「3人世帯で月収22万はもらいすぎ」 加速する弱者叩き

「妻は怒ってます」という番組が放送され、生活保護問題がクローズアップされています。

ただ、番組の構図が実にくだらない。

働かずにゲームばかりしていながら、生活保護を受けているならず者を引っ張ってきて金持ちの芸能人が説教するというもの。

たちが悪いのは、ここぞとばかりに「生活保護受給者より月収が少ない!」と不幸自慢を繰り広げる視聴者たち。

番組としては、こうした視聴者たちが群がってくることを織り込み済みだったはずで、目論見通りになったことでしょう。

しかし、こんな質の低い番組が放送されることで最も風評被害を受けるのは働きたいけど働けずに生活保護を受けざるを得ない人たちです。

ところで、バッシングの的となっていたゲーマー野郎は、妻子持ちで月22万円を受給しているそうですが、この額決して多くありません。むしろ、厳しいくらいです。

月22万円を受給しているのが、働けるはずなのに働かず娯楽に興じるヒモだからこそ、額面が大きいように錯覚するだけです。

ひとり暮らしでトントンかなのレベルです。

景気が悪化し、金回りが悪いと人々はココロもサイフも余裕がなくなってしまい、22万円でさえ多いと思ってしまうのではないかと思います。

もし、夫婦と子ども1人の家庭で世帯月収が22万円を下回っているようなのであれば、それは日本国憲法第25条1項に反しますから、今すぐお住まい近くの市役所福祉課に相談すべきでしょう。

この類いの弱者叩きを見ていつも思うのは、選挙に勝つために大企業の法人税率を引き下げ、ジャンジャン儲からせている一方で、赤ちゃんからお年寄りまであまねく負担させられる消費税は上げられているという政治の矛盾には怒りを向けないのはなぜなのかということです。

たしかに、このゲーマー野郎は幼い子どもを抱えているのにも関わらず働きもせず、生活保護を受けているので批判されるのも当然ですが、あくまでもこの男が公的扶助を受けるに値すると判断したのは市役所の福祉課です。

要するに法的にはなんら問題はありません。この現状に怒りを覚えているのであれば、生活保護を受けている人を叩くのではなく、適正で公平な審査制度を設けるよう国に求めることが必要だと思います。

そんなことするほどでもないわと思われるかも知れませんが、そこまでしなきゃ変わらないし、今後もああいった恥も外聞もない生活保護受給者が出てくることは間違いありません。

現れるたびに叩いていたらコスパも悪いです。
根元を叩く方がリーズナブルですよ。

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