Dではなくリアルで見たら納得のデザインに映るかもしれません。しかしディーラーの営業マンに言わせれば、その発表以来、ぐっと受注が増えたとのこと。みな現行F型のルックスを愛してやまない様子。

正直に言うと、自分自身、どうしてよいものか五里霧中。確実なことは、この6MT / Cooper Sに心底惚れていること。日曜日に新車ディーラーに立ち寄り、5doorのD(1.5リッター・3気筒ディーゼル)を試乗させてもらったのですが、商談が終わり、自分の車で走り出すやいなや、いつものことながら幸福感に満たされます。他車を運転した後にこそ痛感するので、果たして手放して良いものかどうか…。

よく知った市街地で15分ばかり乗った車両(Cooper D / 5door)のインプレッションです。発進・停止に不満は無く、中間加速のレスポンスも悪くない。ただ、1.5でもディーゼルエンジンの重さが響くのか、交差点を曲がるときのステアリングに妙なざらざらとした気持ち悪さを感じます。先日書いた、ボルボV40のディーゼルで一番嫌だったフィーリングが、些少なれどここにも存在していました。私はディーゼルエンジンの音や振動は、それがバスやトラックみたいで、ちょっと楽しくなってしまう「子供おじさん」。唯一の弱点が重量増と考えます。FFとの相性が悪いです。

営業マンは誠実な方で、飛び込んできた客に、大層丁寧に接客してくださり、私の抱える複雑な思いを理解しようと努めてくださいました。そこでの暫定的な結論は、Sの5doorにアダプティブサスペンションを搭載したモデルを買う、というものでした。JCW Trimや限定仕様においてそれが可能です。

先週の点検時に代車だったCooperと、この日のCooper D、いずれも5doorで、走っても嘘のように大差ありません。エコカー減税が昨年末でディーゼルに適応されなくなった(電気自動車に誘導する施策のため)背景もあり、価格差は燃料費のみで償却するしかない点で長距離を走る人用になってしまったD。一方低回転のトルクを生かして街中で乗りやすいというメリットもありますがガソリン1.5も悪くない。しかしステアリングのフィーリングはクーパーの方が素直でよろしい。Dよりもアクセルを若干踏み込む必要はあるけれど、市街地で必要とされる加速力に不満無し。私ならば給油1回当たりの航続距離でDを選ぶかも、ってところです。きっと倍くらいの距離を走れそうです。

SもSD もまだ乗ったことがありません。Dは7速DSCですがSDとなるとJCW同様8速ATになります。JCWが最高に良かったのは、このトランスミッションにあるとすればSDには近いものを感じられるかもしれません。またJCWのアダプティブサスペンションをオプションで備えたSも良いかもしれない(試すことは無理そうです)。そうした夢想からすればCooperやDでは満足できず、SやSDを選ぶべきかと考えます。JCWはタイヤからブレーキから何でも高価なレーシンググレードのパーツが乗っていて、維持費が危険です。悩ましいけれど、やはり試乗するのが一番わかりやすいですね。

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