見出し画像

NEVER THE SINNER -魅かれ合う狂気-の感想と勝手な考察

ネバシナ東京公演、観てきました。
私なりの考えを、いくつかのキーワードごとに、好き勝手に、書いていきたいと思います(ネタバレなども含みます)。
聞き間違いとかあったらすみません💦

と、その前に。

私自身のことを、少しだけ。

・辰巳雄大くんが好き
・林翔太くん、姜暢雄さん、荒木健太朗さんも観られるの嬉しい!!
・仕事で精神鑑定に関わることが年に何回かあります
・レオポルドとローブ事件については全く知らなかった(スリルミーも観たことがなかった)ので、事前に少し調べました

という状態で、観劇しました。


『鳥』
レオポルドが好きな、鳥。
最初のシーンは、レオポルドが野鳥観察について学生に教えるところから始まります。
この注意すべき3つの点が、事件のときに注意すべき点でもあったのが、なるほどなあ、と思ったことのひとつ。
そして、舞台では最後に描かれていた、レオポルドとローブの出会いのシーン。
鳥が好きな理由として、「幸せそうだから」と言うレオポルド。
そこに、「獲物を捕るし」と付け加えるローブ。
まさに2人の交換条件、悦びと殺人。
出会ったときからとても2人らしくて、大好きなシーンです。

そうそう、精神鑑定の場面での自由連想法では、空→鳥だったレオポルド。
そこで気になったのは、ローブの、猫→背骨、と、殺人→…新聞。
猫の背骨は柔軟という特徴があるので、人ですらこんなに簡単に…と思うと、もしかしたら猫くらい…なんて考えてしまう。
また、ボビーのお葬式で自ら新聞記者に名前や住んでいる場所を言ったシーンや、新聞記事を読んでここを出たら俳優になると言っていたシーンを考えると、ローブにとっての『殺人』は、そういうところに繋がるものなんだ、と思う。
(個人的には、まさか自分の好きなひとの鑑定場面を観ることになるとはなあ…と不思議な気分でした)


『小さい』
違和感があったのが、レオポルドの妄想、王様と奴隷の中で出てくる「金色の小さな紐」。
他の皆は、鎖。
紐が小さいって、どういうこと??ってずっと思っていました。
ネバシナの中で出てくる『小さい』といえば、
・ローブの「僕は小さい、心は綺麗」という言葉
・ボビーが亡くなったときの、新聞記者の「小さな身体、小さな棺、小さな霊柩車」という言葉
くらいかな…?
そう考えると、小さい=弱さ、繊細さみたいなところなのかな。

レオポルドが旅立つ前のシーンでは、暗転するまでずっと手を繋いでいたり、ローブが泣くシーンでは、レオポルドの手を振り払い、それでもレオポルドはローブの肩をぐっと抱き、ローブはレオポルドに掴みかかる…なんていうときもあったくらい深いところで繋がっている2人だけれど、儚さ、みたいな面もあるんだろうな。


『ママ』
ローブにとって『ママ』は、とても大切な存在。
でも、本を送ってくれるレオポルドのお父さんと比べて、手紙の返事すらくれないローブのママ。
「シカゴには来ない方がいいかもしれない」と言って、自分を納得させようとしているように思えるところもあった。

小さい頃のことを考えてみると、ローブが最初に言葉を話したのは、ママではなかった。
しかも言葉は「ママ、ないない」だった…ような…(間違ってたらすみません)。
そんなときですらママが近くにいなかったなんて、きっとこれまでにローブがママと過ごした時間はすごく短いんだと思う。
もしかしたら、弟はそうではなかったのかもしれない。
もしかしたら、そんなママに振り向いてほしくて、勉強を頑張ったのかもしれない。
弟を殺すのはどうだ、とレオポルドから言われて、「ママが悲しむ」から、止めようと言うローブ。

ママはシカゴまでもう来ない、とわかってからのローブは、「それでね、テディ…」と話し、「ママに会いたい。向こうにはそんな資格ないけどな、あのババア」と言うほどに。
ママに会えない寂しさを埋めてくれたのは、テディとガールフレンドたちだったのかな。
ガールフレンドとは肉体関係がなかったわけですが、それもそういうことなのかな、なんて思いました。


『沼』
亡くなったボビーを運んだのが、誰にもみつからなさそうな沼。
レオポルドが「寂しいな」と言うのに対して、いまいちそうは思っていなさそうなローブ。
死刑になるかもしれない、というときに、自分が死んだらどうしてほしいか、という話になり、「灰にして、誰も足を踏み入れないような沼地に、自分のことを知らない誰かに捨ててほしい」と言うローブ。
灰にする以外は、まんまボビーにしたことじゃないか。
もしかすると、こうやって同じように葬られるということが、ローブの、ボビーに対する最大限の『慈悲』なのかな、と思いました。
そういえばローブは刑務所で、ボビーがあの日していた野球の審判、みたいな役割もしていたっけ…


『りんご』
レオポルドとローブの2人のシーンでは、何度となく出てくるりんご。
りんごといえば、誘惑、後悔、審判なんかが思い浮かぶわけですが、そう考えると、NEVER THE SINNERにぴったりの道具だなあ。


他にもたーーーくさん言いたいことはあるんですが、
最後に、パンフレットにあった辰巳くんの言葉について。

辰巳くんは、人殺しとそうじゃない人の間にそこまでの違いがあるとは思わない、共感できないと言ってしまうと役との間に壁を作ってしまうと言っていて。
私も仕事で【共感】している、しなければ成り立たないひとりとして、そして精神鑑定に関わるひとりとして、常日頃から、共感できないことなんてそうそうないと思っているので、とても嬉しかった言葉でした。
全然違う人間だ、と壁を作ってしまうのは簡単だけれど、それでは何も生まれない。
それは、どんな人相手でも、どんな状況でもいえること。

そう思う辰巳くんだから、好きなんだろうな。


以上、長くなってしまいましたが、ネバシナの感想でした。
ローブが見たら、「たらたらたらたら…」と言われるんだろうなあ(´∀`;)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?