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1人で山歩きを始めた日

なぜ今になって山を歩きたいと思ったのか。元々ベランダガーデニングをしたり植物園に行って植物を見たりするのが好きではあった。山の上にある植物園の年パスを買うくらい植物園に行くのが好きで四季の花や景色をカメラで撮影してはインスタに上げることを楽しんでいた。

48歳だったか。私は海と山の距離が近い地域に住んでいる。日常の風景として北を見れば六甲の山々が連なっているのだ。それを特別な景色として見たことはなかった。イヤでも目に入る景色なのだ。

それがある時を境に3Dのような感覚で立体的に視覚に飛び込んできた。

山ってこんなにリアルに見えてたか?

48年間、山に登りたいなんて考えたことも無かったのに急に興味が湧いてきたのだ。自宅からチャリンコで行ける登山口があるのだ。私がイメージする「登山」の中に一番身近な「六甲山」は含まれていなかった。いわゆる北アルプスや有名な2000mとか3000mの山が「登山」だと思っていた。

低くても山は山じゃない?
私でも歩くことができるのだろうか?
身近に山歩きしてる知り合いなんていない。しかも私は平日が休みなのだ。そもそも友達が少ないし、一緒に山登りしてくれる友達など皆無だ。

1人で行くと決めてからどうやって道を調べ、なぜ一步を踏み出せたのか、なんだかよく思い出せないのだ。
ドーパミンだか、アドレナリンだか、変なホルモンでも出てたのかな。

私の通っていた植物園は登山道にかぶっており、登山者も多かった。
山が植物園なためどこかの山に続く道があちこちにルートとして書いてある。そんなこともきっかけのひとつになったのだと思う。

とにかく私は安いトレッキングシューズを買い、手持ちのリュックを背負って風吹岩という場所を目指した。時間にして登り2時間弱、標高差450mくらいの場所にあった。

「初心者向けって書いてあったのにめちゃしんどくない?」と半ば怒りながら、登山の初心者向けの意味すらよくわからないまま私はその場所に辿り着いてしまった。何はともあれ着いてしまったのだ。

うん・・・まぁ、しんどいけど行けないことはない。

それが山歩きの始まり。最初からソロだった。今となってはソロだったから良かったのだと思う。


初めて登った日


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