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削られる年金 膨らむ防衛費 | 作られた分断#10

なぜ、辺野古の新基地建設が沖縄県に住む人たち以外にも関わってくる問題だといわれるのでしょうか。

辺野古の埋め立てに反対する理由は実にさまざまです。

ローラさんの「美しいサンゴ礁を埋め立てないでほしい」という純粋なものから、「反対する人たちの意見に耳を傾けようとしない政権のやり方に反発している」という手続き、手法について批判する人もいます。

じゃあ、あなたはどうなの?ってことなんですが、辺野古の話題を出すとよくこんなことを言われます。
「辺野古のことは政治に関わるよく分からない暗い話だからこんな話題に首をツッコむとは、よっぽど政治オタクだね」と。
結論から言うと、これはまったくもって的外れな見立てです。

実は、自分も政治って堅苦しくてこんなつまらん世界があるのかと思う人間です。

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(「政治」の話題が始まると、多くの人はこのスヌーピーと同じ感じになってしまうと思います。)

それでも、定年して年金をもらう年齢になったときいったいいくらもらえるんだろう?と気がかりで仕方ありません。

また、いつ自分が仕事ができない体になってしまったり、手足を失ったり、四肢が麻痺するかわかりません。もしそうなったとき、国や自治体はどんな手を差し伸べてくれるのか。

これらを確かめるためには、否が応でも行政がどこにどれだけの税金を使っているのかを見ていくしかありません。政治に関心を持っているのは、好きだからオタクだからということではなく、これをするためなんです。

政治家や官僚の多くが高偏差値の大学を卒業したエリートです。みんなそれを知っているので、「お金もかしこく使ってくれるはず」と思いがちです。

ただ、国会での議論を見ていると、どんなに頭の回転が速くてもお金の使い方はまるでわかっていない議員や官僚はたくさんいます(これは決して僻んでいるわけではありません)

その中でも、辺野古の新基地計画は群を抜いて頭の悪い計画です。
政府は「普天間基地が住宅密集地のドまんなかにあるのは非常に危険なので、この基地をまるごと辺野古の海岸沿いに移して危険性を除去しま~す」ともっともらしく言っています。(くわしくは後述しますが、実は今のままでは辺野古に新基地を作ったところで普天間基地は返還されません。

では、辺野古の新基地建設、これいったい何年で完成するのでしょうか?

まず、昨年末に下図に示す埋め立て区域の一部への土砂投入が始まりました。この埋め立て工事に5年かかります。

さらに、埋め立て区域の一部にマヨネーズ並みの強度しかない超軟弱地盤が見つかり、さすがにこの上に滑走路は敷けないので、地盤の改良工事が必要になりました。この改良工事に5年かかります。

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(白線で囲った部分はすべて埋め立て予定地=琉球新報)

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(埋め立て予定地の一部を空撮した写真=テレビ朝日)

そして埋め立てが完了しても、軍事基地なのでいろいろと施設を整備する必要がありこれに3年かかります。

単純計算で、なんと13年かかることになります。

つまり、2031年末まで普天間基地の周辺に住む人たちは上空を飛ぶポンコツヘリコプターや、戦闘機の騒音に安眠を阻害され、怯えなければいけないのです。

特に、ポンコツヘリコプター「オスプレイ」はここ数年で沖縄県内において墜落を含む重大事故が何件も起きています。「墜落する頻度なら旅客機と変わらないのにオスプレイだけを目の敵にするのはおかしい」などと主張する人もいますが、そういう人はオスプレイがここ数年でおこしたトラブル、事故を知らないだけです。事実を無視して自身の経験則から主張を組み立てることの愚かさを認識すべきです。

さらに米軍は、戦闘機の窓枠などの部品を小学校のグラウンドや幼稚園の屋根の上に落下させてだんまりを決め込むタチなので、米軍機が小学校などの学校施設の上空を飛行するときはサイレンを鳴らして屋内避難を実施します。その回数実に年600回以上。戦時中と見紛うほどです。

次に、辺野古の新基地建設にはいったいどれだけの税金が投入されているのかという問題です。

防衛省の当初の計画では工費が2405億円でした。

しかし、月日を経るごとにその額が増加していくことに業を煮やした沖縄県は、昨年末に独自の試算を発表しました。

その額、なんと2兆5500億円。このなかには防衛省が計画には入れていない超軟弱地盤の改良工事費1500億円も含まれています。

この額がどれだけの規模かというと、今年の10月に消費税が8%から10%に引き上げられますが、それによって見込まれる税収の増加額とほぼ一緒です。

5000年かけて形成された希少なサンゴ礁を生き埋めにして米軍様に献上するのに13年2兆円あまりを費やす。この点でいうなら、汚染がひどい大阪湾や淀川を埋め立てて基地を作った方が工期も工費も、環境面においても断然マシです。

ただ、大阪のド真ん中に米軍基地がやってくるとなったときには、普段は「辺野古なんて沖縄の問題なんだから沖縄だけで考えればいい」「ヘノコ?なにそれおいしいの?」と考えている大阪府民もあわてて反対することでしょう。

しかも、先ほど触れたように13年2兆円かけて辺野古に新基地を作っても、今のままでは普天間基地は返ってきません。
新基地はアメリカ側が提示した普天間返還条件を満たしていないからです。

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現在埋め立てが進んでいる辺野古新基地は滑走路の長さが普天間基地の長さ(2800m)に満たないことが分かっています。

そして、沖縄県内において普天間基地と同程度の長さの滑走路を持つのは那覇空港です。

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(那覇空港)

那覇空港ではすでに、自衛隊との共用で過密状態が問題視されており2014年に2本目の滑走路が新設されたばかり。この2本目の滑走路も、米軍受け入れのために新設されたのではなく、大幅に国内外の旅行客が増え現在の体制では旅客機を受け入れきれないとの理由から新設されました。

つまり、那覇空港には現在米軍を受け入れられるだけのキャパはありません。

ここまで見てきて、この新基地計画がどれだけ頭の悪い計画であるかわかっていただけると思います。

こんな頭の悪い計画に私たちの税金が使われ、年金の受給額はどんどん減っていく。こんなことがまかり通っているのは、政府が国民の幸せを第一に考えて効率的にお金を使っているのかをチェックする気が私たちにないからです。

自分たちには関係ない話だと思い込んで放置し、選挙になったら、なんとなくイメージの良い安倍さんを選ぶ。

将来年金が10万円しかもらえなくなっても困らないという人は、別に政府がどんなことにお金を使っているかなど興味を持たなくても生きていけますが、自分は絶対イヤです。おそらく70歳ぐらいになったら、コーギーとビーグルの2匹を養っているのでせめて飼っているワンちゃんには不自由なく生きてほしいからです。

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このまま、ムダなことに税金を使われ続け、もらえる年金が減っていけば国民はワンちゃんを飼えなくなり、保健所行きになるワンちゃんが増えていくことでしょう。(忘れてました、ネコちゃんもです。)
他にも、たくさんムダなことに税金がつぎ込まれています。挙げればキリがありません。

しかしそれは、誰にとっても「ムダ」であるということではありません。たいていそういう話は政治家たちにとってはメシウマ案件なのです。

でも、この国の国民の多くはそんなこと知らないし、知っててもすぐ忘れるしってことで政治家はやりたい放題です。

どれだけやりたい放題しているかというのは、ふだん放送されている国会中継での自民党の先生方の受け答えをみるのが一番わかりやすいかと思います。

いったい政治家は誰のためにどんなことを考えているのか。それをつぶさに見ていき、おかしいことをやっていればおかしいと言う。それを地道にしていくことでしか、政治屋による政治屋のための政治は止められないと思います。

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