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ファイターズ選手名鑑2023 Part1

はじめに


 今季最下位に沈んだファイターズ。厳しいシーズンでしたが、来季優勝を目指すと宣言している新庄監督のファイティングポーズに呼応してか、ドラフトやトレード、FAなど積極的に補強を敢行。外国人は残留した選手も多かったため、新外国人はA・マルティネスの加入で終わりそうですが、個人的には来季に期待を持てるオフと捉えています(それでも近藤の流出はとにかく痛い)。
 そんなファイターズの来季を考えるために、今季の成績を振り返りつつ選手名鑑を作ろうと思います。毎年チャレンジしては断念しており、今年こそは最後まで走り抜けますように!
※成績はスポナビを参照(https://baseball.yahoo.co.jp/npb/teams/8/top)。寸評は個人の意見のため、賛否両論あるかもしれませんが、暖かく見守っていただけたら幸いです。

投手

矢澤宏太

ルーキーの大目玉。来季はどんな成績を残すのか。

 2022ドラフト一巡目指名の二刀流。起用法などの懸念事項から結果的に単独指名となったが、今年の目玉選手であったことは間違いなく、矢澤を順当に指名できた時点で個人的には高評価だった。
 投手としては最速152キロのサウスポーで、スライダーの切れ味も良く、瞬発力のある力闘型なのでリリーフとしての活躍が想定される。身体的な成熟を迎えるなかで出力向上も予想され、クローザークラスのポテンシャルを秘める。野手としては、現状際立っているツールが守備・走塁面なので、バックアップとしての早期一軍合流が考えられるが、まずはじっくり二軍で育成してほしい。打撃についても、日体時代のHRの映像は見応えがあり、中距離打者として年間二桁前後は打てるようになってほしい願望がある。
 来季はまず二軍から。起用法を絞るためにもイースタンでじっくり身体を作りつつ、まずは現在地を確かめて欲しい。二刀流で活躍できればWARを荒稼ぎできる素材ではあるので、どんな景色を見せてくれるのか楽しみにしたい。

生田目翼

今季は登板数が少ないながらも一軍で好投。来季が楽しみ。

 2021年イースタンリーグ最優秀防御率をマークした速球派右腕。アマチュアでMAX155キロを記録したストレートは手元で沈む独特な球質で、グラウンドボーラー寄りにモデルチェンジした近年は成績が向上。左右の変化球と沈むストレートを武器にゴロを量産するものの、空振りを奪えないため、マネーピッチを身につけたい。元々は公務員志望の真面目な性格で、来季飛躍を期待する投手の一人。
 今季は故障の影響もあり、一軍・二軍合計11登板に終わった。一軍では未勝利であったものの、それなりに試合を作り、本人のコメントからは手応えを感じた様子が窺える。
 来季の目標は怪我なくフルシーズン投げ切ること。先発ローテーションの最後の枠を目指して欲しいが、古川(SB)の退団などもあり、一軍の便利屋・モップアップを埋めてくれるだけでもチームとしては非常に助かるはずだ。

加藤貴之

72年ぶりにプロ野球記録を更新するなど大きく飛躍したシーズンに

 抜群の制球力を誇るポーカーフェイス。速球の平均が130キロ後半という現代のNPBでは異質の軟投派であるが、ゆったりとした出どころの見にくいフォームからキレのあるボールを投げ込む。変化球はスライダー、カットボール、カーブ、フォークなどを複数操る。
 今季は8勝ながら147.2回を投げて防御率2.01という圧巻の成績でキャリアハイをマーク。与四球率0.67やシーズン与四球11はプロ野球新記録となり、加藤が四球を出すたびにSNSは盛り上がっていた。安定感はチーム随一で、最下位に低迷するチームの中で数少ない希望であり、チームの投手MVPを選ぶとすると迷いなく加藤だろう。
 来季は今季同様に投手陣の柱となる働きを期待。すでに本拠地最終戦のセレモニーで開幕投手に内定しており、意外にも未達の二桁勝利が目標か。球団からの複数年契約を固辞しており、シーズン終了後にFAで退団する可能性があるため、来季も同等の成績を残せれば争奪戦になることは必至。次世代のスターターが伸び悩んでいるチーム事情もあり、ポスティングを希望している上沢とWエースが退団となれば大きな痛手なので、何としても流出を阻止したい。

上沢直之

今季は惜しくも二桁勝利に届かなかった

 加藤と左右のWエースを担うファイターズ投手陣のリーダー的存在。メディア対応や後輩選手との関係性から強いリーダーシップと責任感が見受けられる投手で、若手中心のファイターズでは貴重な存在。長身かつイケメンでファンからの人気も非常に高い。投手としては決してパワーピッチャーではないものの、試合終盤でも150キロ近い速球を投げ、140キロ前後の変化球を複数操る。
 今季は好不調の波が激しく、元より不調でものらりくらりと試合を作るタイプの投手だったが、踏ん張りきれない登板が続いた。7月に右第3趾基節骨を骨折ししばらく離脱したため、二桁勝利には届かず。オフにはアメリカにある動作解析を中心としたトレーニング施設「ドライブライン」で修行を行い、23年オフにポスティングシステムを利用したMLB挑戦を表明した。
 本人のコメントにもあるとおり、来季はMLB挑戦するためにも堂々たる成績が必要。千賀の問題提起や有原のSB入団など、何かと話題になっているポスティングシステム。FA権を取得する前の選手を手放すため、球団にもそれなりのメリットがないと容認しがたい。二桁勝利はキャリアで2回のみではあるが、長年ローテーションで尽力してきた経歴もあるため、個人的には容認したい気持ちもあるが、ビジネスライクに考えるならよほどの好成績が残せなければもう一年延長もあり得る(本人は今季にかけているようなコメント)。MLBも見据えて平均球速をもう1段階上げ、15勝160回防御率2.50以下は期待したい。


達孝太

1年目は一軍の先発も経験。十分な滑り出し。

 2021年ドラフト1位の長身素材型右腕。前評判の高い選手がいるなか、ポテンシャルを高く評価したファイターズは達に初回入札。単独指名で交渉権を獲得した。高校時代から最新機器「ラプソード」を使って回転数や回転軸を研究する頭脳派で、球速より球質を追い求めていたが、今秋の目標として球速アップを宣言。平均150キロを目指してトレーニングに励んでいる。
 今季は他の高卒ルーキーとともに9/25に一軍初登板。三振は奪えなかったが、3回無失点のデビューとなった。二軍ではイニング数を徐々に増やしながら実戦経験を積み、防御率は6.26ながらK/9 8.23をマークするなど上々の滑り出し。本人のコメントにあるようにフォームや変化球を試しながらの登板が多く、失点数などは気にせず強いボールが投げられるかどうかを確かめているようであった。
 来季は二軍のローテーションを守り、長いイニングを投げる体力を身につけることが目標。誕生日が3/27とかなり早生まれで、実質1年目と変わらないため、ゆっくり焦らずトレーニングに励んで欲しい。とはいえ、彼のポテンシャルとしてはいきなり155キロ前後を投げても不思議ではないため、オフの特訓の成果を楽しみにしたい。

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