医学論文解読 : 農作物の残留農薬について(エジプト・南アフリカ・カナダの比較)

カナダ、エジプト、南アフリカの残留農薬の検査論文を読んでみる。日本はカナダからは小麦やキャノーラ油、南アフリカからはオレンジ、エジプトからはイチゴやタマネギなどを多く輸入している。一見地域も輸入品目もバラバラの3つの国ではあるが残留農薬(MRL)の調査結果は農作物の信頼性を表す客観的な指標だろう。

カナダ / 68.5%から残留農薬が検出された。残留量の国際基準(MRL)を超えているものは3.2%だった。穀物や果物で検出される率が非常に高く(91.4%)ポストハーベストの影響と類推される。

南アフリカ / 56.46%から残留農薬が検出された。残留量の国際基準(MRL)に登録されていない農薬が複数使われており、MRL検出には至っていない。特にオレンジ、アボカド、グレープフルーツで検出されている。

エジプト / 42.8%から残留農薬が検出された。残留量の国際基準(MRL)を超えているものは1.76%だった。主にぶどうからの検出だった。

エジプトの結果が最も良い。カナダは、小麦と果物の輸入品にやや注意が必要だ。特に小麦は米国に次、大量に日本に輸入されている。最もリスクが推定できない(が故にリスクが大きい)のが未登録の農薬を複数使っている南アフリカであろう。スーパーでは南アフリカ産のグレープフルーツを良く見かけるが、美しく、カビも生えないあの球体には見えないリスクが潜んでいる。。。



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