すこしはやめに、来年の夏のかわいいをつくろう
特別な日の装いって感じがする浴衣に、ここ数年想いをはせている。
浴衣の魅力がだいすきだ。
歩幅はちいさめに、ゆったりとした足取りで歩く。いつもよりも姿勢がピンとなるのは、ゆるむからと、きゅっとキツめにしめた帯があるから。
ふわっとした後れ毛のあるまとめ髪も、ちいさなきんちゃくも。ゆらゆらとゆれる。
すこしだけじれったくなるくらいの足取りは、なれない装いに、身体はきゅうくつでも、心はときめいている。
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幼いころには、よく着ていたのに………。ううん、着物も浴衣もよく着ていたからこそかな。だから、また着たいなぁってきもちがある。
浴衣をえらんで、帯はきゅっとしめて。髪を結いあげてもらって。ほんのすこしお化粧してもらう。いつもの道が、お祭りのいろでにぎわう中を、草履であるく。
ヨーヨーとスーパーボールをすくって。まよいにまよって。わたあめとかき氷をかう。焼きそばは、おうちに帰ったら作ってもらう。
あの夏の夜がだいすきだったんだ。
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今年こそ、浴衣きれたらいいなぁ。
なんてほんのりと思うだけで、何年も経ってしまっているから。よけいに想いが募るばかり。
いいなぁっと思うのは、自分には着れないなぁっとどこかで思っているからだった。
着れないけど、想像だけはしちゃおうかな、今年は。
そんなわけで、色の組みあわせとか、やってみたい髪型とか、合わせたい小物をふんふんと考えている。
考えはじめたら、たのしくて。重かった身体がどんどん軽くなって。着付けのできる友人にもたくさん話をしている。
来年は、浴衣でおでかけしようが叶ってしまいそうだ。
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もっと早く、考えておけば、今年きられたのかな。毎年、こんな想いがでてくるのもいっしょ。
想いがつのれば、重さがでてきてしまうからふしぎ。けど、もう大丈夫かな。
結いあげた髪に、ちいさめのきんちゃくをもって。あしの親指と人差し指の間がすこしすれるのを感じながら。夜の涼しいかぜを感じる夏を、来年へ。
いつも読んでくださり、ありがとうございます♡