見出し画像

リサーチチームの組織力

先日、お声かけいただき、Design Research Tokyoのイベントで「リサーチチームの組織力」をテーマにLTをさせていただきました。DMMさん、メルペイさん、そして私の所属しているところとの三者三様ならぬ『三社三様』な特徴をお伝えできたのかなと思ってます。
DMMさんメルペイさんのLTや参加いただいたみなさまからの質問を受けて、お互い組織のあり方は違えども、悩みは似たようなところがあるなぁと、妙に納得したり、勇気付けられたりしておりました。

私の所属しているところは、リサーチチームとのあり方ではないにしろ、定性評価(たまに定性調査も)やっております。なので「デザインリサーチ」にガチッとハマる組織ではないのです。
特徴的なのは、デザインに所属しておらず、品質改善にのほうに所属があるというところでしょうか。資料はSpeaker Deckにアップしておきました。

発表のあとで気づいたんですが、組織ができた年をまるっと一年間違えてました(資料は直しておきました)。。。。。上司も気づいてなかった。。。。。(どうりで振り返った時、空白の一年があるなと思ってたんですよねー)
まぁ、それだけ、この組織がしっくりと回っているということなのかなと思っておきます。

組織ができたきっかけ

LTでは時間の都合上、詳しくお話できなかったのですが、私が所属している組織ができた経緯を、私の職務経歴目線で簡単に紹介したいと思います。
私は2017年に現在のグループができるまで開発の現場にいたので、現在デザインリサーチをしていないけどやりたい方の参考になるところがあれば。。。と思います。

2010年ごろ:ユーザビリティやUXに興味を持つ

私はもともと、htmlやcssをメインとするマークアップエンジニアでした。
自分の業務をやっていく上で、使いやすいサイト・使いにくいサイトの違いに興味を持ち、ユーザビリティやUXが関係ありそうだぞと思い、セミナーや講演会などで個人で勉強しはじめました。

2012年:産業技術大学院大学(AIIT)「人間中心デザイン」履修する

UX関連の業務をやりたいと思っていても、周囲や上司になかなか本気度が伝わらなかったり、マークアップエンジニアがユーザビリティやUXのことを提案しても取り入れてもらえない、ということがありました。
そこで、ちゃんとした知識を得よう&周囲に本気度を知ってもらおうと思い、社会人向けの大学院に通いました。もちろん自腹です。

この講座、現在では募集5分後には定員に達するような超人気講座なのですが、私が受講した当時はそんなに激戦ではありませんでしたね。
HCD(人間中心デザイン)に関する知識と、調査から評価までの一連を実践できたことで、業務にもとりいれていける自信に繋がりました。

2013年 - 2017年:業務でHCD(人間中心デザイン)を取り入れる

AIITを修了したあとは、積極的に担当業務で実践して行きました。私の業務範囲だと、ユーザビリティテストがやりやすかったので、まずは社内でやってました。

例えば、私はWebの実装を主にやっていたので、予定より早く実装した後、社内の人に使ってもらって、「他部署の人に使ってもらったんですが、ここ違う意味に誤解しちゃってて、確かにそういう意味にも取れるので、こういう感じにしてみてはいかがでしょうかー」というような、ユーザビリティテストと提案をやってみたり。

toBの管理画面を担当した時は、開発のメンバーはなかなかクライアント同行の機会がなかったので、少しでもこのサービスを使う人のことを知ろうと思い「営業さんとのリレーションシップ築きましょう!営業さんに新しい管理画面を使ってもらって、担当クライアントさんが使えそうか聞きましょう!」って、営業さんに担当クライアントの話を聞いたりと、間接的なユーザーヒヤリングしたりもしました。

そんなことをやっていたら、新規プロジェクトでHCDの手法を丸々試せるチャンスをもらえたり、ユーザーリサーチからやってサービスを見直したいプロジェクトに呼ばれたり、段々とやりたいことができる環境に身を置けるようになってきました。

時を同じくして、弊社のQAグループのほうで、サービスの機能要件(バグとかのこと)だけじゃなくて非機能要件(ユーザビリティとかのこと)も良くしていきたい動きがあり、手探りでユーザーテストをやってみようとしていました。
私が偶然その活動を見つけ『こちらのサービスでユーザーテストやってるのでサポートしましょうか?』と声をかけサポートしたことで、今のグループが新設される流れになっていったようです。

2017年 :定性評価を主に行うグループが新設され異動

そして、2017年。QAと同じ組織の中に、定性評価(ユーザーテストなど)を行う専門のグループが新設され、組織を横断してユーザビリティやUXを見ることになりました。
現在もそこで、定性評価(たまに定性調査も)をメインに業務を行っています。

私自身、サービスを担当しながら定性評価や定性調査を実践していくことも楽しかったのですが、HCDの考え方はサービスを育てていく上で必須だと思っているので、より多くの部署やサービスに広めようと試行錯誤している最中です。

振り返ってみて

こうやって振り返ってみると、上司やプロジェクトメンバーに恵まれたところがめっちゃあるなーって思いますね!
今思えば、『マークアップエンジニアがユーザビリティやUXのことを提案しても取り入れてもらえない』の時点で、こっそりやっちゃってもよかったと思うんですが、そういう考えには至らなかったんですよね。自信もなかったし、ひとりで心細かったのもあると思います。
あと、「〜しましょう」「〜やりたい!」と言うだけでは伝わらないなと。実際に行動していってることが、周囲に知ってもらうきっかけになっていたなと思います。

まずは、自分の責任の取れる範囲内でやってみてできるだけ結果に貢献してみる、そういう行動力も大切なのかなと思います。

サポートをいただけたら、美味しいビールをいただきます