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教職志望の方へ(17)ー休暇について その2

 「教職志望の方へ(15)ー休暇について」を書いてから、他の方の夏休みに関して公立と私立の違いの記事を見て、思い出したことがありました。長期休暇、特に夏休みについての補足です。

【自由出退勤の頃】
 大阪府立高校では、自由出退勤のころから夏休み中など「長期休暇中の動静表」を教頭に提出させられていました。
 元々自由な人々が多いので、休暇中にどこにいるか、旅行先の連絡先電話番号まで書かされるのを嫌がる人は多く、当時はクラブ付添いだけ書いて出すことが多かったように思ます。
 しかし、これに対して、運営委員会に入っていて、おつれあいが校長という噂の、貫禄ある先生が「会社だったら、重役は休みでも、どこにいて、連絡先を書くのは常識なのに」とのたまわれました。時期を思い出したのは、この先生が三国丘全日制の先生だったということを思い出したからです。平成元年から二年頃ですね。私はペーペーどころか講師だったので、重役じゃないし、と思っていました。というよりも、夏休みをそんなに計画的に過ごしてはいなかったので書けなかった、が事実です。

【週休2日、隔週土曜授業の時期】
 週休2日で、まだ土曜日に授業がある頃は、土曜授業の回数が足りなくなる分は別の曜日に時間割変更で調整していたと思います。この時期は時間割変更がよく入りました。教務部時間割係は苦労していたと思います。
 で、係は、教員が週休2日を取るのを可能にするためには、午前か午後かに授業を空けなければなりません。先輩によれば週一で研修日があった時期もあったそうですが経験していません。
 午前は授業が4コマ潰れ、午後は2コマ潰れることになるので、休暇用に各人に空けるのは必然的に午後になります。
 各人が週のどこかで午後に適宜休みを取れば、隔週週休2日+残り隔週日曜と土曜午後+隔週1午後半休=週休2日で、辻褄は合います。しかし、時間割的にムリでした。
 このため、夏休みなどに、この半休を飛ばして休む、ということになりました。それ以外は、クラブ付添いを入れたり、夏休み補習をして夏期特別休暇を取れば、それで夏は終わりました。高校三年は8月末は2月の代わりに授業がありますしね。

【完全週5日制以後】
 半休を夏休みに飛ばしていたため、何となく休暇を申請しないと夏休みは休めない雰囲気になり、隔週土曜授業が無くなると、半休を飛ばさなくてもいい代わり、夏期特別休暇以外の夏休みをどうする、となった時、研修願を出すことになりました。
 最初の頃は研修願だけでしたが、次第に何をしたのか報告書が必要になり、しまいに成果物を出さなければならなくなりました。
 そして、そのうち研修願も通らなくなりました。特に通らなくなったのが図書館に行くことです。
 この時にはもう定時制にいましたので、ほとほと困りました。工業高校なので、校内に国語の本がほとんどないのです。国語科は古い学校ならば、教科の部屋に日本国語大辞典や全集本を持っていますが、工業ではそういう本がとにかく何もない!予算もない!
 確かに国語の教員は家が図書館化しますけれども、本の重みで床が抜けるので専門外は買わないのです。
 その頃、もう教育委員会と大阪府政を見限りました。教育とは何か分かってない、と。

【夏休みの意義】
 監督をしているクラブ顧問ならいざ知らず、普通の教員にはリフレッシュに長期休暇は必要です。
 頑張っても頑張っても、成果は生徒のものですし、教育困難校では目に見える成果すら上がらないのです。
 昔、小学校5年ぐらいの読書感想文用課題図書に『春駒のうた』という本がありました。主人公の小学生の男の子を教える女先生が、僻地の小学校で奮闘しながら教えて、夏休みに実家に帰ってゆっくり寝て「学校に行きたくないなあ」と思うシーンがあったと思うのですが、小学生だったその時は大人でもそんなことを思うんだ?と思いました。
 しかし、実際に教員を長年やってみて、24時間学校の先生、というのは、やっぱり人間が壊れるから、先生という立場から離れる時間が必要だと思うのです。
 だから、先輩方は「趣味を持て!」と言い、またベテランになればなるほど、休みにポーンと知り合いのいない海外などに行ったり、携帯電話の2台持ちをして、休暇中は仕事用の電源を切っちゃったりするのだ、と知りました。

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