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桃鉄令和のマスの駅はどんなところ? ♯04~朝里駅~

Switch用ゲーム桃鉄令和のマスになってる駅に実際行ってみるシリーズ。
今回紹介するのはこちらの駅。

未来と夢に溢れた駅!…なのか?

このマスは、75年目に出現するみらい駅。
詳細は割愛しますが、1口1000億円で投資をすることが出来、80年目になると晴れてみらい超特急が開業。
なんとここから1マスで九州は福岡県まで行けてしまうという超電導リニアもビックリの路線が誕生します。

そんな超特急の北海道側の起点となっているのが朝里駅。
現地を知らない桃鉄プレイヤーは、どれだけ凄い場所なんだろうか?と期待に胸を膨らませているかはさておき、実際の朝里駅ってどんなところなのか。見ていきましょう。


これが実際の朝里駅!……結構こじんまりとしてます。

朝里駅があるのは、前に紹介した銭函駅と同じく小樽市内。
実は銭函駅の1つ隣の駅だったりしますが、断崖の崖下をクネクネと走ること、なんと8.8kmほど離れています。
かつてはこの間に張碓駅が存在しましたが、2006年廃止となっています。途中の張碓トンネル札樽側出口すぐのところにありました。

Googleマップより朝里駅周辺の様子。
銭函駅と同様に海際に位置。

朝里という地名は、アイヌ語由来のものですが「マサラ(浜沿いの湿原)」など諸説ありはっきりしたものはない模様。
この辺でアサリが沢山獲れたから…というわけではないです。
(余談ですが、函館本線を更に小樽方面へ進んでいくと、海沿いでもないのに「昆布駅」なんてところもあります)

朝里駅自体の歴史は1980年11月。
幌内鉄道の札幌~小樽(手宮)間が開業した当初から朝里駅が設置されました。
ただ隣の銭函駅とは違い、当初はフラグステーションとしての開業だったそうです。
※フラグステーション:乗客が旗を振って運転手に知らせた時のみ停車する、今でいう路線バスに近いスタイルの簡易的な駅。

跨線橋から札幌方面。
小樽方面。海が近い。

2面2線のシンプルな中間駅。
かつて中線もあったようです。
小さめな駅舎が北の海側にありますが、実は無人駅。
IC対応の自動改札機や、簡易的な自動券売機はあります。

駅舎内の様子。コンパクト。
無人駅ですが、かつての窓口跡は確認できます。
こういう痕跡。無人駅あるある。

立地的に銭函駅と似ていますが、大きな違いとして駅舎のある海側に建物が銭函ほど多くないせいか、内陸側の1番線(小樽方面のりば)から駅の外に駅舎を通らず出ることも出来ます。
で、そのホームにはファンの間でちょっと話題になった珍光景がありまして…。

改札機で間違いないはずなんだけど…。

行き止まりの改札機…?
とはいえ見ればすぐにわかることですが、交通系ICカードのタッチを行うために設置してあるだけです。わざわざ駅舎側のホームに行かなくても大丈夫な措置。
思いきって壁に向かうと9と3/4番線に行ける…なんてことは勿論ありませんのでやめましょう。

普通列車と日中の手稲~小樽間の各駅停車タイプな快速エアポートが停車します。
本当の快速タイプのエアポートは通過しますが、この区間が海岸沿いでカーブも多いため、100km/h程の高速で通過ということはありません。…それでも70~80km/hは出てると思いますけど。

朝里駅に停車する721系電車。

また、この駅はひそかに色んな作品のロケ地にも使われており、中でも岩井俊二監督の映画「Love Letter」がアジア圏で近年大ヒットした影響で、海外の旅行者が聖地巡り的に訪れることも多いとか。
実際に今回の訪問時にも、海外からの観光客と思われる人が写真撮影している様子も見受けられました。
そのためかそこそこの頻度で、危険な撮影行為はやめましょう的な内容の多言語自動アナウンスが流れます。
この他、ZONEのシングル曲「僕の手紙」のPVにも使われたりと、都市札幌に近く海沿いという格好のロケーションだからか色んな作品に出てきています。

小樽方面ホームに設置されてある発行機。
整理券的な役割を担う。
駅の東側には、なんだか真新しそうな安全の碑が。

駅舎を出て東側に向かうと、朝里海水浴場という小規模な砂浜もあります。
夏場に列車に乗っていると、朝里~小樽築港駅の海岸で海を楽しむ人をチラホラ見掛けることは多いです。

あおーい空 ひろーい海・・・
奥に見えるのは小樽市街及び積丹半島。

銭函駅と同じように、商業施設等は内陸へ少し登った国道5号線沿いに集中しています。ただ国道までの距離は銭函駅よりも短い。
なお、駅舎から西側(小樽方面)の道を歩いていくと、ちょっと立派な石碑が立っています。

国道に出るには駅舎東側からの方が近いので、
こちらはなかなか目立たないかも。

頌徳碑(しょうとくひ)という一発で読むのが難しい碑なんですが、これは町田外也という大正時代にこの地区の朝里小学校の校長を務め、住民に親しまれた方とのこと。
こんなところでちょっとした地域の歴史に触れることが出来ます。

国道に出れば各種店舗も並び、路線バスにアクセスすることも出来ます。住所的には国道以南あたりで新光という名前になりますが、それを含めて朝里という地域に括られています。

高速道も並行してるとはいえ、下道の交通量も多い。

ちょっとしたトピックとして、この朝里に本店を構える道民にはよく知られているお店があります。これがこちら

ラーメンに入ってるなるとの専門店ではありません。

小樽なると屋 
小樽や札幌を中心に道内に複数店舗を持つ「ざんぎ」などの揚げ物が食べられるお店。
意外?にも朝里が本店なんですね。
人気No.1と言われる「若鶏の半身揚げ」が大変有名です。

自動販売機も完備。食べてくか持ち帰るか。

小樽駅の物件に「ざんぎ屋」というものがありますが、それがこのなると屋……というのは半分正解かな?ということで。
詳しくは小樽駅の回でまた解説します。

ちなみに、この朝里駅から山の方へ向かっていくと、朝里川温泉という地元では割と名が知られている温泉郷があります。
が、朝里駅から行こうとするのはオススメしないです。というのも、国道と温泉に向かう道の交点の写真を見ると…

さすがにあと200km先とは言わないけども。

温泉はある程度山を登らないといけないということで、かなりの距離があります。
1時間少々頑張って歩けば行けなくもないと思いますが、上り坂ということもあるので気軽なアタックは避けるが吉。
もう1駅先の小樽築港駅(小樽駅でも可)から路線バスを使った方が圧倒的に楽です。
五稜郭公園に行くなら五稜郭駅じゃなくて函館駅からの方がいい。に近いものがありますね。

朝里駅についての紹介は以上です。
桃鉄ではみらい駅という重要な要素になる駅ですが、実際はというと主要駅でもないどころか無人駅だったり、実は周りに港があるというわけでもないという、恐らく場所だけで選出されたのではないかと思えてしまうかもしれません。
(だったら札幌から北に1マス伸ばして石狩駅にしても良い気も)
が、むしろそんな駅だからこそ、ここから九州までの超特急を造るとしたら…?なんて想像を働かせるのも面白い一面があることでしょう。投資○兆円どころじゃ済まない気しかしませんが。

普段は通過しがちな駅にも、町と共に刻んだ歴史があります。
余裕がある時に訪れてみると、意外な発見があるかもしれません。

ここから海に出てあの半島を回って福岡まで。
…やっぱり途方もなさ過ぎる。

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