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"C7 GRAND"の参考音源を取り急ぎ作りました

昨日に初稼働させたAcousticSamples社の"C7 GRAND"というピアノ音源の音を皆様に聴いて頂きたく、参考音源をSound Cloudへアップいたしました。先日の記事でもリンクしましたピアノ音源比較動画をyoutubeに上げておられた編曲家の池沼貴彦さんに、「お正月」のmidiデータをご提供頂き、Logic Pro Xで鳴らしたものを、リージョンごとにオーディオファイルへ書き出しました。

#1 まずはLogicに最初から含まれている"Grand Piano"音源をお聴きください。

Midiのコントロール情報でボリュームは100、リバーブを41にしてあります。パンはセンターです。恐らく楽譜出力納品のアレンジと思われ、このmidiデータは人による演奏とは異なり、クォンタイズされ、かつヴェロシテイにも均一さが感じられます。人の演奏であればペダルを踏むであろう場面でも行われず、最後の方で一度踏み込んでいる場所がありますので、対比は容易だろうと思います。通常、サスティンペダルのオンとオフで別録りされた音源が用意されているはずです。

#2 ここからASのC7となります。上と同じデータを再生したものです。お伝えしているとおり、マイクポジションが3パターンありますので、その比較が本日のメイントピックとなります。デフォルトではクローズマイクが選択されます。録音やPAで主体となるサウンドです。音量が大きく明瞭です。

この音源にはリバーブが含まれており自在にミックスができ、以下いずれも41%与えています(dryとwetそれぞれのボリュームがありますのでdry 100に対してwet 41という調合です)。ただし、リバーブタイプの選択は音源によって変更しており、クローズマイクではスタジオ録音の場面を想定し、"Medium Plate"を使用しました。またLogicのピアノに対してゲインが高いためMidiデータでのボリューム値を74に落としています(以下同様)。

#3 次にプレイヤーポジションの音源です。これはこの音源をリアルタイムで演奏したい場合に有用で、私が一番重視したものでもあります。眼前に鍵盤があり、その奥に向かってピアノ線が伸びているさまが想像できます。

音量のセッティングは#2と同じですが、こちらの方が鳴りが小さいです。音源とマイクの距離が、そのままその違いを生んでいるようで、とは言え、録音物ですから増幅して揃えることはいかようにも可能です。にもかかわらずその差を残しているところが自然さに価値を置いているようで好感が持てました。リバーブは"Warm and Small Room"がお気に入りです。

#4 次はサイドポジションです。説明によるとピアノの横に立って歌う歌手の耳に届くサウンドということですが、ステージのセンターで横向きに置かれるピアノを聴衆位置で聴いている風に感じ取れます。クラシックピアノには合うのではないでしょうか。とは言え、アンビエンスはそれほど含まれません。

リバーブは"Nice and Small"というスタイルを使用しました。発表会のピアノという情景がぴったりです。この音も結構好きです。

#5 最後にこれら3つのマイクをミックスしたものをお届けします。各ボリュームはバーで設定するので、数値入力できないのが「プロ」的でなく残念です。私の思う、目の前でピアノが鳴っているリアルさを狙ってみました。

このようにマイクポジションによって異なる音色をブレンドして、好みのピアノサウンドを作るのが本製品の使用法なのでしょう。温かく太い音が得られて良いと思います。リバーブには"Clear Hall"を使ってみました。先のものよりも広い空間で鳴らしている様子が想像できます。

というわけで、音色の傾向についてはご紹介できたのではないかと思います。最上級のピアノを求めてはいないため、このくらいがちょうど良かったかもしれません。弾いて楽しめる音源かと思います。

なお、LogicからUVIWorkstationをプラグインとして選択し、その内部に存在する楽器としてC7が認識されます。スタンドアロンで鳴らすよりもDAW内において操作した方が色々便利なようです。最後に、池沼さん、ご協力ありがとうございました。素敵な編曲です。


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